この物語をここまで読んでくれて、本当にありがとう。
『デビルじゃないもん/DECO*27×ピノキオピー』という楽曲から、「正しさ」と「愛されたい」という気持ちの板挟みでぐしゃぐしゃになった心を、笑い飛ばすように叫ぶように描いています。
その感情は、どこか痛々しくて、だけどとてもリアルで、"ああ、こんなふうに壊れながらも生きてる"って誰かのことを思い出させてくれます。
ーーあるいは、自分自身のことを。
この物語は、「誰かの理想の天使にも、誰かに嫌われる悪魔にもなれない、でもちゃんとここにいる"私"」を、旅させてみたいと思って始まりました。
傷ついた心が、"堕ちていく"のではなく、"自分の底"まで潜って、自分だけの答えを拾い上げる物語。
物語の中の「レイ」は、案内人であり、分身であり、心の中にいる"もう一人の私"です。
彼女との会話は、あなた自身との対話だったかもしれません。
そして、最後に選ばれる「D:生きる」という選択肢。
それは一見地味だけど、実は一番勇気が必要で、一番尊くて、誰にも代わってもらえない唯一のものです。
この物語を通して伝えたかったことは、ひとつだけ。
「あなたがあなたでいることを、否定しなくていい」
誰かの正義に押しつぶされそうなとき。
"いい子"の仮面が息苦しくなったとき。
何者でもない時分が、どうしようもなく情けなく思えるとき。
そんなとき、この物語がふと、背中をそっと押すような小さな"救い"であれたら、心から嬉しく思います。
だいじょうぶ。
壊れても、戻らなくても、"選び直す"ことはできるから。
今日も、"あなた"という選択肢が、ちゃんとそこにありますように。
※この物語はフィクションです。