紅の月に誓う罪

俺は佐野真一郎

俺は数ヶ月後に兄ちゃんになるらしい

弟の名前は万次郎になった

とても愛らしい元気な男の子

母さんと父さんは万次郎の世話や 仕事で忙しいらしい

この時の俺は気晴らしに散歩へ行った

案外、暗くなるのは早くて

近道を通ろうとしたっけな

通らなければ良かった

そう思うのも今ではあり得ない

俺はこいつにあえて良かった

目の前にいるこいつはボロボロ おまけに傷だらけ

無口だし

何か言えや

数秒間、時間が止まったみたいだった

俺は、沈黙に耐えられず口を開く

困惑した顔で俺を見てくる

それを見て見ぬフリをして俺は家に帰った

注意

昼です

そいつはそこに居なかった

麗華