テラーノベル
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今日はLANの家でオフコラボ配信のゲームをやる日だった。
配信画面は、「楽しみ」といったメッセージで溢れている。
LAN
画面が切り替わる。 ワイワイとゲームが始まった。 いつものように和気あいあいとした雰囲気に包まれ、順調に配信は進んでいた。
しかし、しばらくすると、いるまの様子が少しおかしいことにメンバーたちは気づき始めた。
LAN
LANが心配そうに画面を覗き込む。いるまは普段から色白だが、今日はどこか青白い。 額にはうっすらと汗が滲んでいるようにも見える。
いるま
明らかに大丈夫じゃない。
コメント欄にも「しんどそう」といった声が上がり始める。
なつ
優しい口調でそう言ったのは、なつだった。いるまは首を横に振る。
いるま
その時だった。いるまが急に口元を押さえ、画面から顔を背けた。 ごほッ、ごほッと嫌な咳が聞こえる。メンバーたちの顔色が変わる。
なつ
驚いて声を上げたのは、なつだった。いるまは完全に顔を伏せ、肩が小刻みに震えている。 マイクが音を拾う。ごく、と何かを飲み込むような音が聞こえたかと思うと、次の瞬間には――
いるま
堪えきれなかった嘔吐の音が、はっきりとマイクを通して配信に乗ってしまった。
LAN
LANがいち早く立ち上がり、いるまの傍に駆け寄った。 隣に座っていたすちも慌ててティッシュの箱を探す。
いるま
いるまは顔を真っ青にして、座り込んだまま震えている。
こさめ
こさめはいるまの背中を優しく擦り続けている。 LANはすぐに状況理解し、冷静な声で視聴者に語りかける。
LAN
LANが配信終了ボタンを押すと、画面は一瞬で真っ暗になった。 静まり返ったLANの家に、いるまの苦しそうな息遣いだけが響く。
なつ
なつがいるまの背中に手を添え、ゆっくりと体を起こそうとする。 すちが持ってきたゴミ箱を口元に差し出した。
いるま
いるまはそう言うものの、顔色は依然として悪いままだ。みことがペットボトルの水を差し出す。
みこと
メンバーたちの優しい声と、温かい手がいるまを包み込む。 配信というプレッシャーの中で体調を崩してしまったいるまに、非難の色は一切ない。 ただただ、心配し、支えようとする仲間たちの絆がそこにはあった。
いるま
再び絞り出すような声で謝るいるまに、LANは強く、そして優しく言った。
LAN
その言葉に、他のメンバーも頷いた。 いるまは、その温かさに、ようやく少しだけ安心したように、深く息を吐いた。
いるまは、感謝の言葉を最後まで言えずに、涙が滲むのをぐっと堪えた。 こんな時でも、仲間がそばにいてくれることが、何よりの救いだった。
こさめ
こさめはいるまの額に手を当て、熱がないか確かめる。 少しだけ熱があるような気もしたが、顔色の悪さに比べればまだ軽度だ。
LAN
LANはそう言って、別の部屋へ向かった。 すぐにふわふわのブランケットを持って戻ってくると、いるまの肩に優しくかけた。 その温かさに、いるまはホッと息を吐く。
すち
すちは、心配そうにいるまの顔を覗き込む。
いるま
みこと
みことは器用にソファのクッションを動かし、いるまが横になれるスペースを作った。 なつがそっといるまの体を支え、ゆっくりと横たわらせる。
なつ
なつの優しい言葉に、いるまは小さく頷いた。 目を閉じると、まだ少し胃のむかつきは残っていたが、 仲間たちの温かい存在に囲まれている安心感が、それを和らげてくれるようだった。
こさめ
LAN
すち
みこと
なつ
メンバーたちは、いるまが休んでいる間も、小声で状況を確認し合っていた。 いるまにはその声が、心地よい子守唄のように聞こえた。 やがて、安堵からか、いるまの意識はゆっくりとまどろみの中に落ちていった。
いるまが眠りについてから、スタジオは静寂に包まれた。 時折、こさめがそっといるまの額に触れたり、LANが加湿器の水をチェックしたり、 すちが静かにペットボトルを差し替える音がするだけだ。 みこととなつも、いるまの様子を心配そうに見守っている。
こさめ
こさめはソファの横に座り込み、いるまの寝顔を見つめながら呟いた。
LAN
すち
すちの言葉に、他のメンバーも頷く。 いるまは常にメンバーのことを気にしていて、なにをするでも完璧にこなしていた。 だが、その分、無理をすることもあると知っていた。
みこと
なつ
彼らは、自分たちを責めることなく、ただひたすらにいるまの回復を願っていた。 メンバー同士の信頼と絆が、この静かな空間を温かく満たしていく。
しばらくして、いるまが小さく身動ぎした。 ゆっくりと目を開けると、ぼんやりとした視界の中に、 心配そうに自分を見つめるメンバーたちの顔が見えた。
いるま
LAN
いるま
まだ完全に声が出ないようだが、先ほどよりは顔色も幾分か良くなっているように見える。
LAN
すち
いるまは小さく首を横に振った。
いるま
こさめ
こさめは、近くにあったペットボトルの水をコップに注ぎ、ゆっくりといるまの口元へ運んだ。 いるまはそれを少しずつ、ゆっくりと飲んだ。冷たい水が喉を通る感覚が心地よかった。
みこと
なつ
いるまは、メンバーたちの優しい眼差しに包まれながら、再び目を閉じた。 まだ本調子ではないけれどこの温かさがあれば、きっとすぐに回復できると信じることができた。
コメント
6件
ほんとに最高!!配信中とかの体調不良もめっちゃ好き!!!