樹(幼少期)
……。(フラフラ)
凛(幼少期)
ごめんね…。大丈夫?
樹(幼少期)
だい…じょうぶ…。
凛(幼少期)
そっか…。
凛(幼少期)
無理に行かなくても…いいんだよ…?
樹(幼少期)
ううん…行くもん…。
おとん
ブツブツブツブツ…
凛(幼少期)
………。
その頃の俺は、姉ちゃんを守らないとって必死になって、 「姉ちゃんに手は出すな」って言ってみたりしてた。
三人でお母さんのお見舞いに行くとき、 いつも姉ちゃんは俺の心配をした。
樹(幼少期)
(¦3[▓▓]
ガ…チャ…
樹(幼少期)
ん??
ある日の晩、俺がお父さんに殴られ、休みがてら寝ていると、 控えめにドアの閉開音が聞こえた。
音に敏感になっていた俺は、飛び起きてしまった。
樹(幼少期)
……?こんな時間に…?
樹(幼少期)
姉ちゃん…!?
凛(幼少期)
樹…!?
凛(幼少期)
なんで起きてるの…?
樹(幼少期)
ドアの音で…起きちゃって…
凛(幼少期)
そっか…ごめんごめん……。
樹(幼少期)
姉ちゃんこそ、なんでこんな時間に…?
凛(幼少期)
ちょっと…ね。
凛(幼少期)
ら、ランニング?
樹(幼少期)
ふーん…。
凛(幼少期)
起こしちゃってごめんね…。おやすみ…。
樹(幼少期)
うん…。
樹(幼少期)
ランニング??
このときの俺は姉ちゃんを守りたいから、 ランニングでとやかく言わなかった。
だが、次の日も、その次の日も、姉ちゃんはランニングと言って 夜に外へ出かけた。
俺はいつも…お父さんに殴られてるってのに。