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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 天使パロ
rara🎼
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──もしも、過去をやり直せるのなら。
──けれど、それでも“選ばなければならない”ときがある。
残された光と、削れゆく影の中で。
夜の地上。
教会跡の廃墟に、なつはひとり座っていた。
月光が割れたステンドグラスから差し込み、床に朧な影を落とす。
その光を受けた黒い翼は、以前よりもやや淡く、まばらに白が浮かび上がり始めていた。
なつ_ソロネ
ふ、と小さく笑う。
その笑みは皮肉にも、諦めにも見えたが── どこか、かすかに安堵の色を含んでいた。
なつ_ソロネ
手のひらに残る、こさめの結晶。
その淡い光が、なつの鼓動に呼応するように揺れている。
けれど、同時に。
なつ_ソロネ
なつの視線が、崩れかけた十字架に向けられる。
かつて、ここにも多くの祈りがあった。
けれどその祈りは、いつしか絶望に飲まれ、誰もいなくなった。
助けようとした青年のことを思い出す。
彼は、なつの力で“救われた”と口にした。
けれど──それは地獄への導きだった。
なつ_ソロネ
そう呟いた瞬間、胸の奥がずきりと痛んだ。
堕天の傷──それは、未だに深く、癒えていない。
天界・図書の間。
こさめは、過去の堕天記録を必死に探っていた。
大天使に許されていない領域。
けれど、いるまの口添えで、特別に閲覧を許された。
こさめ_アークエンジェル
ページをめくる手が、少し震える。
そして、ようやく見つけた一節。
《第百二十二記録:個体“なつ”、特例分類。強度の自己抑制下にあり、堕天の定義不確定》
こさめ_アークエンジェル
こさめは思わず声を上げた。
その記述の続きには、こうあった。
《黒化は進行するも、意志による抑制にて一部自律行動。人間との接触多数。導きと破壊の両側面が確認され、現段階における帰属は“境界天使(仮)”と記す》
こさめ_アークエンジェル
天使でも、堕天使でもない。
その“はざま”に、なつはずっと立たされていた。
こさめ_アークエンジェル
その時、ドアの向こうから声がした。
いるま_ドミニオン
こさめ_アークエンジェル
ドアが開き、いるまが静かに入ってくる。
けれど、その顔色は明らかに悪かった。
こさめ_アークエンジェル
こさめ_アークエンジェル
いるま_ドミニオン
いるま_ドミニオン
こさめは、その言葉の裏にある“本当”に気づいていた。
でも、言えなかった。
いるま_ドミニオン
こさめ_アークエンジェル
こさめ_アークエンジェル
いるまはわずかに目を細める。
いるま_ドミニオン
その声はどこか遠くて、まるで安堵と焦りがせめぎ合っているようだった。
いるま_ドミニオン
いるま_ドミニオン
こさめ_アークエンジェル
いるま_ドミニオン
こさめ_アークエンジェル
いるまは、それ以上言わず、背を向けて出て行った。
こさめはその後ろ姿を、何も言えず見つめていた。
同じ頃、訓練場では。
みことが、また光球を割って床にへたり込んでいた。
みこと_パワー
額に汗、服の裾は焦げて、髪にまで火花がかすった痕が残る。
すち_ヴァーチャー
走り寄ってきたのは、すちだった。
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
みこと_パワー
みこと_パワー
けれど、みことの手は細かく震えていた。
すちはその手をそっと包み込む。
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
みこと_パワー
すち_ヴァーチャー
すち_ヴァーチャー
みことは、それでも何も言わず、目を伏せた。
そこに、らんが歩いてきた。
らん_ソロネ
みこと_パワー
らん_ソロネ
らん_ソロネ
らん_ソロネ
みこと_パワー
しょげるみことの背を、すちはそっと撫でた。
そしてらんはその姿を見ながら、心の奥で静かに思う。
──“堕ちる”ってのは、他人事じゃねぇ。
──目の前の誰かが、今まさにその境界にいるなら──
らん_ソロネ
その呟きは、誰にも聞こえなかった。
再び、地上。
なつの背にある黒い翼が、風に揺れていた。
かすかに、白が滲み始めたその羽は──まだ“終わっていない”ことを証明していた。
なつ_ソロネ
けれど、遠くにある祈りが、確かに背中を押してくる。
なつ_ソロネ
その不安が消えることはない。
それでも。
なつ_ソロネ
風が、なつの頬を撫でた。
その風のなかに、かすかに聞こえる声。
こさめ_アークエンジェル
それは祈りの記憶。
どこまでもやさしく、あたたかい声。
なつ_ソロネ
なつの瞳が、少しだけ滲んだ。
そしてその手が、そっと宙を掴む。
白と黒の境界で揺れながら──彼はまだ、天使でいたかった。
第13話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡140
rara🎼
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コメント
2件
毎回好きすぎてめっちゃくちゃ楽しみにしてます!!!!