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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 天使パロ
rara🎼
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──誰かのために手を伸ばすこと。
それは、時に過ちを繰り返すことよりも、ずっと怖い。
けれど、それでも。
天界・静音の間。
今日も変わらず、祈りの糸が空を渡っていた。
いるまは窓辺に立ち、そのうちの一本を静かに手繰り寄せた。
いるま_ドミニオン
それは、ひとりの人間の“迷い”だった。
生きるべきか、終わらせるべきか── ただその間で、何も選べずにいる声。
けれどその声は、どこかで誰かの手を、確かに“待っている”。
いるま_ドミニオン
低く呟きながら、糸をそっと両手で包んだ。
いるま_ドミニオン
──それが、いるまの願いだった。
たとえ自分の手がもう“天使のもの”でなくなっても。
いるま_ドミニオン
地上・教会跡。
なつは、その祈りの糸を受け取り、指先に絡めていた。
“誰かを、助けたい” “けれど、どうやって?”
糸に刻まれていたのは、そんな声だった。
なつ_ソロネ
自分が初めて、地上で迷いに触れたとき。
助けたいという想いが、結果的に人を堕としたことを、なつは今でも忘れていない。
だから、選べない。
祈りに応えれば、また誰かを傷つけるかもしれない。
けれど──
なつ_ソロネ
なつはそっと目を閉じ、祈りの糸をその胸に引き寄せた。
黒く染まりきったはずの翼が、微かに白く滲む。
なつ_ソロネ
その瞬間、祈りの糸が白く輝き、地上の空気が一変した。
その夜、天界・記録庫。
らんは黙って帳簿を眺めていた。
視線の先には、“境界天使”という仮分類の記録。
こさめが見つけたものと同じ記録に、らんは無言で手を置く。
らん_ソロネ
らんの声に、みことが顔を上げた。
みこと_パワー
らん_ソロネ
みことは少しだけ視線を落とし、手元の光球に目をやる。
みこと_パワー
らん_ソロネ
みこと_パワー
らんはその言葉を聞き、少し目を細めた。
らん_ソロネ
みこと_パワー
らん_ソロネ
らん_ソロネ
言葉少ななその宣言は、どこまでも強く、揺るがなかった。
──地上。
祈りの糸を辿ったなつは、朽ちた倉庫の奥でひとりの少女と出会った。
その少女は、膝を抱えて座っていた。
周囲には、倒れた薬瓶。
崩れた壁、誰もいない空気。
少女
少女が顔を上げる。
なつは黒い翼をその背にたたえながら、そっと跪いた。
なつ_ソロネ
少女
なつ_ソロネ
なつ_ソロネ
何度目か分からないやり取りに、なつは答える。
少女は首をかしげ、けれどその瞳に怯えはなかった。
少女
その問いに、なつはしばらく黙った。
なつ_ソロネ
少女
なつ_ソロネ
なつの手が、少女の頭へとそっと伸びた。
その手から流れた光は、かつて地獄へ導いた“黒”ではなかった。
それは、祈りに応じる“白”── かつての彼が持っていた、救いの力。
なつ_ソロネ
なつ自身が驚いたように呟いたその瞬間、背中の翼が一際白く揺れた。
少女の目に、安堵の光が宿る。
少女
その声に、なつはただ小さく微笑んだ。
天界。
その瞬間、祈りの記録台帳に、新たな光の記録が刻まれる。
“人間への救済、確認” “記録主:堕天個体“なつ”
静音の間にいたこさめが、その変化に目を見張った。
こさめ_アークエンジェル
隣にいたいるまも、わずかに目を細める。
けれどその目の奥には、どこか深い焦燥があった。
いるま_ドミニオン
いるま_ドミニオン
いるま_ドミニオン
その手が、自身の胸に触れる。
堕天の進行は止まっていない。
なのに、心はどこまでも、なつに向かっていた。
──そして。
倉庫を出たなつは、静かに空を仰いだ。
祈りに応じてしまった自分を、否定することも肯定することもできずに。
けれど、あの少女の言葉が胸に残る。
少女
なつ_ソロネ
その手が、白と黒のあいだで揺れる翼に触れる。
なつ_ソロネ
それは、祈りでも、誓いでもなかった。
ただ、心の奥から溢れた、純粋な“願い”だった。
第14話・了
rara🎼
rara🎼
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡150
rara🎼
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