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もう戻れはしない

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もう戻れはしない

1 - もう戻れはしない

♥

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2019年06月25日

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10年後

杏奈(あんな)

はい…はい…分かりました。今すぐに旦那とそちらに向かいます。

杏奈(あんな)

祐太ー?

祐太(ゆうた)

ん?なんだよ。

杏奈(あんな)

祐太のお義母さんとお義父さんが事故にあったって…

祐太(ゆうた)

え…?嘘だろ?

杏奈(あんな)

今、○○病院の看護師さんから電話をもらった

祐太(ゆうた)

そうか…じゃあ行くか…

○○病院到着

祐太(ゆうた)

えぇっとどこにいるって?

杏奈(あんな)

んー。確か、302号室だって言ってたような気がするけど

祐太(ゆうた)

そこの受付の人に聞いてみるか?

杏奈(あんな)

そうね

祐太(ゆうた)

あの、すいません

担当の医者

はい?どういったご要件で?

祐太(ゆうた)

えっと、先程電話を頂いた、佐々木と申しますが、母と父が事故にあったと聞いて、駆けつけてきたのですが、

祐太(ゆうた)

母と父はどこの部屋に?

担当の医者

あ、佐々木さんですね。ちょっと待ってください。

担当の医者

302号室になります。良かったら案内をしましょうか?

祐太(ゆうた)

どうする?

杏奈(あんな)

お願いしようか

祐太(ゆうた)

じゃ、お願いします。

担当の医者

かしこまりました。案内係を呼びますね。

案内係

302号室ですね?

祐太(ゆうた)

はい。

案内係

こちらです。

ガラッ

担当の医者

あ、えっと、佐々木さんの息子さんと…

杏奈(あんな)

妻です。

担当の医者

そうですか。すみません。

祐太(ゆうた)

で、母と父の状態は?!

担当の医者

残念ながら、先程お父様が息を引き取りまして…

担当の医者

間に合いませんでした…すみません…

祐太(ゆうた)

杏奈(あんな)

…祐太

祐太(ゆうた)

母の方は?

担当の医者

お母様は、ほんの、ギリギリの状態です。

祐太(ゆうた)

そう…ですか…

ゆう…た?

祐太(ゆうた)

母さん!?

ごめ…んね…

祐太(ゆうた)

もういいから!そんなの…いいから…

あなた…は…裕太の…つまの…

杏奈(あんな)

…あん…なです…

これからも…ゆ…うたをよろしく…ね…

杏奈(あんな)

そんな…お義母さん!

祐太(ゆうた)

かあ…さん…

担当の医者

本当に残念ながら…

祐太(ゆうた)

そう…ですか…

杏奈(あんな)

ゆ…うた…

祐太(ゆうた)

あんな…帰って、母さんと父さんの家の片付けするけど、どうする?

杏奈(あんな)

私も行く…

祐太(ゆうた)

そっか…ありがとう。

実家

祐太(ゆうた)

これは、母さんのものか…

杏奈(あんな)

ねぇ…祐太?

祐太(ゆうた)

ん?

杏奈(あんな)

これは、誰の?

祐太(ゆうた)

あ、それ、俺が小学一年の時にあげた家族の絵だ

杏奈(あんな)

これどうする?どこかに飾る?

祐太(ゆうた)

んー。あ、そうだ。

祐太(ゆうた)

これ確か、母さんと父さんの大事な物入れだから、そこに入れよう。

杏奈(あんな)

分かった。

祐太(ゆうた)

ってあれ?

杏奈(あんな)

どうしたの?

祐太(ゆうた)

いっいや?なんか、意外なものあるなーって思って

杏奈(あんな)

そう。はいこれ。

祐太(ゆうた)

お、おうありがとう。

数分後

祐太(ゆうた)

終わったなー。

杏奈(あんな)

元々片付いててあんま、大変じゃなかったね…

祐太(ゆうた)

そうだな。じゃあ帰るか。

杏奈(あんな)

うん。あっ、ちょっと待って電話が

祐太(ゆうた)

おう。

杏奈(あんな)

祐太ごめん!急用な仕事!なんか、会議に必要な書類を後輩が作ってたんだけど、今日までなんだって。手伝わなきゃ行けない!

祐太(ゆうた)

なんだ。そんな事かいいよ。行ってら

祐太(ゆうた)

あ、車どうすんの?

杏奈(あんな)

ここから仕事場近いから、タクシーで行くよ

祐太(ゆうた)

そっか、行ってら

杏奈(あんな)

うん

帰宅

祐太(ゆうた)

…これ…母さんのだよな?

俺の手元には母さんの日記があった

祐太(ゆうた)

(めくってみてみよ)

祐太(ゆうた)

(3月2日?)

祐太(ゆうた)

(これって母さんが弁当を初めて作ってくれた日だ)

そこには、涙のようなもので滲んだ字が沢山書いてあった

祐太(ゆうた)

祐太(ゆうた)

(昨日のコロッケあんまり喜んでくれなかったな。両手が不自由なのはいつ裕太に言おうかな。お父さんが内緒にしようって…お弁当喜んでくれるかな。)

祐太(ゆうた)

え…うそ?母さん…両手が…ふじ…ゆう?

祐太(ゆうた)

そんな事、1回も聞いたこと無かった。

祐太(ゆうた)

そう言えば、学校から貰ってきた紙とかも全部父さんが書いてた…

祐太(ゆうた)

なんで、言わなかったんだよ。てことは俺は、なんの罪もない母さんを責めてたって言うのかよ……

祐太(ゆうた)

なんでだよ…なんで…今更謝れはしない…

祐太(ゆうた)

そんなに俺…信用なかったのかな……なんでだよ…

祐太(ゆうた)

過去に戻れたら、母さんにごめんねって言えたのかな?いや、あんな酷いこと言わなかったのかな?

杏奈(あんな)

ゆうた…

祐太(ゆうた)

あん…な?

祐太(ゆうた)

なんでここに…?

杏奈(あんな)

後輩の仕事が早く終わっちゃったから、帰ってきたの…そんなことより

杏奈(あんな)

裕太は何も悪くないんだよ。

杏奈(あんな)

信用してたと思うよ…だってあんなに過保護なんだもん…きっと祐太に辛い思いをして欲しくなかったんだよ…

杏奈(あんな)

だから、自分を責めないで…お願い…

祐太(ゆうた)

…っ

祐太(ゆうた)

もう、戻れないってのは知ってる。でもどうすればいいんだよ

杏奈(あんな)

これからの事を考えて生きてけばいい。

杏奈(あんな)

ね?

祐太(ゆうた)

そう…だよね…そうだよな…

杏奈(あんな)

うん…

祐太(ゆうた)

杏奈…ありがとう…

杏奈(あんな)

ううん…これからいっぱいいっぱい幸せになろうね…

祐太(ゆうた)

おう…

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