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ねぇ、知ってる？
この街の話。
え、知らないの？
じゃあ教えてあげるーっ
あのね、みんなには秘密だよ？
ほら、この街ってさ、
端っこの方に森があるでしょ？
そこにね、だぁれも知らないレストランがある
って話。
え？全然怖くないって？
ふふふ、ここからが怖いんだよ〜
そのレストラン、絶品って噂なんだけどね。
行った人、誰も帰って来なかったんだって──
すみれ
って言うのが、この街の怪談！
すみれ
他にも幾つかあるけどね、これが一番有名だよ！
夏帆
へぇ、そうなんだ！
夏帆
ありがとーっ！
すみれ
それにしても、夏帆ってなんだか変だね〜。
すみれ
あ、いや、変人って訳じゃなくて！
夏帆
ふふ、分かってるよ。
すみれ
転校早々、「この街の怪談が知りたいです！」なんて、変わってるな〜って。
夏帆
え？そうかな..？
すみれ
いやいや！絶対変だって！！
夏帆
そっ..か...
夏帆
私ね、怪談が好きなの！
夏帆
人呼んで、「怪談マニア」！
夏帆
...なーんてね！
すみれ
って、ふざけただけか〜い！
すみれ
でも、怪談マニア...ね。
すみれ
似合ってると思う！夏帆に！
夏帆
似合ってるって...
夏帆
あ、そうだ
夏帆
そのレストランって、具体的にどこにあるかとか分からない？
すみれ
え...
すみれ
行こうとしてるの？
夏帆
？うん、そうだけど...
すみれ
やめときな？！？！
夏帆
わっ、びっくりした...
夏帆
どうしたの、急に...
すみれ
だって、そのレストラン、本当にある....
すみれ
らしい、よ？
夏帆
だから何！！だったら尚更行ってみたくない？？
すみれ
え、な、なんで？！
すみれ
ほんとに行って行方不明になった人もいるんだよ...！
夏帆
だからー、わたしがその一任者になるんじゃん！
夏帆
「例のレストランから帰ってきた人」！！
夏帆
かっこよくない？？
すみれ
でも、ほんとに...
すみれ
もういいよ、行けばいいじゃん！！
夏帆
え...急にどうしたの...？
すみれ
え、あ、あ...ごめん！！
すみれ
で、でも...わたしは怖いから行きたくは無い、かな...
すみれ
ごめんね、だから...誘うとしたら別の人を誘ってね！
夏帆
え...うん..
???
...面白そう..！
放課後
夏帆
ちぇっ、つまんないの...
夏帆
すみれと行きたかったのにな...
夏帆
ていうか、一人で行くの怖いんだけど...
???
あ、あの..！
夏帆
？！誰っ？！
紬
わ、わたし...一緒に行きたいです...っ！！
夏帆
えっ...！？
夏帆
...って待って待って！？
夏帆
あ、あなた..だれ？！
紬
あ、わたし...つむぎっていいます..
夏帆
紬ちゃんていうんだ！！よろしくね！私は夏帆！
紬
あ、は、はい...よろしくお願いします..
紬
あの..レストランに行くって...が、学校で聞いて..
夏帆
一緒に行くって...それのこと？！
紬
え、あ、は、はい....！
夏帆
そっか！！ありがと、つむちゃん！！
紬
つ、つむちゃん...？
夏帆
ごめんね！紬って言いにくいから！...嫌だった？
紬
あ、いえ、全然大丈夫です！！
夏帆
良かった〜！
...それじゃ、次の日曜日！で大丈夫？
...それじゃ、次の日曜日！で大丈夫？
紬
はい...！楽しみにしていますね！
夏帆
うん！私もっ！
日曜日
夏帆
ここが...その、森..？
紬
らしい、ですけど...
夏帆
雰囲気あるね..
紬
雰囲気ありますね...
夏帆
あっ
夏帆
被ったね〜っ
紬
えっ
紬
あ、そうですね
紬
...それじゃあ、行きましょうか
夏帆
そう、だね..
紬
はあ..はあ....
夏帆
と...遠いね...
夏帆
もしかして..本当はなかったりして...っ
紬
それは無いっ...ですよ..
夏帆
..なんで..っ...？
紬
なんとなく...ですっ....よ、はぁ..っ
夏帆
そ、...そっか...っ
夏帆
...？！
紬
き、急に..開けましたね...
夏帆
うん...
紬
は..入って見ます..？
夏帆
...
夏帆
そうだね！行こっ！
紬
えっ、あっ...待ってくださいっ！
カランカラーン
???
...おや
コック
お客様とは...しかも、まだ若い..
紬
あ、えっと...
夏帆
失礼します！美味しいレストランがあると聞いたので来ました！
コック
美味しいレストランとは...
コック
ふふ、嬉しいですね
コック
ここまでの道も険しかっただろうし、まぁ何か食べて言ってくださいよ
夏帆
ありがとうございます！...ところであの...
コック
どうされましたか？
夏帆
ご、ご飯の..値段を...
コック
はは、気にしなくていいですよ。ここは学生無料なので。
夏帆
そ、そうなんですか？！じゃあ遠慮なく...
コック
それでは、どうぞ。
数分後
夏帆
っはー、美味しかった！！
コック
それは光栄なことです！
紬
わ、わたしも...じゃあ、おじゃましました..
夏帆
また来まーす！
コック
おやおや、それはダメですよ。
夏帆
え？なんで...
コック
ほら、ここ、森の奥でしょう？しかもこの森、あまり動物が住んでないんですよ。
紬
でも、お肉はありましたよ...？
コック
ああ、そうだ。嬉しいことに、客が沢山来るからね。
夏帆
...え？それ、って...
コック
それじゃあ。
コック
お休み。
夏帆
ぁ....
紬
ぇ...っ
???
ほぅら。
???
一度行ったら、帰って来れない。
???
ちゃんと、そう言ったのにね。
あすか
いやぁ
あすか
長編ムズいねー。
あすか
続けようと思ってるけどね。
あすか
失踪するかも☆
あすか
そんじゃね
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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