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大体、午前6時くらいやろうか
悠佑
毎日見ているわけではないが、 それなりに見慣れた部屋が目に映る
悠佑
そう、俺の彼氏の部屋や
悠佑
何かあったのかと心配になる
ジャラ……
金属と金属が擦れる音がした。
悠佑
悠佑
音がした方を見ると自身の足に 鎖のようなものがついてることが 見てとれた
いふ
悠佑
いふ
ニコニコと笑ってるまろは 相変わらず可愛かった
悠佑
理由が知れればそれでいい。 それで良かった。
いふ
悠佑
謝罪の言葉が来るとは思っても なかった。そんな言葉要らないのに
いふ
いふ
悠佑
足には鎖、服はまろの大きめの服。
いふ
嫉妬でここまですんのやな
なんで申し訳なさそうにしとんのやろ 嫉妬やろ?俺を想っての嫉妬!
悠佑
いふ
驚愕の声が聞こえてくる 心底分からないと言ったような声や
悠佑
悠佑
嫉妬で気が狂いそうやから 俺を閉じ込めるなんてっ、可愛いなぁ "俺の"彼氏は!
いふ
いふ
今にも泣きそうな顔でそう言う
いふ
力が抜けたようにしゃがむまろ。
悠佑
いふ
少し悩んで言ってるとこを見ると ほんまに悪いと思っとったって分かる
悠佑
やからこそ、俺は笑ってまろの重荷を 少しでも軽くしたい
悠佑
悠佑
俺はベッドから立ち上がり、 まろの元まで行ってそう言った
いふ
ようやく、いつもと同じように 笑ってくれた。
悠佑
それがどれだけ嬉しいことか、 まろは分かっとるかな?
悠佑
いふ
悠佑
いふ
そう、ドアに手が届くぐらいまでしか 鎖の長さがなかった
いふ
悠佑
片足だけというところにも 愛を感じてしまったのやけれど
まあその話は今はせんでおこう
いふ
不安気な顔で俺の顔を見つめる
悠佑
逃げる理由もなしに彼氏から離れる 彼女なんてこの世におらんやろ?
いふ
目元を手で押さえてはぁと息を吐いて まろはそう言った
いふ
悠佑
共同作業や!とテンションが上がった
ガシャンッ
いふ
悠佑
悠佑
まろに手を差し出す
いふ
まろは笑って手を握った
二人でエプロンを着た。 まろは青い色で、俺のは黄色。
悠佑
悠佑
いふ
はーい!と手を挙げている 楽しそうでなによりや
悠佑
よしよしと頭を撫でてやると、 気持ち良さそうな顔をしていた
いふ
悠佑
いふ
悠佑
THE和食な朝ご飯を作ることに決めた
悠佑
悠佑
黒焦げだったり スクランブルエッグになってたり してないやろか?
いふ
悠佑
卵焼きくらい……ね やったら肉じゃがもいけるかな
悠佑
いふ
二人分の食事を二人分のお皿に 盛り付けテーブルに持って行った
悠佑、いふ
ほかほかご飯に湯気の立つお味噌汁 綺麗に形が整った卵焼き 食欲を誘う焼き魚の匂い
卵焼きを一切れ箸につかみ、 口へと運ぶ
悠佑
まろは味噌汁のお椀を手に取り、 口につけた
いふ
悠佑
いふ
グッと親指を立てGOODサインを 出していてる
悠佑
いふ
悠佑
ジッとまろの出した舌を見つめる 火傷はしてなさそうや
いふ
悠佑
出していた舌をしまう。 ちょっと残念やと思ったのは秘密や
悠佑
いふ
悠佑
ずぅん…と一気にテンションが 下がった
いふ
悠佑
いきなり大声でそう言うまろに、 そういえば、と状況を思い出した
悠佑
普通ならこんなこと忘れるわけがない
いふ
悠佑
やけど、なによりも愛おしい彼氏の前
悠佑
と、結論づけた
いふ
いふ
いふ
いふ
いふ
いふ
何を焦っているんやろうか
悠佑
彼氏の可愛い可愛い声を、言葉を 忘れるわけがない。
悠佑
悠佑
いふ
俺が辞める前提で話していることに 驚いているようや
いふ
悠佑
だって、当たり前やろ?
悠佑
大事なものを大切に大切にするのは
いふ
いふ
ほんのりと赤く頬を染めて、 まるで告白する時みたいに、 そう言ういふが可愛くて仕方ない
悠佑
きっと俺の頬も赤く染まっている
悠佑
いふ
悠佑
まろが飛びついてぎゅっと 俺を抱きしめる
いふ
少し上目遣いになっているのが、 また可愛い。
悠佑
いふ
ぐりぐりと俺の胸を頭で押さえてる 犬みたいや。
悠佑
悠佑
いふ
俺たちは仲良く朝ご飯を食べ進めた
有給を使い切り、俺が退職した頃
悠佑
いふ
悠佑
いふ
案の定、というべきやろうか まあ概ね想定内の反応や
いふ
いふ
んー、まあ、想定内や。
悠佑
いふ
悠佑
仕方ない、俺も反論を言うか
悠佑
いふ
そう、元々おれの小さい企業と いふの大きい企業の取引で会ったのだ
悠佑
悠佑
悠佑
いふ
これはまろから誘ってくれたデート なんともじれったかった覚えがある
いふ
悠佑
悠佑
いふ
決して無理矢理黙らせたわけではない
悠佑
いふ
悠佑
あの日は水族館にいた人も少なくて
そんで、中は薄暗くて
魚は綺麗だった
大きな水槽の前
手を絡めて
そのまま_______
悠佑
いふ
悠佑
いふ
そう、俺が愛おしい貴方に会えたのも
遊園地で貴方が逸れるからと 手を繋いでくれたのも
水族館で、触れるキスをしたのも
悠佑
悠佑
悠佑
いふ
キラキラと輝く瞳を見て、 確信した。
悠佑
いふ
ポカン…としているまろに、 俺の想いを伝える
悠佑
悠佑
悠佑
いふ
いふ
いつも通りの笑顔でいふはそう言った
悠佑
ぽつり、聞こえない声でそう言った
悠佑
あの時、初デートの時とは反対に 俺がまろの手を引っ張る
いふ
悠佑
俺たち二人は外へと飛び出した
よく空が見えるところまで来た
いふ
星に見惚れている彼に問いかける
悠佑
いふ
悠佑
にまっと笑い、俺は続ける
悠佑
いふ
俺は両腕を精一杯広げて言う
悠佑
美しい、天に流れる星の川に
悠佑
悠佑
祝うのだ、俺らのこれからを!
いふ
悠佑
チュ…
いふ
悠佑
いふ
俺のそばにいてね
悠佑
俺たちはきっと
未来永劫繋がってる