天月
天月
青空の下、君を待っていた
96猫
改札の向こうから、声が聞こえた
天月
96猫
天月
96猫
何かを考えるような仕草をした
96猫
おどけたように言って、僕の目を見た
天月
何も言えず僕は歩いた
十年前
天月
下校中、自転車を押しながら呟いた
まふまふ
同じくまふも、自転車を押していた。
天月
自転車のハンドルを、ピアノみたいに弾きながら歌った
まふまふ
天月
少し動揺してしまった
最近、机を弾く癖が抜けない。
まふまふ
まふまふ
山に沈みそうな夕日を見ながらまふが言う
まふまふ
天月
早口に言った
まふまふ
まふまふ
天月
少しまふが笑った
・
・
先生
先生
先生
『穏やかな作り笑いがお上手なようで。』
集会終わり、そう思ってしまった
天月
天月
正しいのかな
知りたい
知って僕を守りたい
……
こんなこといままで思うことなかったのに
天月
天月
10年後
まふまふ
電話でまふが聞いた。
まふは今、音楽業界で活躍している
天月
天月
まふまふ
天月
まふまふ
天月
天月
低い声で僕が言った
まふまふ
まふまふ
天月
天月
『何でもないよ』
その言葉と平行に、
『幸せな顔をした人が憎い』
という言葉を思い浮かべた
まふまふ
ツーツー
電話が切れた
天月
背中の壁に寄りかかる
ミシッ ときしむ音がした。
天月
天月
うつむいて、つま先を眺める
頭に、一つの言葉が浮かぶ
天月
そうだ
どうせ俺が考えたって分からないし
どうせ生きてるだけでも苦しいし
どうせ俺が音楽やったって儲からないし
どうせ歌詞とか適当になりそうだ
天月
天月
間違ってないだろ。
唇が震えるのは気のせいだ
天月
天月
視界が滲むのは夜だから。
プチッ
何気なく、テレビをつける
まふまふ
まふまふ
天月
天月
嫉妬だなんて分かってるんだ。
これで自分を守りたいんだ
天月
天月
天月
家の経済的な都合で。
ピアノもギターも全部辞めた
天月
何度でも夢を描いて
何度でも君への歌詞を書いた
天月
昔はそうだった……
さっきまで視界を滲ませていたものが、こぼれ落ちた
天月
どうも、作者の柚希です!
何か意味不明なのができた… ヨルシカさんの、『だから僕は音楽を辞めた』を使わせていただきました。
リクエストください!なんでも書きます!
では。