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明日を生きていく

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明日を生きていく

1 - 明日を生きていく

♥

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2022年08月31日

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死にたかった。

悠佑

これで…もう、いける

覚悟を決めた。

悠佑

もうすぐ会えるで、
ほとけ。

首に縄をかけて

台を蹴った

ほとけ

ダメーー!!!

そのはずだった。

悠佑

は……

目に映ってるのは白い天井

悠佑

…死ねてない……?

蹴った。 確かに蹴ったハズなんや。

ほとけ

もー、なんで
死んじゃおうと
しちゃうの!

悠佑

!!

聴き覚えのある声。 ずっと求めていた、貴方の声。

ほとけ

ひさしぶり!

アニキ!

悠佑

ほ、とけ……?

子供のように無邪気な笑顔が、

貴方の笑顔が、ただ懐かしくて

悠佑

…うぅ"……

愛おしくて。

ほとけ

えっ、え〜?!
なんで泣いてるの?!

嗚呼

悠佑

ほ"と、け"ッ、、!

ほとけ

どうしたの?

俺が愛した貴方が今ここにいる

悠佑

…ひぐっ、うう"ッ、

言わなければならないことがある

悠佑

、ふっ、すーっ、はァ"っ

早る呼吸を抑えて、言う

悠佑

…おかえり。

ずっと、待ってたよ

ほとけ

…うん!ただいま!

花のような笑顔が今でもまだ 頭にこびりついている。

あれから、数週間後。

悠佑

ほとけ、今日は何して

いつも通り、ほとけに声をかける

ほとけ

アニキ

唐突に名前(?)を呼ばれたが、 そこまで驚くほどでもない

悠佑

? どうしたん?

どうせなんか買ってとかなんやろうな なんて予想をしていた

ほとけ

僕、もういかなきゃ
いけないみたいなんだ

悠佑

……え、?

わかってた。この生活がいつまでも 続かないことくらい、

けれどそれは、あまりにも突然で

悠佑

なんで、、

残酷だった

ほとけ

……ごめん、ごめんね
これは、ルールなんだ

ほとけ

神様との、ルールなんだ

ほとけ

だから、守らないと、
どうなるかわからない

悠佑

ッ、ー!

声にならない叫び声が、 頭の中に響いて止まない

悠佑

そっ、か、、

悠佑

もしかしたら、
消されるかも
しれへんのやもんな

悠佑

しょうがないよな。

嘘だ

納得なんてできやしない

悠佑

でも、ほとけが
おらんくなったら
どーしよなぁ

神が俺達を引き裂くというなら、 俺はどこまでもほとけを追いかける

ほとけ

……ねえ、アニキ

悠佑

なんや?

怒りを顔に出さないように 注意をしながら笑顔を向ける

ほとけ

今から、すっごく
辛いことを言うね

悠佑

……ああ

貴方は優しい

悠佑

(けど…)

その優しさは

ほとけ

僕がいなくなっても

いずれ

ほとけ

死なないでね

人を殺す

悠佑

……それ、絶対に、
守らなあかん?

ポーカーフェイスを貫く それも限界に近いかもしれない

ほとけ

そう、だね。

ほとけ

できれば、絶対に
守ってほしい、かな

歯切れの悪い返しをしている 本人もわかっているのだ

悠佑

そっか……

孤独と、貴方の残響

悠佑

あは、もう、待つのは
いややねんけどなぁ……

そんな日々に戻るのは、 死ぬよりもきっと辛いこと

ほとけ

…ごめん、ごめんね
ずっと待たせちゃって

ほとけ

ダメな僕で、ごめん

そんな顔をしないで欲しい。 貴方には、笑顔が似合うから

悠佑

ええよ、ほとけは
なんも悪ないもんな

悠佑

こっちおいで

両手を広げ、貴方を誘う

ほとけ

うん…!

ぎゅっと、強く抱きしめ合う。

悠佑

……

冷たい、でも

悠佑

好きやで、ほとけ

ほとけ

っ!僕も、!!
悠佑のこと、一番好き!
大好き!!

悠佑

ん……

子供みたいに叫ぶほとけを見ていると なんだか、胸の中が温かくなる

ほとけ

僕、ぼくね、本当は、
離れたくなんて、ない…

ほとけ

ずっと、一緒が
いいよ……

悠佑

俺もやよ……。
ずっと、ずっと

一緒にいたかった。

ほとけ

……

スッと、ほとけが腕の中から 離れていく

悠佑

ほとけ……?

ほとけ

アニキ、行こう

決意したような顔でコチラを 見つめる

悠佑

行くって、どこに…?

一緒に逝くの間違いなのだろうか。

ほとけ

もちろん、
綺麗なとこだよ!

涙を払った貴方は笑顔で そう言い放った

やって来たのは、ほとけが 生きてた頃、よく行った花畑だった

悠佑

ここ……

数々の思い出が蘇っていく

ほとけ

ね、綺麗でしょ?

笑っている貴方が好きだった

無邪気な顔で笑った顔が、可愛かった

ただ、笑顔を見ているだけで、 幸せになれた

悠佑

…っ、……

顔がまた、歪みそうになる それを堪えて必死で笑顔を保つ

悠佑

そう、やなぁ……

ああ、、綺麗だ、綺麗だよ

ほとけ

……僕はね、こうやって
アニキと笑って、

ほとけ

いろんな綺麗なとこに
行きたかったんだ

くるっと、俺に背を向けてそう話す

悠佑

……俺も、もっと、
綺麗なもんほとけと
見たかった

ぽろりと溢れる本音は誰にも、 止められやしない

ほとけ

良かった、アニキが

ほとけ

悠佑が、おんなじ
気持ちで。

ほとけ

…そんな顔しないでよ、

崩壊寸前で、一言でも話したら 零れてしまいそうなほどに歪んだ表情

悠佑

ッ、、…!

悠佑

む、りや"、よっ…!

貴方がいなくなることが、もう

悠佑

ほ"っ、とけ"、が、
こ"ん、な"っ、に"

悠佑

す"き、な"ん"やからぁ"!!

耐えられないほどに、辛い

ほとけ

ッ"、、!!!

ほとけ

も、う、、やめて"、よ

堪えていた雨が降り注ぐ

ほとけ

な"い"ちゃ、ぅ、じゃん"!!

悠佑

ほ"っ、と"け"ぇッ、!!

花に雨が降り注いだ

大きな大きな雨粒が 音を上げて降っていた

いつのまにか夕日が綺麗な時間帯に なっていた

悠佑

……ひっどい顔っ、

ほとけ

アニキこそっ、!

体液でぐしゃぐしゃになった顔を 二人見合って笑う

悠佑

……帰ろっか

ほとけ

そうだね

帰ろう、二人一緒に

次の日

悠佑

ほとけ〜?

悠佑

ほとけー

悠佑

……おらん、か

もうそこに貴方の姿はなかった

悠佑

…明日が、来なければ

悠佑

まだ、、

貴方といられたのかもね。

悠佑

……ほとけ、、
さよならくらい……
言わせてや…、!

俺は、死にたかった。

悠佑

う"ぅ"…、ッ、ひっ、
ほ"と、け"、ッ、!

明日が来なければ

悠佑

う"ぁ"、ッ、ぁあ、、
い"や"やよぉ"ッ、!!

きっと きっと

悠佑

ほ"、と"け"ぇっ、、

こうはならなかったんだ

「明日を生きていく」

悠佑

いつか、また

会えたら、いいね。

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