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第三話

第1話 - 尾形と話させたかった

111

2023年08月10日

#ゴールデンカムイ

#BL

リーベ

忠成

どうも、忠成です、始まり始まり〜

杉元

おばあちゃん、ほら見てください

杉元

カジカがこんなに捕れましたよ

フチ

ヒンナ、ヒンナ(カジカを持ち、頭の周りでぐるっとする)

杉元

何やってんの？

忠成

また何かの祈りか？

アシリパ

自分の守り神にお供えしてる、人から何か貰ったら、憑き神におすそわけするんだ。

アシリパ

憑き神は首の後ろから出たり入ったりしてる、トゥレンペといって、人間は誰でも生まれた瞬間に守り神が憑くと考えられている。

アシリパ

人の能力や性格が違うのも、そのせいだと言われている。

アシリパ

中にはそれが見える人もいて、フチはちょっと見える。杉元はとても強いトゥレンペが憑いてるって

アシリパ

忠成は姿を変えるトゥレンペらしい

杉元

へえ〜、俺が不死身と言われるのも、守り神のおかげかもな。

忠成

俺は姿変えれるからかな。

杉元

つうか、アシリパさんがそれやってるの見たことないけど。

アシリパ

この村じゃ年寄りしかやってないし。

杉元

まったく…若いやつは…

忠成

お前も十分若いわ

杉元

そう？

アシリパ

できた、カジカでだしを取ったキナオハウだ

杉元

うまそう、いただきます！

杉元

ああ…(フチがやっていたと同様にする。)

杉元

いただきます

忠成

俺もやろうかな

忠成

こんな感じか…？

フチ

うん、うん

忠成

いただきます。

杉元

(汁を吸う)……んん、美味い。濃厚でコクのあるだしが利いてる！

忠成

うん、美味い、野菜もほくほくで、温まる。

杉元

こんなに沢山の根菜を食べるのは何日ぶりだろ〜

杉元

あー、カジカの鍋美味え…

杉元

ん…アシリパさん、このままでも十分美味いんだが、味噌入れたら絶対合うんじゃないの？これぇ

忠成

まあ美味いだろうな。

アシリパ

ふざけるなよ杉元！ウンコを出すな！

杉元

ほ〜らおばあちゃん、これが味噌ですよ〜

アシリパ

やめろおおお！！

アシリパ

フチの憑き神様に…ウンコお供えさせやがって……

杉元

ウンコじゃねぇ…やだ！何？その変な棒！

忠成

武器になりそうだな。

アシリパ

ストゥ、制裁を加えるための棒だ…

アシリパ

杉元ぉ！

杉元

ちょちょちょ…ままま…ま…ま…

杉元

やめてぇ！！

忠成

あーあ…

翌朝

小熊

(鳴き声)

杉元

ブルブルルルル(唇を鳴らす音)

子供たち

(笑い声)

杉元

この数日でちょっと重くなった？

アシリパ

言ったはずだ、熊は成長が早い、

少年

アシリパ！

アシリパ

ん？

少年

これやって

少女

アシリパが一番おっかない！

アシリパ

いいぞ

杉元

なんだ？それ

アシリパ

キサラリといって、意味は耳長お化けだ

忠成

お化けねぇ…

アシリパ

窓の外からチラチラ出しながら、この世のものとは思えない声を出して子供を脅かすものだ。

アシリパ

杉元、試しにやってみろ。

杉元

俺が？

アシリパ

その後は忠成だ

忠成

え、俺もするの？自信ないで〜…

杉元

(咳払い)

杉元

おお〜わあう〜

杉元

わ、わああ〜

杉元

ににゃぁぁぁあ……

アシリパ

やめろやめろ！引っ込め杉元、恥ずかしい！

杉元

え？

アシリパ

よこせ、次は忠成だ

忠成

俺自信ないんだって〜

アシリパ

いいからやってみろ

忠成

……は〜い…

忠成

ふぅぅぅ………

忠成

ギェァァァァァァァァア！！(化け物みたいな声)

子供たち

ぎゃぁああああ！！

アシリパ

おお！上手じゃないか！

忠成

ええ、ほんと…？

アシリパ

次は私だ！

アシリパ

杉元、よく聞いてろ、手本を見せてやる

杉元

ああ…

アシリパ

(咳払い)

アシリパ

の゛ぉぉぉえ゛あ゛ぁぁぁぁ！！(奇声)

子供たち

うわぁぁぁぁ！！(悲鳴)

少年

さっきの男の人もすごかったけど…やっぱアシリパのが一番おっかねぇ……

少女

オソマが漏らした…

杉元

アシリパさん…汚名を返上させてくれ。

アシリパ

わかった…お前の本気を見せてみろ。

杉元

(咳払い)

杉元

たあああああ〜！

忠成

みんなどっか行った……

杉元

……

杉元

ひどくなぁい！？

忠成

大丈夫、俺は聞いてたで。

杉元

励ましになってねぇよぉ…

アシリパとオソマの寝息とオオカミの遠吠えが響く夜

オソマ父

聞こえるか？杉元さん、忠成さん。

オソマ父

珍しい音だぞ。

杉元

ん？

忠成

なにかの鳴き声みたいだな。

オソマ父

犬よりも太く、長く続く遠吠え、オオカミだ

杉元

大きな白いオオカミが、アシリパさんを守るのを、2度見た、どういう関係なんだ？

オソマ父

そうか、やはりあの遠吠えはレタラだったのか。

忠成

レタラ…

オソマ父

あのオオカミは、アシリパと父親が狩りへ行った時

オソマ父

ヒグマに襲われているのを拾ってきた。

オソマ父

小さい雪だるまのようだったから、白いという意味でレタラと名付けた

オソマ父

いつも一緒だった、父親が殺された後も、アシリパはレタラと2人きりで山へ行った

オソマ父

だが2人は、生きる世界が違ったのだ。

回想

オオカミの遠吠え

レタラ

……(起き上がる)

アシリパ

遠吠えだ…

アシリパ

……

アシリパ

これは…お前の…

アシリパ

ダメだ！聞いちゃダメ！

レタラ

……

レタラはアシリパを一度舐めた後、立ち上がり、走り出す。

アシリパ

あ…

アシリパ

ダメだ待て！小屋に戻れ！うう…あ…レタラ！

オソマ父

あいつは、飼い犬にはなれなかった。

アシリパ

………

アシリパ

レタラ……

レタラの遠吠え

オソマ父

誇り高きホロケウカムイだから…

アシリパ

レタラ！行くな！

アシリパ

戻ってこいレタラ！！お前も私を独りにするのか！

アシリパ

う゛あぁぁぁぁ！(泣き声)

アシリパ

行かないでっ！レタラぁっ！

アシリパ

アチャ…！

オソマ父

大人びてはいるが…アシリパは寂しがり屋のいたいけな子供なのだ…

オソマ父

それからアシリパは笑顔を見せなくなった

オソマ父

だが最近はずいぶんと明るい

オソマ父

杉元さんや忠成さんと山にいるのが楽しいんだろう。

杉元

…

フチ

杉元さん、忠成さん…

杉元

ん？

フチ

アシリパは私の宝もの

フチ

いつまでも彼女と一緒にいてください。

杉元

わかったよ、おばあちゃん。アシリパさんは、おばあちゃんに愛されてるんだな。

杉元

村のみんなにも

忠成

そうみたいだな

物音

忠成

杉元…行くとするか。

杉元

ああ、そうだな

杉元

元気でな。

アシリパ

杉元と忠成のやつ、許せん。

アシリパ

黙って出ていくなんて、ストゥで後頭部を殴らなきゃ気が済まない！

アシリパ

……

アシリパ

(小屋を見て)使われた形跡はない、街へ行ったきり戻ってないのか

アシリパ

……嫌な予感がする………

アシリパ

…とはいえ、あの大きな街でみつけ出すのはとても難しい…

アシリパ

どうすれば…

アシリパ

(鹿笛を鳴らす)

アシリパ

(鹿の通り道で鹿笛を鳴らせば、鹿がいると勘違いして、あいつらが来るかも知れない…)

杉元

おい、デカブツ。

妓夫太郎

ああ？なんだあんたか。

杉元

最近、変わったことはないか？

妓夫太郎

んん…お、そうだ

妓夫太郎

知り合いの女がよ、客に大けがさせられたんだよ、

杉元

ん？それのどこが変わったことなんだよ。

妓夫太郎

いや、その客っていうのがさ…

妓夫太郎

変わった入れ墨をしてたんだってよ。

杉元

フッ…

忠成

来たな、情報

そば屋

女将

いま、その娘連れてくるからさ、ニシンそばでも食べて待っててよ。

女将

うちはそばも絶品だから。

杉元

いただきます。

忠成

いただきます。

杉元

(ﾓｸﾞﾓｸﾞ)……

杉元

つゆが濃い、関東生まれの俺の好みだな。

忠成

ああ、確かに美味い、あの女将が言うてることは正しいかもな。

杉元

(口の中でほろほろと崩れるニシンの甘露煮…女将の言うとおり、絶品だな)

杉元

あー、こいつはヒンナだぜ〜。

忠成

そうだな

ガラッ(戸が開く音)

忠成

ん？

二階堂浩平

どの男だ？入れ墨のことを探ってるやつは

女性

軍帽のにいちゃんだよ

杉元

うぅ！(飛び蹴り)

忠成

あいつら、やべぇやつだ！バレないようにしないと…(髪のばして女の子風に…)

忠成

オラァ！(他のやつに殴りかかる)

兵士

うう…フン！

兵士

うおお！？

杉元

フッ…！

兵士

(叩きつけられる)ガハッ！

杉元

フン！！

兵士

ぐッ…

兵士

動くな！！

杉元

く…

忠成

まずいな…

二階堂浩平

(ｶﾁｬｯ)ひざまづけ…この状態で撃つと、お前の顔から飛び出た弾が誰かに当たるかもしれん。

洋平

ふう…！！

杉元

ぐあ！！

忠成

杉元！

忠成

くっそ…やめろ！

兵士

(ｶﾞﾁｯ)手を抑えたぞ！

忠成

く…

兵士

(ｶﾁｬｯ)お前…あいつの仲間だろ…？

忠成

大人しくしておけと…？

兵士

話のわかる女じゃねえか…

忠成

(女じゃねえし…一時的に髪伸ばしてるだけだわ……)

二階堂浩平

下がれ、殺そう殺そう。

銃声

鶴見

そこまで。

鶴見

まだ殺すな、

杉元

……

忠成

(誰だあいつ、なんかつけてるし。)

鶴見

私はお前たちの死神だ

鶴見

お前たちの寿命のろうそくは私がいつでも吹き消せるぞ

杉元

俺は…

部屋の外

忠成

……

忠成

俺早くどっか行きたいんだけど。

兵士

黙れ。

忠成

おい、酷いぞ。

兵士

お前捕まってる身だろ。

忠成

そうだったわ。

杉元

俺を撃ったのはどっちだ？……つけとけよ……目立つ……に……

忠成

杉元は何を話してんだあいつ。

兵士

お前は静かにできないのか！？

忠成

え、話さないとか退屈だろ。話そうぜ。

兵士

はあ？

ブチッ

忠成

ん？なんか音したくないか？

忠成

ちょっと、中見てきてええか？

兵士

良いわけないだろ！

数分後

鶴見

さあ、次のお客さんだ、入ってきてくれ。

兵士

ほら、行け。

忠成

わかってるって、いった！蹴るなよ！

鶴見

ここに座りなさい。

忠成

はーい

忠成

で、杉元は？

鶴見

もう向こうの部屋だ、

鶴見

さっそくだが、私は君に聞きたいことがあるのだ。

忠成

なんですか？

鶴見

なぜ、ずっと布を被っているんだい？

忠成

それは〜…えっと…

忠成

引かない？

鶴見

ああ、引かないよ

忠成

俺鬼なんですよ。

忠成

それで、日光に弱くて、火傷しちゃうんで被ってます。

鶴見

そうかそうか、よく話してくれた！

鶴見

ああ、鬼で思い出したのだが……

鶴見

私の部下で大けがをしたのがいるんだ、

鶴見

その部下は力を振り絞ってふじみという字を書いたんだ。

忠成

は、はぁ…

鶴見

だがそれの他に、"おに"と言う字も書いたんだ。

忠成

……

鶴見

私の部下を助けたのは君だね？

忠成

…はい。

忠成

助けましたよ、名前が確か尾形百之助でした。

鶴見

そうか、素直に答えてくれて嬉しいよ。

鶴見

そのことで今日は君にお礼がしたいんだ。

鶴見

さあ、尾形百之助、入ってきなさい

尾形

……(ｽﾀｽﾀ)

忠成

あ…

尾形

俺を助けたのはお前か…？

忠成

そうだ、俺だ。

忠成

…にしても、

忠成

君は顔が整っているな。

尾形

…？

尾形

(ﾍﾟﾀ)おい…なぜ触るんだ

忠成

若者の肌は触り心地がいいからな。

尾形

……

鶴見

さあ、君も今日はここで寝るんだ

鶴見

尾形上等兵、案内してさしあげるんだ。

尾形

はい。

忠成

案内よろしく頼んだ。

尾形

……

忠成

君は無口なのか？

尾形

……

尾形

なぜ俺を助けた…。

忠成

なぜかって？

忠成

別にこうと言った理由はないが…

忠成

死んでほしくないと思ったからでいいかい？

尾形

……

尾形

お前に得はそこまでなかったはずだ。

忠成

目の前で死なれちゃ気分が悪い。

尾形

……(ﾍﾟﾀ)

忠成

本当に若者の肌は綺麗だ。

尾形

…お前も若いだろ……

忠成

私は100歳以上だぞ

尾形

…は？

忠成

そりゃ鬼なんだ、100歳くらいゆうにこえるさ

尾形

……

尾形

ついたぞ。

忠成

案内ありがとう

尾形

……

忠成

縛られているからなのもあるが…

忠成

動きずらい…

忠成

暗いし…

忠成

一旦寝るとしようか…

ドォンッ

忠成

！？！？

忠成

なんだ！？

忠成

何がおきた！

忠成

何があったんだ！？

杉元

兄弟仲良くぶっ殺してやったのによ！！

忠成

なにを言っているんだ杉元！？

杉元

あ！忠成！！

忠成

なんでお前そんな血まみれなんだよ！

杉元

い、いや、それは

杉元

こいつらのせいだよ！

忠成

君たち双子か！！

二階堂浩平

誰だお前！！

洋平

殺すぞ！！

兵士

てかお前なんで出てんだよ！！

忠成

あ！やっちゃった！

鶴見

あの兄弟を杉元に近づけるな

月島

はい

月島

もう勝手に手錠を外すなよ。

忠成

は〜い

月島

何かあったら、すぐ呼ぶように。

忠成

わかりました。

数十分後

忠成

暇だなー

忠成

だれか相手してくれないかなー

忠成

……ん？

忠成

誰か泣いてる？

忠成

(ガチャ)だーれが泣いてるんだ☆

忠成

現在の状況、杉元、はらわた出てる。双子の一人、首折れて死亡。双子のもう一人、号泣。

忠成

すっごい、さっきよりすごい

月島

勝手に出るなと言っただろう。

忠成

え、でも手錠外してないし、逃げる気もないで？

月島

そういう問題ではない。

忠成

ごめん。

杉元が運ばれていった

忠成

窓から見てたけどさ…

忠成

俺これ完全に置いていかれたよね。

忠成

杉元だけ馬と一緒にどっかいったよ？

忠成

俺もう一緒ここで過ごすの？

置いてかれました。

尾形

置いていかれたのか？

忠成

うん。

尾形

ハッw

尾形

笑えるな

忠成

笑わないでよ、酷いな。

忠成

もうすっかり夜明けだ

忠成

今日、脱出できるな…

数時間後

忠成

うん、ほとんど兵士もいない…

忠成

今のうちに…

忠成

逃げろー！

忠成

手錠も意外に簡単に取れたし…

忠成

アシリパに早く謝ろ〜

脱出できました

忠成

ふぅ…山奥まで来たけど…

忠成

血の匂いがこっちに続いてる…

忠成

あ、小屋あった！

忠成

ってはぁ？

アシリパ

ハッ、忠成！！

忠成

なんで小屋から上半身突き出てんの？

忠成

てか俺のこと忘れてたよね？

杉元

あ、忠成！

忠成

無事だったか！

忠成

とりあえず入っていい？

杉元

いいぜ！

白石

あ、忠成だ！

忠成

あ、脱糞王！

白石

脱獄な！？

アシリパ

早く入れ！鍋食べるぞ！

杉元

忠成ぃ〜、アシリパさん味噌克服したんだぜぇ〜？

忠成

マジかよ！

アシリパ

オソマ美味しいぞ！

忠成

俺も食べるー

忠成

終わりです。

忠成

とりあえず尾形と話させたかっただけなのでこんな感じにしました、

忠成

じゃあ、また。

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リーベ

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