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君色花火

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君色花火

1 - 君色花火 ~前編~

♥

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2020年02月27日

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華奈

ねぇ、涼

ん?どうした

優しい声…この声を聞く度に 私は安心する

華奈

私…涼と

花火が見たい

…はな、び?

3ヶ月前から付き合ってる華奈

華奈とは昔からの幼なじみで

告白は俺からした

華奈の事ならなんでも 知ってるつもりだった

けど…あの事を知ったのはつい最近

今までずっと気付けなかった

華奈の見える世界は違う事が

おい…本気で言ってんのか?

華奈

うん

華奈

1度は見てみたいの

華奈

花火っていうものを

けど…お前

そう…

華奈は生まれつき 見える色が逆に見える

赤は青。白は黒。…と

全ての色が逆となる

外国に行けば手術でも 治すことが出来る

でも成功率は 40%

これ以上世界が見えなくなるのは嫌

…と華奈は泣きながら言っていた

華奈

確かに色が多いの怖いけど

華奈

涼と一緒なら…平気な気がするの

…でも

華奈

お願い…!どうしても花火を見てみたいの

い…や、…

いいよ

華奈

やったぁ!

華奈

ありがとう

…うん

ホントは…断りたかった

華奈とって花火は 凄く恐ろしいものだから

けど…華奈の悲しんだ顔は 見たくなかった

華奈

ただいま〜

華奈

…涼、困ってたなぁ

私だって

無茶のことを言ったのは知っていた

でも…どうしても花火を見てみたい

それが…

どんなに恐ろしいものでも

華奈

後 1週間…

華奈

…あっ!浴衣着てこ

華奈

ふふふ

華奈

楽しみだなぁ…

1週間経って 花火大会 当日の今日

花火開始30分前 私達は待ち合わせすることにした

時計台の針が35分を示す

華奈

涼…まだかな

華奈

遅い…

メールをしても返信は来ない

華奈

早くしないと…花火始まっちゃう

華奈

早く…早く来てよ涼

持っているスマホを ぎゅっと握りしめる

周りは大勢の人で騒がしい はずなのに

次々と動く時計の針だけが

頭の中で響く

後半へ続く︎

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