華奈
涼
優しい声…この声を聞く度に 私は安心する
華奈
花火が見たい
涼
3ヶ月前から付き合ってる華奈
華奈とは昔からの幼なじみで
告白は俺からした
華奈の事ならなんでも 知ってるつもりだった
けど…あの事を知ったのはつい最近
今までずっと気付けなかった
華奈の見える世界は違う事が
涼
華奈
華奈
華奈
涼
そう…
華奈は生まれつき 見える色が逆に見える
赤は青。白は黒。…と
全ての色が逆となる
外国に行けば手術でも 治すことが出来る
でも成功率は 40%
これ以上世界が見えなくなるのは嫌
…と華奈は泣きながら言っていた
華奈
華奈
涼
華奈
涼
涼
涼
華奈
華奈
涼
ホントは…断りたかった
華奈とって花火は 凄く恐ろしいものだから
けど…華奈の悲しんだ顔は 見たくなかった
華奈
華奈
私だって
無茶のことを言ったのは知っていた
でも…どうしても花火を見てみたい
それが…
どんなに恐ろしいものでも
華奈
華奈
華奈
華奈
1週間経って 花火大会 当日の今日
花火開始30分前 私達は待ち合わせすることにした
時計台の針が35分を示す
華奈
華奈
メールをしても返信は来ない
華奈
華奈
持っているスマホを ぎゅっと握りしめる
周りは大勢の人で騒がしい はずなのに
次々と動く時計の針だけが
頭の中で響く
後半へ続く︎