同級生の美希

急いで時計を見ると針は8時を指していた

今日は始業式。暖かな春の風を感じる余裕もなく、超特急で準備を進める。

美希は最近、町中のタヌキを部屋に集めてそのタヌキ達の舌を全てスプリットタンに変える事にハマっている。

時間が無い日はいつも、食事と排泄を同時に行う事で時間を短縮する。

ものの5分でここまでの準備を済ませた美希は急いで玄関に向かい、いつもの"アレ"をする。

美希の家はサイボーグ小島よしお教を信仰している。そのため、その日初めて家を出る時は東西南北に向かってお祈りを捧げなければならないのだ。

これをする事で不幸に関係ない一日を過ごせると言われている。

ドンっっ

そのまま美希は学校までの42.195キロを 20分で走り抜けた。

教室

ドンっっ

ガラガラッ

彼は一言挨拶をすると、黒板に名前を書き始めた。

カッカッと小気味よい音が教室に響き渡る

黒板には大きく

笑いのニューウェーブ 翔平 翔

と書かれていた。

そう言うと先生は教室を出ていった。 時計を見ると、授業開始まで10分ほど時間がある。

美希の顔色はみるみるうちに青くなった。

ドンっっ

翔平はクラスメイトに勢いよく突き飛ばされた。

その日から翔平はクラスメイト全員から壮絶ないじめを受け始めた。

そんなの関係ない