一通の手紙を貰った
その内容は 屋上で待ってる とのことだった
誰…なんだろう
屋上への一段一段が重い
相手がわからない恐怖
そして
好きな人がいるのに他の人を好きになってしまうかもしれない恐怖
普通はありえない
好きな人がいるのに 他の人を好きになるなんて…
なのに……何故か
心当たりがある
なんでだろう…
???
心美
???
覚えてる…
この人は同じクラスで
いつも静かに読書をしている男の子
急に…この人とデートをしていた
心美
いつも自分に言い聞かせていた
あれは正真正銘の夢
夢の人に恋するって
どうなんだろうね
会えるかも分からないのに…
でも、それは会えないからであり
実際には恋してもおかしくないってことだ
私が見た夢の人は
同じクラスで
ちゃんと毎日会ってる
ガチャリ
そして目の前にいる
あなただった
暁音
暁音
心美
暁音
なんでだろう…
"話した"ことはあるのに
夢…でね
心美
暁音
暁音
暁音
なんとなくは予想してた
だけど私には好きな人が…既に
私には好きな人がいた
目の前にいる彼じゃなくて別の
だけど、あの夢を見てから
私は激しく動揺していた
なんでだろう…
好きって気持ちは
ちょっとした事で
変わってしまうんだなって
あの夢を見てから気づいた
私が好きな人は
好き"だった人"?
過去形?
じゃあ現在好きな人は?
わからない…
自分でも整理かつかず
ただただ体温と恋への熱が 冷め始めていた
こんな寒い時期
震えながら片想いしてた
私はなんのために 恋してたんだっけ?
その時
暖かい"何か"が
私を呼び戻した
気づけばあたりは真っ暗に
まだ秋なのに…
目を開けると私は
屋上のベンチで座っていた
私の冷えた手を包むように
彼が握ってくれていた
暁音
暁音
心美
暁音
暁音
暁音
暁音
心美
私が考えてたあの時間
心美
暁音
暁音
心美
心美
暁音
心美
答えは既に出てきていた
心美
あの夢から
私はあなたを好きになっていた
あの夢を見なくても
あなたがいつも頑張っているのを 知っていた
いつもあなたを見ていて
夢を見る前から好きだった
私が好きだった人もあなた
私が今好きな人もあなた
私がこれから先ずっと好きな人も
あなた
繋いだ手は離れることはなかった
コメント
3件
ロマンチック過ぎて愛おしい!