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麻衣

みんなにわかるように順を追って説明しようか、

麻衣

まずみんなわかってる通り私は機械人間だよ

麻衣

機械と人間の半分ずつの体

麻衣

人間の方の私は"感情"とか、そういうものを持ってる

明那

普通に人間にあるものを持ってるってことだよね?

麻衣

そう、

麻衣

それが半分の体に詰め込まれた感じ。

麻衣

で、本題

麻衣

機械の方の説明はあまりしてなかったね

麻衣

まず、機械の方の私は

麻衣

ONとOFFに変えれる

起動した時と起動してない時

麻衣

簡単に言えばそうなるね

麻衣

今はOFFだけど、

麻衣

花火大会の時、迷子の子がいたでしょ?

麻衣

あの子のお母さんを探すために起動した

それだけのために?

麻衣

うん

麻衣

私はね、最初、この体になる前の時があって

その体になる前?

麻衣

まぁ、前世みたいな感じかな

麻衣

その時の私は完璧にみんなと同じだったよ

ハヤト

人間、ってことですか?

麻衣

うん

麻衣

正真正銘の人間

麻衣

人間として生きて、

麻衣

人間として死んでいくはずだった

麻衣

だけど、そうはならなかった

顎(刀也

その時から機械も入ったってこと?

麻衣

うん

麻衣

私の家庭はね

麻衣

"機能不全家族"って言うのなんだ、

葛葉

きのう…ぞく…?

麻衣

麻里〜説明してあげて〜

スッ (これから麻里ちゃん重要人物だよ)

麻衣

フラッ

危な…!

麻衣

タッ

麻衣

…危ないですね、

麻衣

こんばんは、

顎(刀也

君が麻里ちゃん?

麻衣

はい、

麻衣

麻衣の機械の体を主に使っている

麻衣

楓山麻里です

麻衣

以後お見知り置きを。

麻衣

機能不全家族の説明、ですよね、

麻衣

機能不全家族とは、家庭内で弱い立場にある人間に対して、身体的または精神的ダメージを与える機会が日常的に存在している家族状態のことをいいます。

毒親みたいなもの?

麻衣

そう思われがちですが、少し違います

麻衣

毒親は、毒親のそのまた親から同じような経験を受けたと言うことが多々あるらしいのです

麻衣

その点、機能不全家族は

麻衣

そのようなことが少ないと思われます

麻衣

機能不全家族は、家庭内差別のような感じですね

麻衣は、誰と差別されてたの?

麻衣

妹さんですね

てっきり上の子がいるのかと…

麻衣

上はいませんよ、

麻衣

妹と比べられた原因は

麻衣

妹の方がなんでも完璧にこなせる。という

麻衣

そんな理由ですね

麻衣

…まぁ、

麻衣

麻衣の助けによって、妹さんは成り立ってる

麻衣

…そのような感じなのですがね

ハヤト

麻衣の助け…?

麻衣

はい、麻衣は勉強が人並み以上にはでき、

麻衣

運動神経も良く、

麻衣

いわゆる"完璧"に近い存在でした

麻衣

ある日妹さんに勉強を教えてと言われた麻衣は

麻衣

自分の勉強時間を削って教えていました

麻衣

教え終わり、もう夕ご飯の時間だったので

麻衣

親のところにいくと、

麻衣

妹さんはこう言いました。

「お姉ちゃんが私の勉強の邪魔をしてきた」

麻衣

…と

顎(刀也

それおかしいよね、?

麻衣

えぇ、おかしいです

麻衣

しかし親はそれを聞いた瞬間、

麻衣

麻衣に激怒しました。

母親

あんたなにしてるのよ!

食器を投げつけたり、

殴ったり叩いたり

幼少期麻衣

いっ…!

幼少期麻衣

お母さんっ、ごめんなさいっ…!

幼少期麻衣

許して、お願い

…今となれば、なぜ麻衣は謝ったのでしょうか

謝る必要なんてどこにもないと言うのに。

母親

あんたなんか

「この世からいなくなればいいのよ!」

幼少期麻衣

ぇ…ぁ…?

その瞬間から、麻衣の心は崩れていました

俺が見たのと同じような、?

麻衣

はい、

ゆっくり…でも確実に崩れていく

それが嫌だったのでしょう

パチンッ

明那

景色が…変わった、?

幼少期麻衣

ちゃんとしなきゃ、こんなんじゃダメ…!

幼少期麻衣

いい子にならなきゃ、ちゃんと、いい子に…

幼少期麻衣

じゃないと…見捨てられる…っ

麻衣

心に一生消えない傷を負いながらも

麻衣は親からの愛を欲しがっていました

幼少期麻衣

あの頃に…戻りたいよ…っ、

葛葉

…こんなの、

葛葉

こんなの、おかしいだろ…っ

麻衣

…私もそう思います

幼少期麻衣

…あは、は…

幼少期麻衣

もう…いやだ、

幼少期麻衣

…こんなことなら

消えちゃった方が…楽なのかな、

麻衣、麻里以外

っ!!

麻衣

今止めたって無駄ですよ

麻衣

決められた運命は変えれません

幼少期麻衣

…だれ、そこにいるのは

え?俺たちが見えて…?

幼少期麻衣

…誰もいない、?

幼少期麻衣

…気のせいか…

幼少期麻衣

…救われたかったなボソッ

幼少期麻衣

ばいばい、お母さん

幼少期麻衣

…さよなら。

タッ

幼少期麻衣

あぁ…綺麗だな

幼少期麻衣

こんな景色…見れるのも、最初で最後か

幼少期麻衣

麻里……助けて

麻衣

…え?

グシャッ

麻衣

まって、なんで私の名前を

この時…機械じゃないんだよね、?

麻衣

はい…私の名前なんて知らないはず…

麻衣

…まさか、

麻衣

黛さん、!

え、なに

麻衣

手伝ってください、

麻衣

麻衣が…!

…わかった、

麻衣side (崖の上)

麻衣

母親

久しぶりね

麻衣

…お母さん、

父親

麻衣

麻衣

お父さ、ん…?

麻衣

な、んで…

ハヤト

麻衣!!

麻衣

!みんな!

顎(刀也

え、父さん…?

父親

…お前らもいたのか、

葛葉

麻衣から離れろ

母親

再婚した相手の子供?

父親

ああ、そうだ

父親

…だが今となってはもうどうでもいい

父親

俺は、お前といたい

母親

私も

母&父

…だから

ドンッ

麻衣

え…?

っ!麻衣ッッッ!

母&父

…早く、消えろ

麻衣

お兄ちゃ…

ボチャンッ

僕行く、!

ハヤト

私も行きます、!

タッタッタッ

葛葉

ふざけんな!お前ら!

母親

随分偉そうな子ね

父親

そうだな

…人の気持ち踏み躙って

人の信頼踏み躙って…!

麻衣をどれだけ傷つけるつもりだッッ!

母親

傷つける?

母親

あんなやつ、元からいらなかったのよ

父親

どうでもいい、

顎(刀也

ッッッッッ!

やめろ、刀也

そんなことしたって無駄だ

顎(刀也

っ!でも!

わかってる、

母親

…上手に死ねるといいわね

父親

…俺らの命令、聞けよな

麻衣

お兄ちゃんっ…!

麻衣

(ダメだ、沈んでく…!

麻衣

麻衣

(!麻里!

まさかこんなことになるとは思わなかった…

麻衣

(ごめんね…麻里っ…

謝らないで、

みんなが待ってるんだから

一回休んで、また…起きてね

麻衣

…うん、

「麻衣!どこですか!」

「返事して!麻衣!」

「!あそこ!」

「行きましょう!」

ハヤト

麻衣、!

とりあえず上げよう!

ハヤト

はぁ、はぁ、

っ、麻衣、起きてよ、

明那

麻衣ちゃ…、

麻、衣?

ハヤト

とりあえず病院に!

病院内

顎(刀也

…まさか、父さんがあんなだったとは…

葛葉

ふざけんなよっ…!

葛葉、落ち着いて

葛葉

落ち着けるわけ…!

ハヤト

みんなそうです

ハヤト

…今は、麻衣が無事なことを祈るしか…

医者

楓山麻衣さんのご家族でしょうか

はい、

医者

麻衣さんは、無事です

よかった…!

明那

よかったぁ…!

待って

…麻衣さん"は"って、なんですか

医者

…麻里さんは…

麻衣

ハヤト

麻衣、

麻衣

…ハヤト兄…みんなまで…

麻衣

…私の記憶、見たんだよね、

うん

麻衣

…そっか

麻衣

…早く、退院しないとね、

麻衣

それでお祝い配信しなきゃ

麻衣

楽しみだね、お祝い配信

顎(刀也

止まって

麻衣

色んな人、誘おうよ

麻衣

誰来れるかな、

顎(刀也

止まってって

麻衣

みんなでゲームしてさ、

麻衣

それで、その後もいっぱい遊んで…

顎(刀也

止まれよッ!

麻衣

ビクッ

麻衣

刀也兄、どうしたの、?

麻衣

ここ病院だし、少し静かに…

顎(刀也

なんでそこまで隠すんだよ!

顎(刀也

なんでずっと笑ってんだよ!

顎(刀也

本心じゃないのに、なんで元気そうにしてるんだよッ!

麻衣

顎(刀也

そうやって偽り続けて!

顎(刀也

それで麻里が喜ぶとでも…

麻衣

わかってるって!

麻衣

こんなことしたって無駄なのも、

麻衣

麻里が戻ってこないのも

麻衣

もう、麻里と一緒に話せないのだって全部わかってるッ!!

少女は言葉を吐いた

それは悲鳴にも似たような声で、

叫ぶように。吐き出すように。

もう、疲れたと言うかのような、

そんな悲鳴をあげた。

麻衣

平気なフリしとかないと気が保てないのッ!

麻衣

元気でいないと、明るくいないと、

麻衣

どうにかなっちゃいそうなのッ!

麻衣

…なんでみんな…っ

麻衣

離れていくの…?

麻衣

もう…こんなのなら

麻衣

誰とも…いなかったらッ…

ギュッ

明那

本心じゃない

明那

本当は、そんなこと思ってなんかない

明那

叫びたかったんだよね

明那

助けて欲しかったんだよね

明那

誰かに…気づいてもらいたかったんだよね

麻衣

そんなこと…ッ

明那

一人でずっと抱え込んでたんだよね

明那

本当は、疲れたのにね

明那

誰にも気づいてもらえなくて、

明那

抱え込んでるものが大きくなって

明那

次第に、飲み込まれて。

明那

仮面をつけて、

明那

元気なフリで。

明那

でも、違うんだよね

明那

本当の麻衣ちゃんじゃなかったんだよね

明那

誰かと一緒にいたい。

明那

誰かに気づいてもらいたい。

明那

幸せになりたい。

明那

愛されたい。

明那

偽りなんかじゃなくて、

明那

本当の、麻衣ちゃんとして

明那

生きていたかったんだよね

明那

消えたくなかったんだよね

明那

死にたいなんて、思いたくなかったんだよね

明那

本当は、みんなのこと…信じてたんだよね

明那

お父さんのことも、お母さんのことも、

明那

友達のことも、

明那

大切な人って、想ってたんだよね

明那

でも、信じていいかわかんなくなっちゃったんだよね

明那

失うのが怖いんだよね

麻衣

なん、で…っ

明那

大丈夫、

明那

泣いていいよ

明那

誰も怒らないから

明那

誰も、離れないから

明那

ずっと一緒にいるから

明那

たくさん泣いて、

明那

また、きらきらした笑顔見せてよ

麻衣

でも…っ

明那

でもじゃない、

明那

もう、ごまかさないで

明那

ほんとの気持ちで、

明那

ほんとの麻衣ちゃんで

明那

素直に、いてくれていいから

明那

自分の気持ち、吐き出してみてよ

麻衣

…ほん、とは…

麻衣

(言って、いいの、?

麻衣

(怖い…

明那

ギュッ(手を繋ぐ

明那

大丈夫、

麻衣

麻衣

…本当は、

麻衣

正直…半信半疑だった、

麻衣

機械人間のこと言って、本当に…信じてもらえるかって

麻衣

本当は気持ち悪がってるんじゃないか…って

麻衣

…でも、

麻衣

それでも違った、

麻衣

みんなは、ちゃんと一緒にいてくれた、

麻衣

それがすごく…嬉しかった、

麻衣

最初にあった時から、仲良くしてくれて、

麻衣

機械人間のこと言っても、

麻衣

その後もずっと一緒で、

麻衣

…だけど

麻衣

本当は、違うんじゃないかって思い始めた

麻衣

私のせいで、誰かが不幸になってるんじゃないか

麻衣

誰かの迷惑になってるんじゃないかって

麻衣

そしたら、すごく…怖くなって

麻衣

もう、大切な人を失いたくない、

麻衣

もう、誰も死んでほしくない

麻衣

私にそう思う資格があるのか…

麻衣

もしかしたら、私が殺しているんじゃないかって…

麻衣

…そしたら、私はみんなといられなくなるって

麻衣

想像して、怖くなって…w

麻衣

ほんと…勝手で、わがままで…

麻衣

勝手に悲しんで…馬鹿みたい…

麻衣

っ…ポロポロ

麻衣

もっと一緒に…いたかったなぁ…っ

ハヤト

…頑張りましたね、

ハヤト

もう、隠すのやめてくださいね、麻衣

麻衣

うん…っ

よかった、

私がいなくても大丈夫そうですね。

…私も、一緒にいたかったよ

じゃあ…ばいばい、

たった一人の家族。

兄6人と仕事場の先輩に溺愛されてます

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待って?初めて夢小説で泣けたんだが……?マジで泣ける。創った主様マジで神。

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