テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
金木犀
415
只野隙間
82
555
とある夕焼けに染まる浜辺に、一人の少女が立っていた
その少女はただじっと海を眺めている
???
朝
少女は軋んだ音を立てる古びた玄関の扉を開けると、目の前に一人の男が立っていた
父親らしき人物
父親らしき人物
男は親しげに笑みを浮かべると、思い出したように付け加えた
父親らしき人物
ふと外を見ると、向こうで派手な女性が車によりかかって男を待っているようだった
やがて、少女は微笑む
エリナ
穏やかな声音だった
そのままエリナは男を家に招き入れ、女の視線が届かなくなったところで足を止めた。
父親らしき人物
男が何の疑いもなく背を向けた瞬間
エリナの手に握られていたハサミが、朝の薄明かりを鈍く反射した。
夕方
人気のない場所では学校帰りの天使たちが数人、ある人物に待ちくたびれた様子で立っていた
天使A
天使A
その人物がようやく姿を現すと、天使たちが苛立たしげに声を荒げる
天使A
エリナ
天使たちを呼び出したのは、エリナだった
天使B
しかし、エリナはその場にたったまま、頭を下げようとしなかった。
天使A
天使たちは頭を下げようとしないエリナをみて訝しげに顔を見合わせた。
やがて、そのうちの一人が何かを思い出したように口元を歪める
天使B
天使B
天使B
天使B
天使A
天使たちは互いに顔を見合わせ、さも愉快そうに笑い声を漏らした。
エリナ
エリナは微笑む
あまりにも平然とした返答に、天使の一人が眉をひそめ、仲間の耳元へ顔を寄せる。
天使B
天使A
天使Aはエリナに近づく。
天使A
天使A
その瞬間、エリナの手に握られたハサミが、鋭く振り上げられた。
夕焼けに染まる浜辺に、全身血まみれのエリナが一人で佇んでいた
エリナはただ、波間に揺れる淡いピンク色の光を、ただぼんやりと眺めていた。
潮風を吹き抜け、彼女の髪を静かに揺らす
寄せては返す波の音だけが、この浜辺に絶え間なく響いた。
エリナ
エリナは小さくつぶやく
エリナ
エリナ
エリナは、静謐な海へと一歩、足を踏み入れた
波が足元を撫で、心地良い。
そのまま、海の深淵へと身を束ねようとした時だった。
少女
不意に、背後から透き通るような声音がした
エリナは微かに肩を震わせ、振り返る
エリナ
そこに立っていたのは、小柄な少女だった
淡い水色の長髪は綿雲のように柔らかそうで、風に吹かれてふわりと揺れる
身に纏ったワンピースもまた、 夕暮れの光を受けて淡く輝き、その佇まいには、この世の喧騒から隔絶されたような気品が漂っていた。
エリナ
エリナと少女の視線が交錯する。 見知らぬ少女の瞳に映る自分の姿を、エリナはただ茫然と見つめていた。
少女はそんな彼女に、穏やかな微笑みを向ける
少女
それはささやかな茶会に誘うかのような、あまりにも静かな問いかけだった
数年後。
天使たちが築き上げた第二の楽園、パルミエラ。空はどこまでも晴れ渡り、鳥たちが青空を悠然と羽ばたいていた。
街路には人々の賑やかな談笑が満ち、異国から訪れた観光客も、ここに暮らす民たちも、思い思いに楽園の恩恵を享受している。
芳醇な香りを漂わせる美食の数々、見る者の心を奪う絢爛たる芸術、そして陽光を浴びて煌めく、果てしない海。
今日もルナシエルは平和に一歩近づいていた。
そんな平穏な楽園に聳え立つ、イルミノ宮殿では、にわかに騒動が巻き起こっていた。
護衛官
血相を変えた護衛官が、護衛長官ナディア・クラリッサのもとへ駆け込んでくる。
ナディア・クラリッサ
護衛官
その名前を耳にした途端、ナディアの表情が一変した
彼女はすぐさま踵を返し、女王の居室へと急ぐ。
宮殿の長い廊下を足早に進み、辿り着いた扉の向こうには、到底看過できない事態が待ち受けていた
ナディア・クラリッサ
目の前の光景にナディアは言葉を失った。
しかし、すぐさま我に返ると、傍らに立つ護衛官へと振り向き、普段よりも声を張り上げて命じた。
ナディア・クラリッサ
その声音には、隠しきれない動揺が滲んでいた。
護衛官
一体、女王に何があったのだろうか。またルナシエルに、何か起ころうとしていた。
続く〜