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朝、ゆっくりと目を覚ました。
スマホは枕元に置いたまま。
電源を入れるのが怖い。
涼架
たった1回だけ無視をした。ただそれだけなのに胸がざわつく。
いつもなら通知が来たら直ぐに確認するし、その時に返事もする。
当たり前のようにやっていた事を突然やらなくするとこんなにも不安な気持ちになるなんて思わなかった。
涼架
若井と昨日話して、少しだけ勇気を貰えた。
このままではダメなんだって、ようやく思えたから。
涼架
そう決意してベットから起き上がった。
色んなことを考えながら仕事をしていたらあっという間にお昼休み。
結局元貴に返事ができてなくて昨日から無視したままになってしまった。
朝、元貴に怪しまれないように元貴からのLINEや電話はちゃんと出て僕からは送らないって決めたのに。
このままだと怪しまれちゃう。
涼架
本当は元貴と話したい。
でもこのままだとダメだとわかっている。
まずはどうやって返信するかを考えないと…
滉斗
考え込んでいたから若井が隣の席に来ていたことに気づけなくて驚いて顔を上げる。
若井が優しい顔をしながら心配してくれてる。そんな顔を見ていると素直に悩みを言える自分がいる。
涼架
滉斗
若井のわざとふざけてるような言葉に少し安心したように肩の力を抜いた。若井とこうして話すことでどこか心が軽くなった気がした。
仕事終わり、途中まで若井と一緒に帰ることにした。
滉斗
涼架
元貴からLINEが来た。
パッと見えたのは今まで見た事ない様な長文。
何故かその通知が怖くて立ち止まってしまうと、若井が心配そうに僕を見ていた。
滉斗
涼架
どうしよう。
怖い、けどこのまま無視したら元貴に嫌われちゃうかもしれない…
滉斗
滉斗
若井の言葉に勇気が出た、そしてそのままの勢いで元貴の通知をスワイプして消した。
涼架
滉斗
・ ・ ・
若井と別れたあとの家に着くまでの道のりで僕は心の中で考えた。
元貴からの連絡を無視したこと、今はすごく滉斗に支えられていること、そして自分が本当にどうしたいのか。
少しずつ答えを出していかなければならない時が来ているように感じていた。