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蘭side

週明けも憎たらしいくらいに 真夏日だった。

こうして廊下を歩いている だけでも首筋に汗が滲む。

桃瀬らん

(職員室以外もクーラーつけてくれたらいいのに ... )

さっきまでいた天国を 思い出すだけで私は気が 遠くなりそうになる。

幼い頃は暑さにも寒さにも 強かったのに今ではすっかり 弱くなっていた。

雨乃こさめ

ぁ、飛行機雲!

前を歩く恋醒が空を指し こちらを振り返った。

桜黄みこと

ゎ、綺麗やなぁ ... !

美琴の歓声を聞きながら 遅れて私も眩しさに 目を凝らしながら仰ぎ見る。

雨乃こさめ

空が青いからくっきり見えるねっ!

桜黄みこと

うん、白い筆を走らせたみたいやな!

桃瀬らん

...... うん、

美琴と恋醒のはしゃいだ声とは 対照的にどんよりとした 調子で答える。

桃瀬らん

(しまった、またやっちゃった ... )

2人の視線が雲から自分へと移るのを 感じ、慌てて明るい声を出す。

桃瀬らん

そろそろ時間だね、急がないと男子達が騒ぎ出すかも 笑

言うなり私は美術室へと 小走りに向かう。

遅れて2人の靴音も聞こえて きてそっと息をつく。

朝からずっとこんな調子だった。

ふとした瞬間に威榴真の 「応援する」という言葉が蘇り 気持ちが塞いでしまうのだ。

桃瀬らん

(気にしなきゃいいだけって
分かってるんだけどなぁ ... )

人間の意志で天候を コントロール出来ないように 感情の扱いも難しい。

桃瀬らん

今からミーティングなんだからしっかりしないと、、!

ぱしんと両手で頬を叩き 挑むような面持ちで 準備室へと足を進める。

他の部員の集中力を注がないようにと 顧問の大神先生が特別に 使わせてくれたのだ。

桃瀬らん

(あんまいい顔されないかと思ってたから意外だったな、)

さっき職員室に立ち寄ったのは 映研からの依頼を報告する為だった。

美術部の顧問としては コンクールに集中しろと 諭すべきなのかもしれないけど、 と前置きしながらも 先生は私たちを応援してくれた。

桃瀬らん

(発表する場は多い方がいい、か ... )

誰かに自分の作品を見て もらえるのは嬉しいが それ以上に緊張の方が先に立つ。

入賞常連の恋醒や美琴とは違い まだまだ自信のない私には かなりの苦行だ。

にも関わらず映研の話を 聞いてみようと思ったのは 『俺、蘭の絵好きだし』 と言った威榴真の言葉が 頭を離れないからだ。

威榴真が好きだと言ったのは 私ではなく私の描く絵だ。

それでも純粋に嬉しかった。

だから、選ばれないだろうと 分かっていてもミーティングに 参加しようと思ったのだ。

きみ宛ての2文字 __ 。

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