れい
れい
れい
れい
れい
れい
レイ
れい
れい
れい
れい
グルッペン
グルッペン
四流
いつも通りの、いつもの任務。
いつもならば、今頃基地に戻り コネシマに食害を 受けさせていただろう。
軽く巻き込まれた相棒も、半泣きに なりながら優しく笑っていて……
ゾム
いつもより早く息が上がる。
地面に足を取られているのもあるが、 最大の理由は"彼"だろう。
ゾム
さっきからぴくりとも反応しない インカムを雑にポケットに突っ込み、 足を速める。
ゾム
腕の中から香る鉄の匂いに 気が遠くなりそうになりながら 相棒の名前を呟いたゾムは、豪雨の中 地面を蹴った。
ゾム
ゾム
逃げるように駆け込んだ洞窟に いまだ瞳を伏せているエーミールを 寝かせる。
若干肌寒いここで風邪を ひかないように自身のパーカーは エーミールに被せ置いていった。
ゾム
ゾム
壁伝いで歩きながらも そう判断したのは、薄暗い中明らか 人為的に吊られたランプが光を 放っていたからだ。
ゾムはその内の1つを手に取り辺りを 照らす。
多少の歩きにくさはあるものの、 ある程度整備が施されている。
ゾム
ゾム
ゾムはちらりと彼が眠っている 入り口の方へ視線を向ける。
ゾム
ゾム
ゾムがエーミールの元へ戻ると、 彼はまだ目を覚ましていなかった。
勝手に拝借した包帯で縛った胸の傷が 痛々しい。
ゾム
ゾムは無言でエーミールの額に 浮かんだ汗を拭き取り、静かに彼を 背負った。
…雨は、小雨になりつつある。
音も無く森を走り抜ける影がひとつ。
ゾムは、いつものトレーニングの 倍の距離を走っていた。
ゾム
ゾム
ゾム
ザゥッ‼︎
ゾムが自身に急ブレーキをかける。
珍しく、明確な殺意を放ちながら。
ゾム
低く、唸る様な声で言うと、ガサッと 音がして数人の男が姿を現した。
ゾム
気配的に囲まれているのがわかる。
いつもならば取り囲まれているからと いって、こんな気配ダダ漏れ程度の 連中を捌くことくらいなんてこと 無いのだが、今日はゾムひとりで対峙 するわけでは無い。
エーミール
背で眠る彼を庇うような体勢を取り ナイフを構える。
すると相手のリーダーらしき男が 口角を上げながら前に出てきた。
モブ
ゾム
迷わず歩を進めて近づいてくる 向こうの意図が読めない。
『暗殺者ゾムーク』の情報は一応 我々軍では機密扱いとされている。
しかも、この男は今自分のことを 『ゾムーク』ではなく『ゾム』と 言った。
つまり、鉄壁の機密情報機関である 鬱とロボロを破ったということだ。
それにより、ゾム自身が 警戒すべき相手だと判断する。
ゾム
ゾム
ゾムが男を探る様な目で見ていると 男は薄い笑いを浮かべた。
モブ
ゾム
馴れ馴れしく喋りかけてくる男に一層 怒りが溜まったが、拳を握り その気持ちを抑える。
今はなるべく穏便に済ませたい。
ゾム
モブ
うーんと、わざとらしい素振りを 見せる男に睨みをきかせると 相手はぱっと笑顔を作り、 その"目的"を発した。
モブ
ゾム
一瞬脳が思考を止める。
ゾム
ゾム
ゾム
ゾム
ぐるぐると、答えの見つからない 問題が頭の中を巡る。
ともあれ、形としても自分達の味方で ある以上、殺すわけにはいかない。
ゾム
ゾム
モブ
モブ
モブ
ゾム
モブ
モブ
ゾム
モブ
モブ
モブ
ゾム
不快な言葉をズラズラと並べ立てる その口を永遠に 閉ざしてやりたくなる。
いつもならばもうクライアントだの 何だの無視して、確実に殺していた。
…ただ、きょうは"いつも通り" ではない。
四方を敵に囲まれ、 背中には負傷した仲間。
そして、その彼の傷は依然酷いまま。
ゾム
ゾム
愛用のナイフを投げ捨て、 エーミールを支えていない手を上げ 降伏の念を示す。
男はそれを見て満足そうに笑った。
モブ
何が受け入れるだ、馬鹿馬鹿しい。
ゾム
モブ
ゾム
ゾムの突然の条件突き付けに、男は 少し考える様な顔をした。
しかし、全く殺気を収めないゾムを 見てすぐにフェイスチェンジをした。
モブ
ゾム
モブ
これほどの自信。
大事な相棒であるエーミールが 射程範囲内に居る限り自分達の 手のものだ………と。
ゾム
微塵も思っていない礼を言い、 エーミールを安全な場所……否、 そんなもの無いのかもしれないが。
優しく寝かせ、自分に言い聞かせる。
これでいい。これが、正解。
ゾム
エーミール
エーミール
ゾム
………なにが、任せろだ。
エーミール
モブ
モブ
エーミール
エーミール
ゾム
俺の出る幕なんて無ければよかった。
ゾム
ゾム
エーミール
エーミール
エーミール
ゾム
エーミール
ゾム
ゾム
エーミール
エーミール
パァン!
全員、殺したと思っていた。
だからこそ、理解できなかった。
狭い部屋に響いた乾いた銃声も、
綺麗に崩れ落ちる君の姿も。
……気付けば今度こそ敵は全員 死んでいて、彼を両手に抱えていた。
憎いくらい美しい紅に、事実を再度 確認させられる。
彼が怪我をしている。 彼が血を流している。
………彼が。
エーミールが。
ゾム
ゾム
"死なへんよな?"
…無意識の内に走り出した。
無責任な台詞を吐きながら。
れい
れい
れい
れい
れい
❤️200で後編書きます!
コメント
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こんにちはこんばんは。れいです。実は、色々あって携帯のデータバックアップに失敗し、急遽アカウントを移動させていただくこととなりました。これからは此方から投稿させて頂くこととなります。ご迷惑をお掛けして、申し訳ありません。