なかむ
先日受けた依頼を確認しつつ、朝の支度を進める。 そうしていると、隠れ家の外でさく、さく、という足音が聞こえてきた。
なかむ
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
見た事のある顔に、つい話しかけてしまった。 というか、依頼人の名前、まだ覚えてる……、いつもなら聞いても すぐに忘れちゃうのに…。
しゃーくん、という珍しい名前が覚えやすかったのかな。 もしくは…彼も魔力を少し持っているから、印象に残ったのかな。
なかむ
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
謝られることなんて覚えてる限りされてないけど、なんの謝罪だろうか。 でも、彼の手にある甘い匂いのする紙袋に警戒心は解かれ、 つい招いてしまった。
随分古びた家だ。でも、中は案外広くて快適そう。
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
差し出した紙袋の中身を見て、彼は目を輝かせた。 クールな印象を持っていたので、幼い一面に思わず笑みがこぼれた。
なかむ
しゃーくん
なかむ
彼はクレープを大事そうに冷蔵庫にしまい、 話も一旦落ち着いたところで、彼に促されるまま席に着く。
なかむ
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
なかむ
彼はなんだか驚いたような顔をした。 俺変なこと言ったっけ?
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
なかむ
何で怯える必要が…、と問おうとした所で察しがついた。
彼は人に怯えられて育ってきたから、寧ろぐいぐいと来る俺が 物珍しいのだろう。
しゃーくん
なかむ
なかむ
真っ直ぐこちらを見るじと、としていた目は驚きと照れで、見開かれる。 会った時は人に一切興味がない、と自分から孤立しているオーラがあったが、 見違えるように表情が豊かになった。
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
なかむ
随分心を開いてくれたようで、帰る際には微笑んで手を振ってくれた。
幼い表情、照れた顔、帰り際はにかんだ笑顔。 今すぐにでも戻ってもっとnakamuの色んな表情を見てみたいと思った。
俺は子供の頃から嫌煙され、nakamuみたいに冷たくない表情を投げかけて くれたのは生まれて始めてだった。 そのおかげか、簡単に俺の心臓はnakamuに鷲掴みにされてしまったようだ。
しゃーくん
来た時は色んな不安で体が重かったこの獣道も、 帰り、手ぶらな俺はふわふわと浮くように心が軽かった。
なかむ
今は夏の嵐のように来て去っていった彼のことで頭がいっぱいだった。
本当に初めて言われる言葉ばかりで戸惑ったけど、 また明日、と言われると心臓が跳ねた気がした。
なかむ
殺人にはいつまで経っても慣れないけど、依頼だから仕方がない。 …それにしても、しゃーくんから聞いた話は少し不思議な点がある。
父親は何でぶるーくさんを奴隷に売ったんだろ、 あと聞いた感じ父親は今行方不明。ただ何故父親は逃げたんだろう。 そもそも逃げたのかな…。まさか殺されて…はないか。
まずぶるーくさんを奴隷に売る目的……
なかむ
なかむ
虐待するぐらいだし、そんな適当な理由で売っていてもおかしくは無い。
なかむ
なかむ
そう考えるときりが無い、答えも出ないし考えても無駄だろう。
なかむ
なかむ
取り敢えず終わらない思考に区切りをつけて、情報集めのため 広げていた新聞に目を通すと、ある記事に目が止まった。
なかむ
ぶるーくさんの特徴はしゃーくんから、口頭でしか聞いていないため さほど自信はないが、完全に一致している。
なかむ
取り敢えず今日は一旦昼寝して、目が覚めたらクレープを食べよう。 と、予定とも言えない予定を立て、ベッドに体を投げる。
なかむ
コメント
1件
この続き楽しみに待ってます