別室で……
キッド
ほらカイト…別のお部屋に着きましたよ
キッドは優しく快斗をベッドの上に降ろした
快斗
ッ……………
キッド
カイト……?
快斗
ッ…………………
(スー…スー……)
新一
なんだ…寝てるだけか……
キッド
相当疲れているんですよ……
新一
つか…カイトのこの服はなんだ…
キッド
恐らくスペイド様ですね……
キッド
着替えさせたのでしょう……
新一
………………快斗……
キッド
今日はもう夜が遅いですから、お休みになってください
キッド
私はスペイド様の部屋に居ますので
新一
わかった…
そう言い残してキッドは立ち去った
新一
…………快斗
新一
お前、なんで毎回溜め込むんだよ……
新一
オレ、話聞くって言ったろ……?
新一
あんなふうに振る舞われたら……気づきたくても気づけねぇよ……
新一
ちゃんと……気づいてやりたいのに……
その頃、キッド達は……
キッド
スペイド様
スペイド
戻ったか……
キッド
良かったのですか?2人きりにしてしまって……
スペイド
なぜそう思う……
キッド
もしかすると、気づけなかった事を悔やむかもしれませんよ、シンイチが……
スペイド
…………
キッド
シンイチは、カイトを本当に心の底から愛しています
キッド
ですからきっと、気づけなかったことを悔います……
スペイド
あの小僧とカイトの間に…オレたちは必要ない
スペイド
オレたちはあいつらの関係に手は出せん……
スペイド
今は、2人にするのが得策だろう
キッド
…………さすが、お優しいですね
スペイド
カイトほどでは無いだろうがな……
キッド
あの子は優しすぎますよ
キッド
きっと、彼の本来の優しさなんでしょうね……
キッド
だから、どれだけ傷つこうと、笑顔を絶やさない……
スペイド
………………服を着替えさせるとき、あいつの体を見た
スペイド
あいつには……小僧が言っていた”ガクセイ”という存在には有り得ない傷跡があった……
キッド
カイトは、辛いと言えないのですね……
キッド
辛いと言うことを、忘れてしまった……
スペイド
その言葉を、自分の中から除外しているんだろう
スペイド
そうせねば、身も心も持たないと分かっているから……
スペイド
カイトは、向こうの世界では犯罪者呼ばわりされているようだからな……
スペイド
誰にも助けを求められないのだろう……
キッド
………………スペイド様
スペイド
なんだ
キッド
カイトを……救ってやれないでしょうか……
スペイド
………………
キッド
あの子をこのままにはしておけない……
キッド
それは、あなたの考えと同じでしょう……?
スペイド
………………
スペイド
そうだな
キッド
あの子が犯罪に手を染めてしまう、そんな状況にあるのは、どうしようもないかもしれません……
キッド
でも、あの子の気持ちを軽くしてやることは、私たちにも出来るのではないですか……?
スペイド
……………………
キッド
スペイド様…不本意だと分かってはおります
キッド
ですが、見過ごしたくありません……
キッド
どうか、お力を……
スペイド
お前に言われずとも、オレはそうするつもりだった
スペイド
オレは、あいつらを何とかする
キッド
スペイド様…………
スペイド
お前も、オレに手を貸せ
スペイド
これは……命令だ
キッド
………………はい
キッド
仰せのままに、スペイド王子……
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