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太宰治

此奴ら倒そう、一緒に三人で

中原中也

んあぁ?
手前は死にたいんじゃねえのか?

太宰治

少しだけポートマフィアの仕事に興味が湧いてきた

太宰治

表の世界では死は日常から遠ざけられている

太宰治

でもマフィアの世界では
死は日常の延長線上であり一部だ

太宰治

僕はそっちの方が正しいんじゃないかも思う

太宰治

何故なら死ぬは生きるの反対じゃなくて
生きるに組み込まれた機能の一部に過ぎないからだ

太宰治

死を間近で観察しなくても
生きる事の全体像は掴めない

中原中也

つまり、自殺願望の手前が生きたくなった…って事か?

太宰治

試してみる価値はある、そう思っただけさ

杏堂〇〇

やっと自殺願望者卒業かぁ、長かった長かった

先代首領

無用じゃな

と、斬りかかってきた首領の大鎌を 頭を下げて避ける太宰。

先代首領

子供は死ぬ時間じゃ

太宰治

そうかい

杏堂〇〇

子供は寝る時間だみたいに云うなボケ茄子

攻撃を避けつつ亜空間の太宰が壁に触れようと試みるも、 壁を動かされてしまう。

太宰治

そういう事だ、判るよね?

中原中也

俺に指図すんじゃねえ

跳んだ中也が蘭堂さんに蹴りを入れようとすると、 矢張り亜空間で阻まれる。

蘭堂

八年前の昨日、
荒覇吐を異能生命体として取り込もうとした

蘭堂

だが出現した瞬間荒覇吐が
周囲の全てを吹き飛ばしてしまった

蘭堂

同じ失態は犯さない

蘭堂

今度は完全に絶命させて必ず取り込む

中原中也

う"ぁ"ぁ"あ"!!

杏堂〇〇

中也!!

足をあらぬ方向に捻られ、地面に体を投げられる中也。

大きな亜空間を投げ飛ばされるも、 それは中也のダメージにはならなかった。

蘭堂

自らの体を高重力化して密度を増し、
衝撃を受けきったのか?

中原中也

なあ、何で俺が両手を封じて戦ってたのか教えてやろうか?

中原中也

何時か負けそうな時が来りゃ、
そうすりゃ、一寸は愛着が湧くと思ったんだ

中原中也

此の俺って云う人間にな

蘭堂

素晴らしい!君を取り込めば
此の身に感じる寒さも吹き飛ぶか!

先代首領

キンキンッ

杏堂〇〇

っ……、太宰、鼻と口抑えて!

杏堂〇〇

異能力「甘香・滅殺」

効果が薄いであろう私自身でもクラクラする程の 甘ったるい香りが充満する。

「甘香・滅殺」。鼻から毛細血管や粘膜へ、 数秒も経たぬ内に体中に行き渡って臓器が腐る。

私の異能力の最終兵器だ。

太宰治

来い中也!

中原中也

手前が動くんだよクソ太宰

先代首領

ギンッ!

杏堂〇〇

なっ!

中原中也

おい!

とっくに動けなくなっている筈の先代が、 太宰の負傷している左腕に鎌を突き刺した。

ギリギリと音を立て、包帯が千切れると、 中にあったのは腕ではなく鉄の塊だった。

太宰治

中也!!

中原中也

来い太宰!!

二人が手を伸ばす。もう少しで触れそうな距離。

先代首領

させるか!

杏堂〇〇

お前がな!

太宰の方へ鎌を振りかぶった先代に、 横から肩に跳び乗って阻止する。

既に死んでるから甘香の効きが悪かったらしい。 でも効果が無いわけではない。現に───

杏堂〇〇

フラついてるよお爺ちゃん!

私が懐から隠していた拳銃を取り出して 先代の胸を撃ち抜くのと、

太宰と中也の手が触れ合い、握り締めたのが ほぼ同時の出来事だった。

蘭堂

ぐっ…!

中原中也

終わりだ旦那

中原中也

重力からは逃げられねえ!!

亜空間が解かれて防御する事が出来なくなった蘭堂さんを中也が殴りつける。

先代首領

う"ぅ…

太宰治

蘭堂さんの亜空間が消えれば当然貴方も消える

太宰治

だけど…一発くらい受け取ってよ

最後の力を振り絞って振り上げられた鎌を避け、 太宰は先代の口に鉄塊を突っ込んだ。

太宰治

僕からのお礼

双 黒 に 狙 わ れ て ま す

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