テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
放課後の教室 誰もいなくなった空間で 、ひとり机で突っ伏していた 呼吸が浅い 、吐きそうなのを何度も我慢していたなつの声が 、まだ頭に残っている 目を合わせた瞬間のあの底なしの目 ぜんぶ本気だった。
──俺のとこに 、堕ちてこい
百
独り言は 、自分に向けた罵倒みたいに響いた 俺は逃げた 、なつから でも 、俺は地上に居て 、 彼奴は空の上から 、見下ろしている ……ほんとに 、ずっと待ってたんだろうか。
赫
背後から聞こえた声に 、ビクッとする 振り向かなくてもわかる 声を聞くだけで 、背中に冷たい爪が這うような感覚になる
百
赫
百
赫
嘘だ その目は、追ってる目だった
赫
赫
百
言葉が出ない なつの声が 、じわじわと染み込んでくる あったかいのに 、背中が寒い
赫
百
赫
___「大丈夫 、お前のこと1番わかってるの俺だから」 ___「天国で待ってて」
赫
なつの声が 、耳元に落ちてきた もう 、真後ろに居た
赫
この言葉に身体がビクッと震えた でも逃げる気力がもう無かった
なつの手が俺の背中に触れた 爪を立てるでもなく 、撫でるでもなく ───ただ、そこに置いただけ それたけで なつがまだ 、ここに居ることを突きつけられた
赫
その一言が、、喉に引っかかって 、ずっと取れない
堕ちちゃダメだ
でも、
でも───────
なつの声は 、どうしてこんなに優しいんだろう。