主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 血表現注意⚠️ 花魁パロ
主
主
主
12,綻び
吉原の夜は、今日も赤い灯に包まれていた。
秋風が吹き抜ける大門の内側では、提灯が揺れ、客の笑い声が途切れることはない。
賑わいの中に、六人の花魁の名は確かに浸透していた。
それぞれが持つ色は、遊郭に新しい風をもたらしていた。
だが、華やかさの影にひとり、暗い影を背負う者がいた。
──翠嵐。
花鏡楼の奥座敷。
化粧の最中、翠嵐はふと手を止めた。
紅を差そうとした唇の端に、赤黒い色が滲んでいたのだ。
翠嵐
慌てて手拭いで拭う。
それは紅ではなかった。
鮮やかな血。
翠嵐
翠嵐
誰に聞かせるでもなく呟き、懸命に隠そうとする。
しかし白粉を塗った肌の下からは、熱に浮かされたような赤みが透けていた。
その夜の座敷。
呼んだのは、町方の豪商の一行だった。
金払いは良く、座敷は賑やかに盛り上がる。
笑い声に応じ、翠嵐は盃を重ねた。
だが喉を通すたびに、焼けるような痛みが走る。
唇の裏側に血の味が広がり、思わず盃を落としそうになる。
商人の一人が怪訝な目を向ける。
翠嵐
強引に盃を掴み、呷った。
次の瞬間、胸の奥から込み上げるものを堪えきれず、咳き込む。
翠嵐
畳に落ちたのは、赤い飛沫。
それを見た瞬間、座敷の空気が凍り付いた。
ざわめきが広がる。
翠嵐は慌てて手拭いで口を押さえた。
翠嵐
無理やり笑みを浮かべるが、その顔は青ざめていた。
座敷を終え、裏路地に出ると、待っていたのは仲間たちだった。
なつが扇を閉じ、鋭い視線を向ける。
紅鶴
紅鶴
翠嵐
すちは吐き捨てるように言った。
だが、こさめが口を開いた。
蒼霞
蒼霞
その言葉に、場の空気が重く沈んだ。
らんが冗談めかして笑う。
桃李
桃李
黈羽
小さく呟いたのは、みことだった。
彼の視線は真っ直ぐすちに向けられていた。
黈羽
すちは目を見開き、すぐに睨み返した。
翠嵐
黈羽
翠嵐
怒声が響き、みことは思わず言葉を飲み込んだ。
沈黙の中、すちは背を向けた。
翠嵐
翠嵐
その背中には、意地と恐怖が入り混じっていた。
夜更け。
布団に伏した翠嵐は、胸を押さえて喘いでいた。
喉が焼けるように熱い。
関節は砕けるように痛む。
翠嵐
布団に染みたのは、またもや血。
息は荒く、視界は霞んでいく。
翠嵐
そう呟く声は震えていた。
それでもすちは、必死に起き上がり、次の夜に備えようと衣を掴んだ。
──だが、その姿は、すでに限界の綻びを晒していた。
12・了
主
主
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡130
主
主
コメント
2件
毎回見てます!続きも楽しみにしてるので頑張ってください!いいねもたくさん押しときます!