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俺は今、オリックス・バファローズに入団している
まだまだ新参者の俺はチームに馴染めずにいた
と言うより
グシャ、
福也
由伸
髪を掴まれ、顔を上げられる
ユニフォームの下はきっと打撲跡でグロテスク
鼻血も止まんないし
廣岡
福也
ゴォッ"、
…デロォ、
福也さんの拳に俺の鼻血がついた
福也
福也
福也
痛くても泣き喚かない
負けた気がするから
手足を縛られた俺に出来る唯一の反抗で睨み付ける
廣岡
口の中に血が入り、思わず吐き出す
どうせ後で片付けさせられるんだし、いいか
正直、暴力なんかより嫌なことがある
福也
福也
由伸
スリ、
福也
福也
由伸
由伸
由伸
由伸
福也
由伸
ガチャン、
廣岡
廣岡
身体中気持ち悪い
ベタベタするし、生臭い
廣岡
顔と胸を重点的に付いてしまっている
鼻血とこれのコントラストは些か奇妙過ぎる
立ち上がればナカから垂れでる感覚に鳥肌が立つ
廣岡
廣岡
廣岡
いつもロッカーに連れ込まれてはこうして辱めを受ける
廣岡
ロッカーをあらかた掃除し、部屋を後にした
ガチャ、
廣岡
廣岡
廣岡
廣岡
廣岡
颯一郎
颯一郎
颯一郎が背後から俺の尻やら腰やらを撫で回す
気持ち悪い、
颯一郎
颯一郎
颯一郎
颯一郎
颯一郎
颯一郎
一頻り身体を撫で、颯一郎は消えた
廣岡
でも実際そうなのが悔しい
今の俺はただの性処理道具
欲を吐き捨てるためだけに作られたラブドールと何一つ変わらないんだろう
苛立ちを治めるためのサンドバッグでもあり、愛のない欲を殴り付ける都合の良い人形でもある
同じ野手達からも冷ややかな目を向けられる
人に対する視線じゃない
暖かみのない、無機物に対する視線
偶にバットで腹部を殴られることもあった
廣岡
山下
廣岡
今日は厄日だ
山下
廣岡
顔の右側を思い切り掴まれる
爪が皮膚に食い込む
プチ…ブチ…ッ"、
耳が裂け始めた
流石に千切れては無いだろうが激痛が走る
山下も中々に容赦がない
柔らかそうな雰囲気とは打って変わり、少しでも反抗的な態度を取ればすぐさま手を上げる
山下の場合は多分謝っても暫くは痛めつけてくる
まぁ、謝ったことないから知らないが
山下
廣岡
山下
山下
山下
山下
山下
山下
山下
山下
山下
山下
山下
廣岡
廣岡
山下
泣いてる…?
俺が、?
ツーゥ…、
ポロ、ッ
廣岡
視界が歪んで良く見えない
ほっぺに何かが滴る感覚がする
廣岡
山下
やめろ
山下
やめてくれ
山下
そんなはずないのに
山下
俺に自覚させないでくれ
山下
嫌だ
山下
山下
山下
山下
山下
山下
山下
山下
廣岡
下唇を強く噛んで俯く
今俺はきっと情け無い顔をしてるから
グィッ"‼︎
廣岡
山下がすかさず俺の髪を掴み、顔を上げさせる
そうだった
こいつは待ってくれる程優しくない
山下
山下
山下
山下は俺の顔をスマホで撮るなり不穏なことを言い出した
嫌な予感しかしない
山下
山下
山下
俺はただ血を流したまま呆然と山下の背中を見送ることしか出来なかった
廣岡
逃げれるわけがない
こうなってしまった以上、覚悟を決める
福也
廣岡
廣岡
いつの間にか背後に福也さんが立っていた
福也
福也
あぁ、
人間って本当に怖いと喉が異様に乾くんだ
颯一郎
颯一郎
由伸
山下
福也
福也
福也
山下
山下
由伸
由伸
由伸
…あれ、
こえが、する、
颯一郎
颯一郎
ふはい、?
由伸
福也
福也
もしかして、おれのこといってんの、?
颯一郎
颯一郎
ごみじゃ、ない、
山下
山下
こわれてもない
さっきからみんなしてなにいってんだよ
由伸
由伸
ぐちゃ、ぐちゃ…?
福也
颯一郎
福也
山下
福也
由伸
いつもいやでもふれてくるくせに…?
どうこうことだ、?
あれ、
そういや、からだうごかん
なんで、?
このままだとまたいじめられる
なんでからだうごかないんだ、?
それに、しかいがわるい
ぐわんぐわんする
あれ、なんだろう、
あのぼう、
いっぱいある
ばっと、?
でもまっすぐじゃないよな、?
あ、
あれ、あしだ
あしとうでだ
なんでそんなのあるんだ
だれのなの、?
…おれの、?
ちがうよな
おれのじゃ、
でもからだうごかないし、
おれのあしとうでさちやさんにとられちゃったんだ
おれ、へやつれてかれて、それで、
なにしたんだっけ、
いたかったのと、こわかったのはおぼえてる
でもそれいがいわからない
おれっていま、
どうなってんの、?
もしかして、しぬの、?
でも、らくになれんのかな、?
もうおわりになるかな、?
福也
ヌプゥ…ッ"、
いたい
いたい いたい いたい
むねがきりきりする
いたい
由伸
颯一郎
福也
山下
山下
由伸
山下
山下
山下
山下
颯一郎
颯一郎
由伸
福也
福也
颯一郎
福也
福也
福也
送られた写真には非道ながらも情欲を掻き立てる空間が広がっていた
四肢を切り落とされ、可愛らしい薄いピンクのリボンでその切り口を拘束された廣岡がいた
胸にはなんともメルヘンチックな包丁が刺さっており、異質さをより一層放つ
Tシャツ1枚しか着ておらず、下半身諸々はカメラに向けて曝け出してしまっている
何より顔や胸、身体全身に滞りなくかけられてしまっている白いそれは現場での行為を想像させた
さよなら
俺らのラブドール