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いしろ
いしろ
いしろ
いしろ
いしろ
いしろ
いしろ
いしろ
before
after
いしろ
いしろ
いしろ
いしろ
いしろ
ーゆあんくんの部屋ー
ゆあん
ゆあん
………
えとさんと別れて家に着き、部屋の入り口で突っ立っていること約5分。
荷物を置くことすら忘れるくらい、俺は力が完全に抜け切っていた。
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
いつもは気にもしないのに、ぽろりとそんな文が口からこぼれ出る。
理由は、何となく…自分でも分かっていた。
ゆあん
ゆあん
ゆあん
…そう、
『えとさんが好き』
それを自覚したのは、本当についさっきのことだ。
斜陽に照らされたあの人のはにかむような笑顔が、 あんまり綺麗で。
話しかけてくれたのが俺で良かったと、そう言ってくれたのが、
ほんとうに…胸が焼けるんじゃないかと思うくらい、 異様な程に嬉しくて。
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆっくりと噛み締めるように、口に出して言ってみる。
疲労の所為か、不思議と恥ずかしさは感じなかった。
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
枕をぎゅうと抱きしめながら、そんな乙女チックなことを呟いてみる。
そうしたら、少しだけ、
頬が温もりを待った気がした。
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
誰かに恋情を抱くなんて、初めてのことだった。
だから尚更、自分の取るべき行動が分からなくて、もどかしい。
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ポケットからスマホを取り出して、ついこの間交換したばかりの連絡先を開く。
ゆあん
ゆあん
緊張しながら、返事を待つ。
何気なく時計に目をやると、時刻は午後の5時を過ぎていた。
ーえとさんの部屋ー
(…電話中…)
えと
えと
えと
えと
えと
えと
うり
うり
うり
えと
えと
うり
***
うりから急に電話が掛かってきたのは、私が家に着いてすぐのことだった。
いきなり何だと思いつつも渋々応答ボタンを押したのだけれど、
前置きも何も無しに、
『ゆあんくん、元気そうだった?』 なんて聞いてくるから
切ろうにも切れずに会話を続けてしまい、今に至る。
うり
うり
えと
えと
うり
えと
えと
うり
えと
えと
えと
えと
うり
うり
うり
えと
えと
えと
うり
うり
うり
うり
うり
えと
えと
えと
うり
えと
えと
うり
えと
うり
うり
うり
うり
えと
えと
えと
うり
うり
えと
えと
うり
うり
えと
えと
えと
うり
うり
えと
うり
その後は、ひたすら学校の話や近況報告をだらだらと続けて、
気がつけば、時刻は夜の6時過ぎ。
お互いに慌てて「また明日」と挨拶を交わし、ぷつりと電話を切った。
えと
えと
えと
えと
気は進まないけれど、定期テストを前にだらけてなんかいられない。
テストの結果が出る前から周りの信用を失うことは、なるべく避けたかった。
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
えと
考えながら、ふと気付く。
あ、まただ。
また私、終わったはずのことばかり考えてる。
えと
えと
えと
えと
幸せだなと、楽しいと思う度、
『忘れるな』 とでも言うように、重たい過去が袖を引く。
…いや、実際にはそこまで重くも無いはずなのに。
えと
えと
えと
えと
えと
心置きなく「幸せ」って、言えるようになるよね。
-to be continued-