ほたるの海

放課後 海

『放課後、話したいことがあるんだ。』

唐突に齋藤くんに呼び出され、言われるがままに昨日の浜辺に来たが

齋藤くんはまだいなかった。

いや、初々しいカップルかよ、

そんな事を心の中で呟いた。

齋藤くんは制服のシャツのボタンを 2つ開けた

首元には昨日見た深い傷があった

彼は真面目な顔で少しずつ話し始めた。

中学校 教室

それは数年前の話だった。

僕はまだ体が小さくて、気が弱かった。 だから同級生によくからかわれてたんだ。

いじめの標的にされてから ずっとこんな感じで

毎日暴力を振るわれる日々だった。

味方になってくれる人なんていないってずっと思ってたんだ、この日までは。