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速星 音
速星 莉玖
速星 沖
速星 琉翔
オッキー大好き作者
速星 莉玖
速星 音
速星 琉翔
3人同時「音、 莉玖、沖」
速星 琉翔
速星 琉翔
速星 莉玖
速星 音
速星 音
速星 琉翔
速星 沖
速星 音
速星 琉翔
速星 莉玖
速星 沖
速星 琉翔
速星 音
速星 琉翔
速星 沖
速星 琉翔
速星 沖
速星 莉玖
速星 音
速星 音
速星 琉翔
速星 沖
速星 琉翔
3人同時「音、 莉玖、沖」
オッキー大好き作者
速星 沖
速星 音
速星 莉玖
オッキー大好き作者
速星 琉翔
3人同時「音、 莉玖、沖」
速星 沖
オッキー大好き作者
オッキー大好き作者
オッキー大好き作者
琉翔の部屋
朝は、音がしない。琉翔にとって、それは当たり前のことだった。薄いカーテン越しに、白い光が部屋へ流れ込む。琉翔は小さな体を布団の中で丸めたまま、ゆっくりと目を開けた。目に映るのは天井と、光に揺れる影だけ。世界は静かだった。でも、その静けさは怖くない。胸に手を当てると、鼓動が伝わってくる。確かにここにいる、という感覚。琉翔はそれを確かめるように、少しだけ息を整えた。布団が、ふっと沈む。誰かが近くに来たのがわかった。次の瞬間、あたたかい腕が琉翔を包む。大きくて、迷いのない抱き方。琉翔は抵抗せず、その胸に顔をうずめた。このぬくもりを知っている。この人を知っている。
音だ。音は声を出さず、琉翔の背中をゆっくりと撫でる。その動きだけで、「大丈夫」が伝わってくる。やがて音は、琉翔の目の前で手を動かした。
速星 音
琉翔はじっとその手を見つめ、 少し遅れて、同じ形を作る。
速星 琉翔
音のない朝。けれど、確かに交わされる言葉があった。琉翔は、星の名を持つ子供。聞こえない世界の中で、今日も静かに、家族と一日を始める。
キッチンから、かすかな生活音が漂ってくる。フライパンの油がはね、湯気がゆっくりと立ちのぼる。莉玖はすでに身支度を終え、朝食の仕上げに取りかかっていた。時計はいつもより少し進みすぎている。
速星 莉玖
小さく声を落とし、視線を廊下の奥へ向ける。もう二人は起きている。問題は――沖だ。
沖の部屋
布団の山は、今日も沈黙を貫いていた。
速星 音
揺らしても、声をかけても反応はない。完全に夢の国に滞在中だ。
速星 音
一瞬だけ間を置いて、少しだけ声のトーンを変える。
速星 音
――ぴくっ。布団の中で、明らかに反応があった
速星 沖
もぞもぞと布団が動き、顔が半分だけ覗く。目はまだ閉じているのに、意識だけが先に戻ってきた感じだ。
速星 沖
速星 音
その瞬間、ぱちっと目が開いた。
速星 沖
即答。さっきまでの沈黙が嘘みたいだ。
速星 音
沖は数秒考えてから、ゆっくり体を起こした。
速星 沖
さっきまでの“起きない三男”はどこへ行ったのか。眠そうではあるが、もう倒れない。
速星 音
速星 琉翔
ふたりが小さく呟きながら、ようやく朝が動き出す。
洗面所前の廊下
洗面所から戻ってきた沖は――そこで止まった。廊下の真ん中。一歩も進まない。
目は開いてる。 意識もある。 でも、動かない。
速星 音
呼ばれても、首だけがゆっくり動く。
速星 沖
即答だった。顔は洗った。目も覚めた。なのに体が言うことを聞かない。
速星 沖
本人は真顔だ。数秒後、壁にもたれてずるずる座り込む。
速星 沖
それだけは忘れない。
速星 音
その一言で、沖はしばらく考え込んだあと―― ものすごくゆっくり立ち上がった。
速星 沖
が、三歩で止まる。
速星 沖
朝の沖は、動けない生き物だった。
しばらくして
動かない沖を前に、兄たちが困っていると――音の腕の中で、琉翔が小さく身じろぎした。音が気づいて視線を落とすと、琉翔はゆっくりと身振りで示す **「おりる」**という合図。
速星 音
音がしゃがむと、琉翔は慎重に床へ降りた。小さな足で立ち、ふらつきながらも前を見る。その視線の先には、廊下に座り込んだままの沖。琉翔は一歩、また一歩と近づいていく。音も莉玖も、何も言わずに見守った琉翔は沖の前で止まり、じっと顔を見上げる。そして、そっと手を伸ばした。 沖の服の裾を、きゅっと掴む。
速星 沖
沖が視線を落とすと、琉翔はにこっと笑って、手話でゆっくり伝えた。
速星 琉翔
沖は一瞬きょとんとしてから、ふっと力を抜いた。
速星 沖
そう言いながら、琉翔の小さな手を握る。琉翔は満足そうに、沖の手を引いて歩き出す。歩幅は小さいけれど、確かだ。一歩、また一歩。食卓へ向かって。音はその後ろ姿を見て、静かに息をついた。
速星家リビング
食卓に着いた瞬間、沖は椅子に座ったまま固まった。
速星 沖
それだけ言って、動けない。
速星 音
莉玖が皿を並べながら言うと、沖はゆっくり視線をテーブルへ落とす。湯気の立つごはん、卵焼き、スープ。そして――中央に置かれた、バームクーヘン。沖の目が、はっきりとそれを捉えた。
速星 沖
一気に覚醒した声だった。琉翔は音の隣に座り、じっと朝食を見つめている。音は琉翔の視線に気づき、手話でゆっくり説明する。
速星 音
琉翔は理解したように、小さくうなずいた。沖は箸を持つまでに少し時間がかかったが、ひと口食べると、ようやく体が完全に起動したらしい。
速星 沖
短い一言。琉翔はその様子を見て、にこっと笑う。音はその表情を見逃さず、胸の奥が少しだけ温かくなった。言葉が聞こえなくても、朝はちゃんと、同じ食卓に集まる。そんな当たり前が、この家では大切だった。
バームクーヘンは、最初から分けられていたわけじゃない。オッキーの皿に、ちゃんと全部あった。それを、ちゃんと全部食べるつもりでもあった。琉翔が欲しかったのは、量じゃない。ほんの、ひとくち。オッキーが差し出した小さな一切れを、琉翔はゆっくり受け取った。それだけで、十分だった。甘さを確かめるみたいに噛んで、ぱっと表情が明るくなる。音がすぐに手話で聞く。
速星 音
琉翔は迷わず、うなずいた。
速星 琉翔
その一言で、全部伝わった。オッキーは残りを食べながら、琉翔の様子を何度も横目で見る。
速星 沖
でも、声はやさしい。全部をもらうより、気持ちを分けてもらえたことが嬉しい。琉翔はそういう子だ。だからオッキーは、完食したあとも、琉翔を膝から下ろせなかった。甘いのは、バームクーヘンだけじゃない。その「ひとくち」に詰まっていた。
琉翔はオッキーの膝の上でひとくちのバームクーヘンをもらい、満足そうに笑った。小さな手でオッキーの服をぎゅっと握る。音が手話で優しく尋ねる。
速星 音
琉翔はにっこり笑って、手をオッキーに伸ばす。
速星 琉翔
オッキーは嬉しそうに頷き、膝から立たせる。
速星 沖
琉翔は自分では着替えられないので、オッキーが丁寧に手を添えながら服を着せていく。シャツを腕に通し、ズボンを足に通す――小さな体を支えながらの作業も、オッキーは楽しそうだ。
音は少し離れたところから見守り、手話でそっと伝える。
速星 音
着替えが終わると、琉翔はオッキーの手をぎゅっと握る。小さな体に満ちる安心と嬉しさは、朝の甘やかしタイムの余韻のまま。――こうして琉翔は、オッキーと一緒に学校の準備を終え、今日の一日を迎えることができた。
オッキー大好き作者
速星 沖
速星兄弟