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お久しぶりです、 って言ってもわかんないだろうけど笑 私はかなり前に貴女と関わっていた者です 私は貴女の「片道切符」という作品がとても好きでした もし、内容を少しでも覚えていたら 多少ちがっても構わないのでもう一度描いてくれませんか
あの、初めまして👋 なんか菜月さんの作るストーリーがすごすぎるのでふぉろーさせて貰いました!! 少し参考にしてもらいます!!
キキーッ
タイヤがコンクリートに擦れる音
体が鉄板に跳ね飛ばされて ふわっと宙に浮いて
地面に突き落とされた
傘で弾いていた雨が 容赦なく体に降りかかる
一瞬、何が起こったのか 分からなくて
ボーッとしていたら 意識が朦朧としてくる
手放した傘、咲夜に 当たってなかったかな…
ゆっくりと目を閉じたら 救急車の音が聞こえてきた
明菜
明菜
明菜
神様
どれだけ叫んだって
世の中の不条理が どうにかなるわけはなくて
だけど、なんともならなくても 文句を言わずにはいられなかった
明菜
明菜
明菜
神様
明菜
明菜
明菜
明菜
明菜
明菜
神様
明菜
神様
明菜
生前、密かに 恋心を抱いていた幼馴染
告白すると決めていた日に 事故に遭ったんだから
ちょっとくらい 会わせてくれてもいいでしょ?
神様
神様
明菜
神様
明菜
急に神が神に見えた
いや、元々神は神なんだけれど。
神様
……というわけで
ちゃっかり地上に帰ってきた私
こっちではすでに 3年の時が経っていて
多分彼は 大人になっているはず
もう私のことなんて 忘れてるだろうけど。
明菜
明菜
明菜
事故現場の歩道を眺めながら 小さく呟いた
好きだったお店も クラスメイトも
親友の声も 愛犬の毛並みの感触も
全て薄れているのに
未だ脳裏にこびりついて 消えない記憶
控えめに降る雨が 思い出をより鮮明にしていた
明菜
心の中の言葉が零れ落ちる
今会っても触れられなくて 目も合わせられないのにね
どうしても会いたくなるのは 3年越しの恋だから…?
咲夜
明菜
切なくなって少し俯いたとき 唯一覚えている声が聞こえた
明菜
雰囲気変わった? 背も伸びたね
ジャージばっか着てたくせに おしゃれな服着るんだね
少しだけ大人っぽくなった彼に 胸の鼓動が高鳴った
明菜
咲夜
明菜
咲夜
そう言いながら 私の手に触れようとした彼
咲夜
私の身体をすり抜ける手に 驚きを隠せないようだった
明菜
明菜
小さく、口角を上げた
咲夜
切なそうに俯く彼に こっちまで悲しくなってきて
明菜
明菜
咲夜
明菜
咲夜
明菜
明菜
噛みしめるように一言呟いたけど 少し嫉妬したのは内緒
明菜
咲夜
咲夜
咲夜
私のこと?
なんて、自惚れた考えが 頭をよぎる
咲夜
明菜
咲夜
気まずい沈黙が 二人の間を横切る
好きだったよ、とか
言っちゃっていいのかな、なんて
『あのさぁ、』
明菜
明菜
咲夜
咲夜
苦笑いで、咲夜が言った
明菜
咲夜
明菜
明菜
過去形じゃないと 貴方も私も前を向けないでしょ?
どうせ雨で分からないだろうと 思いっきり涙を流した
シトシトと降る雨は 涙声までかき消してくれない
咲夜
明菜
精一杯笑った。 彼が幸せに手こずらないように
咲夜
明菜
催促するように言うと 渋々といった感じで画面を開く
明菜
トーク画面に映る「美鈴」の文字 可愛い名前だと率直に思った
咲夜
明菜
咲夜
明菜
明菜
咲夜
明菜
トンッ、と背中を軽く押す
明菜
『雨もあがるよ』
最後に二人の言葉が重なった
全速力で走る彼を見ながら 彼の幸福を祈っていた
神様
神様
明菜
神様
スッと手を引かれて宙に浮く
明菜
神様
明菜
勝手に幸せを願って 勝手に背中押して
模範解答が分からない
神様
“愛とは何か”
今思えば大人ぶった タイトルだなぁと思う
3年前、学校からの帰路を 君と歩いた日
確か大粒の雨が降っていて 並んだ傘が少し狭くて
どことなく胸が踊っていたのが 今でも鮮明に蘇る
その日出た課題の話をしながら 君はハネたくせ毛を揺らす
そんな君を一秒でも長く 瞳に収めておきたかったのに
その瞬間車が突っ込んできて 君は死んだ
美鈴
咲夜
咲夜
今、愛すべき人が僕を呼ぶ
全力疾走で向かうから きっと髪の毛はぐしゃぐしゃ
でも、笑顔で駆け寄ってくる 彼女に安心した
待っててね、今日は とっておきを用意してあるから
ポッケの中 手のひらサイズの箱の感触
するりと撫でて 前髪を直した
きっと、空からも 見守ってくれてるでしょ?
君の分も、きっと幸せにするし そして俺もなるからね
少し前を歩く彼女に声をかけて ひざまずく
目の前の人を大切にしたい
これも、小さな愛と名乗って 良いですか
……なんて言ったら どんな顔するかな。