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メイド喫茶 〈スター〉 『メイド』とはいえ、和風をイメージする喫茶店とは掛け離れている店名から 興味を持ち、訪れる者が多かった。 顔面偏差値が高く、個性豊かなメイドが多く、老若男女問わずに人気のある店であった。
営業開始から月日が経ち、21年目の春
とある新入りメイドがやって来た。
その名は『海里(みさと)』 その見た目と器量の良さにすぐ様、人気になった。 その事から彼女はこう呼ばれるようになった。 『喫茶店の花魁』
彼女はみるみる人気になって行き、他のメイドが嫉妬ではなく、『尊敬』するまでもだった。
そんな彼女が
妊娠した
相手はオーナーの次の跡取りである者だった。
人々は失望する事なく、子が産まれる事に祝福を捧げた。しかし
花魁こと海里は重い病に掛かってしまった。
人々は悲しみに暮れた。 そしてもう一つの課題……。
手術か出産か
人々や店の跡継ぎ…。誰も彼もが悩んだ。
そんな中、彼女は言った
『手術をしても長くは生きられません。私達の子供を産ませてください。私の最期の願いです。』
彼は、渋々彼女の願いを了承した。
それから彼女は永遠の眠りについた。
二人の赤子を遺して。
彼は悲しみに暮れた。
最愛の人を亡くし、双子の成長を見届けなくてはならない。
人々はこう語っていた。
『花魁が永遠の眠りについてしまったが、産まれた赤子は双子のようだ。きっと花魁に似た八方美人の女の子二人に育つだろう。』
………残念だった。
この双子…。実は…
どちらも『♂』なのである。
花魁が居ない中、どう店を繁盛させればいいんだ…。
彼は考えた。色々な事があり、脳が混乱していたのかも知れない。彼はこう言った。
『女の子として育てよう!』