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ただ君といたかっただけ

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ただ君といたかっただけ

3 - 第3話 夏休みの始まり

♥

2,042

2024年02月18日

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7月20日

ついに夏休みが始まった。

忘れられない、夏休みが。

春奈

始まったぞーー!

春奈

なっつやっすみー!!!

冬乃

いえーーい!

春奈

と、いうことで

春奈

コホン

春奈

第1回夏休み女子会をここに開催する!

秋斗

いや俺女子じゃねーし

春奈

あきぽんは実質女子でしょ!

秋斗

バカにしてんのか

冬乃

あ春ちゃん見て!

冬乃

あそこのカフェって新しく出来たとこじゃない?!

春奈

ほんとだ!ふわふわかき氷のとこじゃん

秋斗

こら

秋斗

目的を忘れんなよ2人とも

秋斗

今日わざわざ早起きした理由は?

春奈

来週、夏樹の誕生日だからです!

冬乃

です!

秋斗

そうだよく覚えてたな

秋斗

で、プレゼントを買いに来たって訳だ

秋斗

お遊びできたわけじゃねーからな

冬乃

ちぇ、あきぽんのケチ

春奈

ね?変なところで真面目なんだから

秋斗

聞こえてんぞ

春奈

よーしまずはどこを回るんだったっけ

7月20日

その日は春ちゃんとあきぽんの3人で

1週間後が誕生日の夏樹のプレゼントを買いに来た。

私が買ったものは青く澄んだ綺麗なタンブラーグラス。

水を入れるとグラデーションっぽくて

ひと目見た時に夏樹を思い出した。

あと、お守りを買ったかな。

就職成就のお守りだ。

夏樹は進路について、ポロッと話したことがあった。

「俺は就職して、少しでもお金を稼ぎたい」

そう言ってたから、私も夏樹が就職できますようにって願いを込めて

お守りをプレゼントした。

夏樹は夏休みからバイトを始めて、私たちと遊ぶ日以外はシフトを入れていた。

3つ掛け持ちしてたし、3人でバイト先に遊びに行ったりもしてた。

バイトしてる夏樹かっこよかったな。

ということは、夏樹は今もバイトをしていることになっている。

春ちゃんたちは知ってるのかな

……なんでそんなにバイトをしてるんだろう

私はそこに引っかかった

なぜお金にこだわるのかも

私はまだ知らない

手紙も全て読めるんじゃなくて

一日ごとに文が書き足されているようだった

今読んでいるのが2枚目で、残りの3枚は白紙だ

3日置きに書き足されることもある

時々文字が歪んでたり、酷い時にはミミズが走ったような字で書かれている時もあった

未来で何が起こっているのか

私は知ることができない

こんなにも近くに未来を知る方法があるというのに

秋斗

冬乃?

冬乃

あ…ごめん、ぼーっとしてて

秋斗

夏バテしたかな

秋斗

今日暑いもんな

春奈

こまめに水分取った方がいいよね〜

春奈

近くのコンビニ行ってちょっと涼もっか

冬乃

賛成

秋斗

俺も眼鏡で日焼けしそう

春奈

もうメガネの形にくっきり日焼けしてるから手遅れだよあきぽん

秋斗

日焼け止めが足りなかったか…っ

夏樹

冬乃

春奈

秋斗

夏樹

お前ら…何しに来たんだよ

春奈

あたしらは冬乃が夏バテ気味だから涼みに来たんだよ!

春奈

まさか夏樹がここでバイトしてるとは思わないでしょ!

秋斗

それより夏樹、またバイト増やしたんだろ?

夏樹

うるせーな

夏樹

金が必要なんだよ

夏樹

てか冬乃大丈夫か?

冬乃

あ、うん…平気

冬乃

夏樹も大丈夫?

冬乃

絶対きついでしょ、?

夏樹

へーきだって

夏樹

心配すんな

夏樹

なっ?

ずるい

その笑顔をされたらなんでも許してしまう

その事を分かっている夏樹に腹が立つ

いつか倒れてしまいそう

こんなにもバイトを掛け持ちする理由が知りたい

…迷惑に思われるだろうか

手紙には何も書かれてないし

夏樹

お前ら、俺抜きで遊んでんのかー?

秋斗

今仕事中じゃねーの?夏樹くん

夏樹

わーってるよ

春奈

じゃ頑張って夏樹

夏樹

おう

冬乃

お疲れ様

夏樹

ありがとな

結局なにも聞けずに私たちはコンビニを後にした

春奈

とーりあえずこんなもんか!

秋斗

結構買ったな〜

冬乃

夏樹絶対おどろくよ

春奈

間違いないね

春奈

それにしてもお昼は焦ったなぁ〜

秋斗

だな

秋斗

またバイト増やして、夏樹大変そうだわ

前にいる2人の話に夢中になって聞くうちに

冬乃

なんで、夏樹ってあんなにバイトしてる…のかな

ポロッと声に出てしまった

春奈

……え?

2人は後ろにいる私の方を一緒に振り返って

お互い、目を合わせた

何か知っているのかな、もし知ってるのなら

未来の私の参考になるかもしれない

冬乃

な、何か知らない?

秋斗

……

秋斗

どうして気になるの?そんなこと

冬乃

…え?

春奈

きっと夏樹はあたしたちと遊ぶお金を稼いでくれてるんだよ!

春奈

これから夏祭りとかプールにも行くわけだし?

春奈

お金は絶対絡んでくるから

冬乃

そう、なのかな

冬乃

でもそこまで頑張らなくても……

秋斗

夏樹のしたいようにしてあげて

秋斗

これは夏樹の問題なんじゃないかなって俺らは思ってるからさ

冬乃

やっぱりあきぽん、なんか知ってるんでしょ!

秋斗

知らねーって

冬乃

でも夏樹キツそうだったよ

冬乃

私…

冬乃

私夏樹のとこ戻る!

春奈

え!?

春奈

ちょ、ちょっと冬乃!

冬乃

先に帰ってて!!

私は考えるより先に行動してしまう

後先のことなど考えられない

今はそこにあるものに集中したい

夏樹のことだけ考えていたい

そう思ってしまうのは、重いかな?

夏樹

困りますって

借金取り

もうこっちは半年待ってんだけど

借金取り

まだ返せねーのかよ、あ?

夏樹

あと1ヶ月待ってくれれば給料入るんで

夏樹

そのあとに絶対返します

夏樹

絶対、約束するんで

借金取り

あのな

借金取り

それ言われんの3回目なんだよ

夏樹

すみません

借金取り

すみませんで済んだらこんな事やってねーんだよ!

借金取り

とりあえず300万、今週までに持ってこい

夏樹

待ってください

夏樹

ほんと、本当に待ってほしいです

夏樹

そしたら少しずつ返します

夏樹

だからバイト先まで来るのはもうやめてください

夏樹

本当に、お願いします

借金取り

母親の借金肩代わりしてるらしいんだろうけど

借金取り

こっちも商売なんだよ

借金取り

俺ら充分待ったろ?

借金取り

残りの1000万、今すぐここで払ってもらってもいいんだぜ?

借金取り

なんなら自分の体の一部でも売って金に変えてこい

あぁ、もう

うんざりだ

なんで俺はこんな事までしないといけないんだ

知らない大人に頭下げて

生きていくためには金が必要で

遊ぶ時間削って働いて

俺は何をしてるんだ

何でこんなことしてるんだ

夏樹

すみま、せん…

借金取り

チッ、話にならねーな

借金取り

300万、今週中だからな

2つの足音が去っていく

地面に頭つけて土下座までして、もう疲れた

最近ろくに寝れてない

夏休みの課題だってまだやれてない

……

会いてえな

あいつらに

夏樹

うっ…

まずい、寝不足で頭が痛い

ダメだ……

だんだん、

目が……

夏樹

ん…

意識が戻った

どうやら俺はあのまま寝てしまったらしい

だけど妙に頭の部分が柔らかくて

いい匂いがした

冬乃

あっ、起きた?

夏樹

……

夏樹

………

夏樹

冬乃

大丈夫?

冬乃

偶然通りかかったら倒れてる人がいたから

冬乃

見てみたら夏樹で…

夏樹

あ、あぁ…

冬乃

ほんとに心配したんだから!

冬乃の声がする

いや、冬乃だ

冬乃がいる

まさか、この柔らかいのって冬乃の足?

夏樹

うお!!

ゴッ!!

驚いた俺は勢いよく起き上がってしまって

冬乃とぶつかってしまった

冬乃

いっ…たぁい!

夏樹

ごめ、まじでごめん!

夏樹

でも俺びっくりして

冬乃

それよりおでこ痛いんだけど!

夏樹

わりい

夏樹

おでこ見せて

冬乃を傷つけて焦って

手で冬乃の前髪をかきあげた

夏樹

わりぃ…痛かったよな

冬乃

……

夏樹

冬乃?

冬乃

か、顔近い…

夏樹

こうしないと見えないだろ?

冬乃

それはそーだけど

冬乃

〜〜っ

冬乃

もう大丈夫!治った!

夏樹

嘘つけ

夏樹

暗くてあんま見えないけど、血は出てねえな

夏樹

よかった…

安心して、ベンチに座っている冬乃の前にペタっと腰を下ろした

冬乃

ねえ夏樹

少し時間を置いて冬乃が口を開いた

冬乃

どうしてそんなに無理してるの?

不安そうな声でそう言われた

無理、か

冬乃になら

冬乃になら話してもいいんだろうか

転校して一目見たときから

可愛いと思ってしまった

夏に降る雪のように

特別な存在感を放つ冬乃を

守りたいと思い始めたのは

いつからだったろうか

夏樹

冬乃

夏樹

俺は、

夏樹

俺は実は……

捨てられた…

捨てられた!!

あの人に捨てられた!!

どいつもこいつも嫌い!

あんたも!!

あいつも!!

ねえ夏樹

私はなにが間違ってた?

教えて

教えてよ

……あんたもあの人が正しいと言うの?

……

そう

じゃあもういい

早く消えて

夏樹

…っ

冬乃

夏樹……?

夏樹

…いや、

夏樹

ごめん

夏樹

なんでもない

冬乃

なんでもないわけないよ

冬乃

私に話して、

冬乃

夏樹が背負っているもの、私にも背負わせて

冬乃

私たちはいつだって夏樹のそばにいるから

夏樹

……

夏樹

ごめん

夏樹

大丈夫だよ俺は

冬乃

夏樹…

無理だ

言えない

君のような優しい人に

背負わせられない

夏樹は4人家族だった。

だけど母親は精神疾患を患ってしまって

介護をせざるを得なかった。

とある日

父親は夏樹と母親、夏樹の妹を家に置いて

どこかに行ってしまった。

愛する人がいなくなった母親は

多額の借金を残して

この世とお別れしてしまったという。

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