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#シクフォニ夢小説
紫桜。@低浮
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俏亜
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#LAN愛され
結愛 おバカな人
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コメント
1件
おお、第1話読んだわ…! なつが公園で衰弱したらんを見つけて、迷わず家に連れて帰るところからもうグッと来た。傷だらけで声も出せないらんに「兄弟になろう」って直球で言うなつの優しさと図太さ、最高だわ。六奏家の兄弟たちが自然に受け入れてくれたのも温かい。らんが初めて「美味い」って表情を見せた場面、じんわり来たな…続きが気になる🔥
キィ、キィと音が響く公園。
なつ
公園のブランコで揺れていた長い髪の少女との出会いは、この時だった。
ボロボロの元は真っ白だったのだろうワンピース一枚に、手入れのされていない長い髪。
前髪だけはピンク色で、ピンク色の両目を持つ、痣だらけ傷だらけの少女。
なつ
?
なつ
少女に近付き、ゆらゆらと揺れていたブランコを止めて少女の手を掴む。
なつ
なつ
手を引けば少女は抵抗をせずに立ち上がり、少年に引かれて歩き始めた。
六奏家。警察官の父と、医者の母の間に生まれたのは五人の兄弟。
長男は大学一年生の すち。 次男は高校二年生の いるま。 三男は中学一年生の みこと。 四男は小学四年生の なつ。 五男は小学一年生の こさめ。
両親は他界しており、親戚の援助を貰いながら五人で暮らす家に突如 なつ が連れて来たのは手入れのされていない長い髪を持つボロボロの少女だった。
いるま
いるま
なつ
なつ
両親の居ないこの家では、兄弟それぞれが自分の出来る事をして支え合っている。
そのためか反抗期があっても無いも同然だった。すち は無かったが、いるま はあっただろう。そして みこと は無い。
いるま
すち
いるま
長年風呂に入っていないと言う事では無いだろう。
泥や汗の匂いはするもののそこまでくさくはない。
一番匂いがキツいのは、血の匂いだ。
いるま の問いかけに少女は答える様子は無く、感情の欠如した表情と瞳でジッとこちらを見つめて来る。
いるま
なつ
なつ
いるま
いるま
なつ
なつ
確かにそうだろうけれど、相手は何処の子供かも分からないのだ。
流石に知らない家の大人と風呂に入るのは、他所の女の子的にどうなんだろうか…。
なつ
すち
すち
なつ
なつ
すち
まぁ何だ、泥や埃を落とすために必要な事なのだ。
流石に なつ くらいの年代の奴ならば嫌がりもし無いだろうと任せる事にした。
いるま が二人分の服を脱衣所へと持って行き、すち は夕食作りを続行。
あれだけ痣だらけ傷だらけならば痛がって風呂場の方から悲鳴が上がるかもと言う予想は見事に外れた。
服を着た なつ とバスタオルを巻いた状態の少女が戻ってきて、リビングへ。
なつ がカーテンを閉めて少女のバスタオルを剥いだ。
すち
なつ
なつ
すち
なつ
いるま
パンツ一枚だけになった少女…もとい少年の体中は痣だらけ傷だらけ。
だと言うのに顔には一切傷が付いていない。
可愛らしい顔をしている上に髪が長いので少女だと思っていたが、実際には少年だったらしい。
夕食作りの手を止めた すち が救急箱を持って近付く。
年齢としては五歳から六歳くらいだろうか……大体末っ子の こさめ と同じくらい。
すち
?
すち
?
すち
?
駄目だコレ。最早 すち は苦笑を零してしまっている。
会話は難しいと判断した様子で諦めて すち が少年の傷の手当をしようとすれば、なつ がすると言うので すち がこうして…と指示を出しながら治療を終える。
絶対に痛いはずだろうのに声を出す事も無く表情を崩す事も無かった。
すち
いるま
すち
こういう時、母がまだ生きていたなら、と思わずにはいられない。
治療を終えた なつ は傷にあまり触れない様に こさめ の洋服を着せ、またソファに座らせる。
それが終わると、なつ はキッチンへと走っていった。
すち
先ほどから声を発した人の方に視線は向けているので聞こえていない訳では無いのだろう。
だが、やはり人形の様に表情を動かす事も無く、自分から行動する事も無い。
キッチンへ行っていた なつ が水の注がれたコップを持って戻って来た。
なつ
なつ
数秒見つめていたが、自分から両手を上げてコップを受け取った。
良かった、自立行動が出来ない訳では無い様だ。
コクリと喉を鳴らして二口程飲んだ少年がコップを なつ の方へと向ける。
残りの水は なつ が飲み干してテーブルに置いた。
なつ
なつ の問い掛けに、なつ を見つめながら小さく頷いた。
なつ
コテっと首を傾げる。
そう言う訳では無いが、違うとも言いきれないと言った様子。
すち
次に すち が質問をすれば、きちんと すち の方を見るが首を横に振る事も縦に振る事もしない。
すち
やはり見つめるだけで反応する素振りも無い。
なつ
次に なつ が問いかければ、そちらを向いた少年が数秒の間の後に小さく頷いた。
すち
すち
すち が察した様に、いるま も なつ も察した。
これは、なつ に少しだけでも心を開いたのだ。
なつ
?
なつ
?
なつ
なつ
?
ここに居てもアレなので、すち と いるま は夕食づくりに戻る事にした。
何から質問をするか……。
自己紹介が先だろうか……。
考えて居れば、まだ質問もしていないのに左手にペンを持った少年がスラスラと文字を書いていく。
?
なつ
なつ
?
なつ
なつ
?
お風呂が温かかった…?
普通は温かいはずだけれど……。
なつ
なつ
?
なつ
らん
なつ
らん
身長や体格から自分よりも年下かと思っていたがもしかしたらそうでは無いのかもしれない。
同年代か、少し上くらいだろうか?
漢字も良く知っているし、丁寧な口調を書く。
なつ
風呂と手当が痛かったのなら声を出しても可笑しくはない。
表情を崩しても可笑しくはない。
だと言うのに泣くことも無く、人形の様に感情を無くしていた。
らん
なつ
らん
なつ
らん
あー、なるほどね。やっぱり家庭内暴力を受けていたらしい。
なつ
らん
なつ
らん
なつ
なつ
不意に顔を上げた らん がパチリと瞬いて なつ を見つめる。
声を聞いた訳では無いものの、それでも自分が好きなものを否定されたくない なつ は、相手の好きなものを否定する事はしない。
なつ
らん
なつ
数秒考えた後、フルリと小さく首を横に振った。
なつ
らん
らん
らん
らん
らん
なつ
らん
らん
結構酷い家庭環境だ。
さっき会うまで他人だった らん の両親に殺意が湧いてくる。
らん
らん
コレ家庭内暴力と育児放棄もしているんじゃないか…?
らん
らん
なつ
なつ
らん
なつ
ペンを置いて立ち上がった らん の手首を掴まえれば、人形の様な表情と瞳で なつ を見下ろしてくる。
感情を表に出さない様になるまで追い詰められた孤独な子供。
なつ
すち
なつ
すち
すち
なつ
なつ
え…、と微かにと息だけだが、らん が声を発した。
なつ
らん
なつ
なつ
なつ
視線を彷徨わせた らん が再び座ってペンを持ちメモ帳に文字を連ねていく。
らん
なつ
らん
なつ
なつ
キッチンで夕食を作っている すち にもう一度声を掛ける。
すち
すち
いるま
すち
すち
すち
軽々しく言っている様に聞こえるが、なつ は本気で兄弟に迎え入れようとしている。
両親の記憶はあまり新しくないがどちらも優しい上に子供好きなので、喜んでおkする事間違いなしだろう。
すち
すち
いるま
いるま が手を洗ってキッチンから出ていく。
その様子を見ていた らん が再びメモ帳に文字を連ねた。
らん
なつ
なつ
傷の無い顔…頬を撫でれば、瞳を瞑った らん の人形の顔がほんの少しだけ崩れて、口元に笑みを作ったような気がした。
なつ がメモ帳を見せても良いかと言う問いかけに、少し渋ったけれど頷いてくれたので、すち、いるま、みこと の三人が確認する。
これは……こさめ に見せても漢字が多すぎるので理解出来ないだろう。
一先ずは全員で食事の並んだテーブルを囲む様にダイニングチェアに腰掛けて座った。
すち いるま こさめ らん みこと なつ
すち
すち
いるま
みこと
なつ
こさめ
メモ帳を見たので既に らん の名前は知っている。
割と教養がありそうだが、果たして らん は何歳なのか。
らん
なつ
にしては幼過ぎる。そもそも9年も毒親の元で良く育つことが出来たなと称賛もの。
いるま がメモ帳を すち に渡せば、対面に座っていた すち、こさめ、みこと もメモ帳の内容を見る。
こさめ
すち
こさめ
いるま
いるま が声を掛けるがやはり頷かない。
それでも声から誰が話しているのかはすんなりと理解出来た様で、いるま を見つめていたので、聞こえてはいただろう。
すち
すち
いただきます
らん 以外が両手を合わせて言葉を重ね、そうして夕食を摂り始めた。
だが、らん だけはやはり人形の様な状態のまま動く事は無く、なつ をジッと見つめている。
なつ
らん
ジッと見つめていた らん は手元のメモ帳とペンに視線を落とし、そうしてスラスラと文字を書いていく。
らん が左利きなので綴られる言葉は いるま からは丸見えだった。
らん
いるま
いるま が先に反応をし、なつ がメモ帳を見せられて いるま と同じような反応をした。
さて、だとすればどうするべきだろうか。
なつ
少しだけ考え込んでいた なつ が茶碗と箸を置いて、らん 用に作った雑炊に手を伸ばす。
お椀を持ってスプーンに一口分掬い、ふぅ、と冷まして食べた。
なつ
すち
なつ
なつ
らん
メモ帳は すち に回して内容を確認させて置き、一先ず らん 以外の面々が食事の手を進めていった。
五人は談笑しながら食事を進めていた。
らん は なつ が大丈夫だったら食べるだろう。
と思っていれば、不意に服の裾を掴まれる。
なつ
ジッと らん が見つめているのは なつ。
…では無く、なつ が箸で掴んでいる本日のメニュー、生姜焼き。
なつ
らん
なつ
なつ
小さく開かれた口に生姜焼きを食べさせる。
モグモグと咀嚼をするので、きちんと食事は摂っていたのだろう。
まぁ断食させられたりした事もあったみたいだけれど……。
ゴクリと飲みこんだ様子を見ていれば、パア、と瞳をキラキラさせた。
なつ
らん
すち
すち
すち の言葉には反応を示さなかったが、ペンを手に取ってメモ帳に文字を書き記す。
らん
すち
すち
すち
スッと、書いた文章を すち に向ける。意思疎通はこれからして行けそうだ。
少し手間は掛かってしまうけれど。
不意にこちらを見て、首を傾げる。
なつ
なつ
なつ
らん
そりゃ文字数が多ければ多い程、書くのも大変になって来るから助かるだろう。
それからペンを置いた らん は漸く雑炊に手を付け始めた。