テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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LINE１３４１

第1話 - あ

2023年11月21日

#スカッと

タナカトシキ

ミカ

マチコ

ミカ

あのさ、ちょっとお願いがあるんだ

マチコ

うん、どうしたの？

ミカ

あのね、今度、学校で修学旅行の資金の集金があるじゃんね

マチコ

うん、あるね

ミカ

そのお金をね、少し貸してほしいんだ

マチコ

え？

マチコ

修学旅行の旅行代、今回は5万円だよね？

マチコ

合計で10万だけど、2回の分割で今回は5万か...

ミカ

やっぱり、さすがに金額的に大きいよね

マチコ

いや、別に大丈夫だよ、私は

ミカ

本当！？

ミカ

そしたら、お願いしてもいいかな...？

マチコ

う～ん...なんとか理由作って、親に頼んでみるよ

ミカ

ありがとう、ほんとごめんね

マチコ

いいよ、大丈夫

マチコ

またミカのお父さん、何かしたの？

ミカ

なんか、競馬で負けちゃったとかなんとかで、お母さんと喧嘩してたの

ミカ

それで、修学旅行のお金に5万円も出して、ってお願いできる雰囲気じゃなくてさ

マチコ

なるほどね～

マチコ

大変だったね

ミカ

本当に...大変だよ...

ミカ

お父さんも、全然キャンブルやめてくれなくてさ

ミカ

そのうち、手の追えないことにならないといいけど

マチコ

まあ、困ったらいつでも私に言ってよ

マチコ

助けれるときは、助けたいからさ

ミカ

ありがとう

ミカ

こんなこと頼めるの、マチコくらいだよ

マチコ

いいんだよ

マチコ

遠慮しないで

マチコ

修学旅行はさすがに、みんなで行きたいし

マチコ

ミカだけお金がなくて行けない、って言うのは私もつまんないし、嫌だからさ

ミカ

私も、みんなと修学旅行、行きたいよ

ミカ

ありがとう、助けてくれて

マチコ

うん

マチコ

楽しみだね

マチコ

そしたらさ、今度の修学旅行の班行動の計画を立てようよ

ミカ

そうだね

ミカ

その方が、旅行前のテスト勉強もモチベーション上がるよね！

マチコ

うん、絶対上がる！

マチコ

あとさ、ミカにちょっとお願いがあるんだよね

ミカ

何？

ミカ

いつもマチコに助けてもらってばかりだし、私もマチコの言うこと聞きたいな

マチコ

そう言ってもらえると、嬉しいよ

マチコ

あのね、実は私、カイト君に告白しようと思うんだよね

ミカ

本当に！？

マチコ

うん...この修学旅行中に、直接会って言おうと思うの

ミカ

そっか～

ミカ

今までなかなか、言いたくて勇気出ない、って言ってたもんね

マチコ

うん...今も、あんまり自信はないんだけどね

マチコ

だって、カイト君すごくモテるし、周りの女の子にもフレンドリーに接するからさ

マチコ

私だけ特別に思ってくれることなんてあるのかな...って不安なの

マチコ

それで、ミカに私のこと応援して欲しいんだよね

ミカ

もちろん、応援するよ！

マチコ

ありがとう

マチコ

やっぱり、ミカは一番の友達だよ

マチコ

ありがとうね

ミカ

どういたしまして

ミカ

それで、いつ告白するかは決めてるの？

マチコ

えっとね、２日目の夜に花火が上がるらしいじゃん？

ミカ

うん、そうだね

ミカ

近くの川辺で毎年、この時期になるとあげるらしいね

マチコ

その花火大会の時に告白したら結ばれる、っていうジンクスがあるらしいよ

ミカ

へ～そうなの？

マチコ

じゃあ、タイミングはその時がいいね

マチコ

うん

ミカ

それで、私は何をしたらいいの？

マチコ

何かしてほしい、って言うよりかは、不安になったら電話したいんだ

マチコ

その時に、電話してほしいだけなんだよね

マチコ

いいかな？

ミカ

もちろん！

ミカ

何分でも、何時間でも...

ミカ

マチコの気が済むまで電話するよ

マチコ

話すと、なんか安心するんだよね

ミカ

その気持ち、なんかわかる

ミカ

じゃあ、マチコが上手く行きますように...って修学旅行の間、ずっとお願いしとく！

ミカ

何なら、バスを待ってる時とか、自由行動の時間とかにも、

ミカ

カイト君がどこにいるのか、教えるね！

マチコ

本当に、いいの？

ミカ

いいよ！

ミカ

だって、マチコが上手く行ったら、私も嬉しいから

ミカ

うまくいくといいね！

マチコ

うん...そう願ってるよ...

ミカ

じゃあ、明日の修学旅行の計画、ショッピングモールのフードコートとかでやる？

ミカ

そしたら、必要なものをその時に帰ると思うし

マチコ

いいね！それ！

マチコ

そうしよ！

ミカ

じゃあ、いつも行くショッピングモールのフードコートで待ち合わせしよっか

マチコ

うん！

マチコ

じゃあ、１０時でいいかな？

ミカ

うん、それぐらいがいいね

ミカ

じゃあ、明日の１０時にいつものところね～

マチコ

了解！

～翌日の夜～

ミカ

マチコ、今日は買い物付き合ってくれてありがとう

マチコ

私こそ、ありがとう！

マチコ

最近、全然2人で遊べてなかったから、すごい楽しかったよ

ミカ

いろんな話、沢山できたし...よかったね！

ミカ

カイト君にも偶然会えちゃったしね！

マチコ

私がトイレ行ってる間に、来てたなんて...

マチコ

もっと沢山話したかったな...

ミカ

私が適当に話題ふって、マチコが帰ってくるまでに話伸ばしておいたんだよ

マチコ

ほんと、気がきくね！

マチコ

それで、カイト君の服の好みも聞いてくれたんだね

ミカ

そうだよ～

ミカ

マチコがいない時だったけど、これだけは聞いておいた方がいいな、と思ってさ

ミカ

そしたら、パンツスタイルが好き、って言ってたからね

マチコ

今日、色んな服屋さんのパンツ見れてよかったね

マチコ

当日は、しっかり着こなせるように今から研究するよ

マチコ

２泊３日だけど、きっとあっという間だろうし...

マチコ

アピールできるように...頑張らないと！

ミカ

そうだよ！

ミカ

イベントの前後でカップルは急増する、っていうし...

ミカ

マチコとカイト君も、きっとそのうちの１組になるよ！

マチコ

そうなると、いいな...

マチコ

気持ち伝えるのはすごい、怖いけど...

マチコ

でも、後悔もしたくないし、私頑張るよ！

ミカ

うん！そうだよね！

ミカ

自分の納得のいくように、頑張ってみてよ

ミカ

修学旅行の日程も、カイト君の班のルートとほぼ同じにできたしね...

マチコ

カイト君の班のルートまで聞き出してくれるなんて...

マチコ

本当に、ミカって色んな所に気を配れるよね

マチコ

そんな人、なかなかいないよ

ミカ

そうかな？

ミカ

誰か他の班の人に聞くのもありかな、と思ってたんだけど...

ミカ

それよりも、直接聞いた方が口で伝わって、マチコのアピールになるかな、

ミカ

って思ったんだよね

マチコ

なんだ、そういうことか～

マチコ

なんか、後ろから見てたら、すごい仲良さそうだったからさ

ミカ

ごめん！勝手に色々話進めちゃって...

マチコ

そんな、変に謝らないでよ～

マチコ

私、自分からはなかなか聞けないからさ

マチコ

本当に、ありがたいよ

マチコ

ありがとう

ミカ

いつでも、困った時は頼ってよ

ミカ

お互い様だからさ

マチコ

うん、頼るね

ミカ

そしたら、花火の日は頑張ってね！

ミカ

応援してるからさ

マチコ

うん、頑張る！

～修学旅行２日目の夜～

マチコ

ミカ...ちょっと、話があるんだけど

ミカ

マチコ?

ミカ

カイト君とはどうだった？

マチコ

あのさ、カイト君に今、気持ち伝えてきたの

マチコ

そしたら、俺はミカちゃんが好き、って言われた...

ミカ

え？

マチコ

ショッピングモールで会った時、好きなをミカから服聞かれた時、

マチコ

本当はスカートのスタイルが好きだけど、ミカがパンツスタイルだったから、

マチコ

パンツスタイルが好き、って答えただけだ、って...

マチコ

ミカ、まさかカイト君の気持ちに気づいて、近づいたんじゃないの？

ミカ

まさか！

ミカ

そんなわけないじゃん！

マチコ

嘘！

マチコ

ミカの言うことなんて、私は信じられない！

ミカ

そんなこと言われても...違うものは、違うんだもん...

マチコ

最低だよ...友達だと思ってたのに...

マチコ

こんなことになるなら、私ミカの友達やめる

マチコ

明日から、もう話かけてこないで

ミカ

は！？

ミカ

ちょっと待ってよ！

～翌日～

ミカ

ねえ、いくら何でも、無視はひどすぎるんじゃないの？

ミカ

今日、掃除当番だったのに、私に押し付けて先に帰っちゃうなんて...

ミカ

最低すぎるよ

マチコ

最低なのはどっち？

マチコ

実は心の中で、私のことバカにしてたんでしょ！？

ミカ

そんなわけない！

マチコ

口だけなら、何とでも言えるもんね...

マチコ

少しの間、連絡もしてこないで

マチコ

じゃあね

～翌日～

カイト

ねえ、マチコ

マチコ

カイト君！？

マチコ

どうしたの？

マチコ

カイト君から連絡くれるなんて...すごい珍しいよね！

カイト

どうしても、聞きたいことがあったから急いで連絡した

マチコ

聞きたいこと、って？

カイト

マチコ、俺のことみんなになんて伝えてんの

マチコ

え？なんて、って...？

カイト

いろんな女子に手を出して、女癖が悪い最低な奴だから、彼氏ができないんだよ、とか？

カイト

呟いてたらしいじゃん

カイト

なんで？

マチコ

えっと...それはね、ちょっと事情があってね...

カイト

同様してるってことは、まさか、あの噂は本当だったの？

マチコ

噂、っていうのは何の噂？

カイト

俺がミカちゃんが好き、って言った途端に、俺にも仕返しようとしてる、ってこと噂

マチコ

え？何でそうなるの？

マチコ

そんなわけないよ！

マチコ

そうなの？

カイト

でも、マチコ、って.好きな人が被るとどんな手を使ってでも仕返しするらしいじゃん

マチコ

え？何それ？

マチコ

誰から聞いたの？

カイト

SNSの学校の裏アカウントで、誰かが投稿してた

マチコ

え！？うそ！？

マチコ

誰がそんなでたらめ...！

カイト

でも、最近マチコってミカちゃんのこと無視してるじゃん

カイト

今日だって、話しかけられても聞こえないふりしてたでしょ？

マチコ

それは、きっと気のせいだよ...

マチコ

だって、私とミカは一番の親友、ってお互いに思ってるから

カイト

それ、本当なの？

カイト

俺には、そんな風に見えたことはないんだけどな

マチコ

本当に...ミカは私にとって一番の友達だし、

マチコ

ミカのためならなんだってするもん

カイト

何だってするの？

マチコ

そりゃ、そうだよ

マチコ

女友達、ってそういうものだもん

カイト

なんか、聞いてることと全然違うな～

マチコ

聞いてること？

カイト

もしかして、裏アカウントのことって知らない？

カイト

投稿でマチコがミカちゃんに、修学旅行の時に言ってたこと、動画になって投稿されてるよ

マチコ

えっ！？何それ！？

カイト

「友達の好きな人取るとか最低」とか「諦めてくれないなら友達やめる」とか...

カイト

マチコにとって、友情ってそんな簡単に切れるものだったんだね

マチコ

違うよ！それは、単に勢いで言っちゃっただけなの

マチコ

そろそろ、ミカに謝って仲直りしようとしてたところだから...

カイト

え？ほんとに？

カイト

そんな感じには、全然見えなかったけどな

マチコ

本当に、仲直りするから心配しないで...

カイト

まあ、マチコの噂についてはもうおさまらないと思うけどね

マチコ

え？噂って...なんのこと？

カイト

自分の恋愛がうまく行かなかったら、友達も捨てるような最低な女、って言う噂

マチコ

へっ！？

カイト

一度謝っても、投稿とかカ聞き込みは誰かに再投稿されたらなかなか消えないからね

カイト

マチコの黒い顔は、長い間残るかもね

カイト

これから学校生活、どうなるんだろうね？

マチコ

うっそ...

マチコ

そんなこと、ある？

カイト

見え張ったのが悪かったんじゃない？

カイト

まあ、自業自得だと思って、よく反省しなよ

～後日談～

ミカ

それから約2カ月の間、マチコは同級生から怒ると豹変する、という噂を立てられてしまい、

ミカ

ほぼ１人でいることが多くなっていました

ミカ

また、私はマチコとはほぼ絶縁の状態になってしまいましたが、

ミカ

何度か気盛を伝えてくれたカイト君の気持ちに応えようと決め、付き合い始めました

ミカ

これから新しい思い出を沢山作って行けるのが本当に楽しみです

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タナカトシキ

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