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L

⋯⋯⋯⋯は?

L

⋯ッいや、そんなわけないじゃん

L

今もラインして⋯⋯

L

(あれ、でも)

最近、会う約束してなくない⋯?

ラインも、アニメの話がメインで、

おばあちゃんの容体も

ほとけっちが今なにしてるかも

L

(りうら、なんも知らなくない⋯?)

『ねえ、もしかして ほとけっちじゃないの?』

いつも通り、すぐに既読がつく。

L

(なんでッ、返事ないの⋯ッ?)

『悪い、りうら』

L

ッ――!!

ああ、

ほとけっちじゃ、ない

きっと、アニキだ。

アニキがほとけっちのふりして⋯ッ

⋯って、ほんとは分かってたんじゃないの?

会話の内容も、

きっと他の人には分からない 言葉の言い回しも

ほとけっちっぽくない って薄々感じてた。

だって、“あの時”から

ほとけっち謝ることなんて ほとんどなかった。

L

(それなのに、)

L

(最近のほとけっち、
 謝ってばっかだった⋯ッ!)

おかしい って、 心のどこかで思ってた

それでも、見ないふりしたのは りうらじゃん⋯っ

りうらはその場にしゃがみ込む。

ほとけっちを失った絶望と自己嫌悪で、

あたまの中がぐちゃぐちゃになる。

心臓が苦しくて、 上手く呼吸ができなくて

今にも泣き出しそうな心とは裏腹に 目は感情を映すことなく乾いていて

画面越しのアニキの優しさも、

背中を撫でるないくんの手も、

優しくりうらを責め立てるようで 居心地が悪い。

L

(なわけないじゃん、)

そう言い聞かせても 頭は知らぬ間に心を責める。

L

ちがうッ、ちがうッ⋯

だって、りうらは何も悪くない

ほとけっちが死んだのは――

⋯⋯⋯ほんとに、 りうらのせいじゃない?

S

りうちゃんの゙せいや゙!!!

もう動かなくなったほとけっちに 突っ伏した初兎ちゃんが大声で叫ぶ

霊安室の外、廊下の窓を雨が打ち付ける。

L

りうらの⋯せい⋯⋯?

S

いむくん゙は!いむ゙くんの病気は!!治ってな゙かっだ!

S

せやのにッ、りうちゃんがっ⋯⋯

S

ッりうちゃんがおらんかったら゙!!

S

いむくんと出会ってへん゙かったら゙!!!
いむくんは!今もまだ生きでたのに゙ッ!!

S

りうちゃんがいむ゙くんを殺したんや!

S

全部、ぜんぶ、りうちゃんの⋯っ

Y

初兎、それ以上は言ったらあかん

力なく俺を叩く初兎ちゃんをアニキが制止する

L

俺が、ほとけっちを⋯

殺した

殺した

殺した殺した殺した殺した殺した殺した 殺した殺した殺した殺した殺した殺した 殺した殺した殺した殺した殺した殺した

りうらが⋯

L

ころした

足が、自然と屋上へ向かった

Y

おいりうら、

立ち止まることなく歩き続ける

Y

ちょっと待てって!!

アニキの手が俺の腕を掴む

L

⋯⋯なに?

Y

ッ⋯!

Y

(こわ、目死んでるやん⋯)

Y

っあのさ、さっき初兎が言ってたこと⋯

L

ああ、大丈夫。全部知ってたから

L

ぜんぶ、俺のせいだって

グイッ、ドンッ

Y

ッちがう!!

Y

りうらのせいやない

Y

それにりうらはなんも分かってへん

Y

勝手に、分かった気になんな

L

⋯いいよ、別に。

L

俺のことなんて気にしなくて

アニキの手を振りほどいて屋上に出る

バンッ、ガチャ。

さっきよりも強くなった雨が 俺の体を冷たく濡らす。

空は雨雲に覆われて真っ暗

Y

なありうら、

L

⋯⋯なに

Y

別に開けんでもいいからさ、聞くだけ聞いて

L

⋯⋯⋯⋯⋯

Y

あのな、ずっと病気やってんあいつ。

Y

見つかったんは小学校低学年の時。

Y

COPD―……慢性閉塞性肺疾患
っつー肺の病気

Y

もうちょっと先に見つかってたら
治ってた。けど、基本的には
軽くはなっても治らんやつ

Y

とりあえず、治療のために
地方の病院に入院して、
その都合で家族で引っ越した

Y

って言っても、俺らも仕事とか
学校とかあるから、ずっと一緒には
いてやれんかったけど

L

(……じゃあ、入院中…ずっと、
 独りだったってこと?)

独りぼっちの気持ちは、ちょっとわかる。

“寂しい”って思えるうちは大丈夫。

でも、それが当たり前になってくと、 1人でいることに何も感じなくなる。

その代わり、生きる意味を見失って

凍てつくように冷たく、 締められるように苦しい心臓は

なにも感じなくなった心に、

満身創痍な体に訴えてくる。

死にたい

ついに心臓は心を壊し、

壊れた心は精神を破壊し、

居場所を失った心臓は

どうしようもなく、止まろうとする。

L

(つらいよね、わかるよ)

りうらのは、ほとけっちが感じた孤独の 何十分、何百分の一くらいかもしれないけど。

Y

そんで中学に上がる頃、治療も
症状もある程度落ち着いたから
家族で2泊3日の旅行してん

Y

もともと外で遊ぶん好きやったし、
病室から見える以外の景色も
楽しんでくれると思った。

Y

……けどほとけ、その旅行中…一回も笑わんかってん

L

え……

あの、いつもヘラヘラ 笑ってるほとけっちが…?

…まあでも、そりゃそうか。

Y

それまでも、近場で遊びに
行くことは何回かあってん

Y

そんときはまだ
楽しそうやったしあんま
心配してなかってんけど…

ガチャ、キィ…

Y

あ、開けてくれた

L

…初兎ちゃんは、知らなかったの?

Y

…、心配してほしく
なかったんやろ

Y

初兎には、ただ引っ越しただけ
って、伝えられた

Y

とはいえ、いつになっても
会える目途もつかんから流石に
なんかおかしいと思ったんやろうな

Y

俺らも隠し切れんから、
入院してること伝えてん

Y

ッやから…ほとけがこっちに
帰ってきた時点でもう病気が
治ったもんやと思ってたんやろ。

Y

治らんってことは、
言ってへんかったから…

L

ッじゃあ、なんで
ほとけっちは退院したの?

L

治ってないのに、
退院したわけじゃないよね…

Y

……いくら入院しても、
回復するどころか副作用の
せいでどんどん悪化していった。

Y

それにつれて薬は
強いものになって、
副作用がきつくなっていって

Y

…もう、ほとけの身体はボロボロやった

Y

だから、このまま一生病院で
過ごして死ぬより短いとしても、
外で、自由に生きたい

Y

って、ほとけが言ったから

Y

薬だけもらって、退院して戻ってきてん

L

⋯っああ。そ、っか⋯⋯

だからほとけっちは、

『僕、みんなと仲良くなりたいんだよね』

でも、そう願う気持ちと裏腹に

生きることを諦めた心臓が ほとけっちにあんな顔させたんだ、

L

(ふとした時、今にも消えて
 しまいそうな顔をしてたのは、
 そういうことか)

L

⋯⋯結局、ほとけっちを殺したのは俺なんじゃんッ、

Y

ちがう、まだ話の途中や

L

だって俺がほとけっちに
無理させたからッ⋯

Y

りうらがどう受け取るかは
知らんけど、俺は
そんなことないと思ってる

L

なんでそんなこと言えるわけ⋯っ

Y

ある日な、ほとけがめっちゃ
嬉しそうに帰ってきてん

Y

学校でなんかあったんか
と思って聞いてみたら、

『大切な人ができた』

Y

って、最初は意味わからんかってんけど、w

Y

今日は一緒に昼ご飯食べたんだ〜とか、
服選んでもらった~とか、
歌が上手くて〜とか

Y

りうらのこと、めちゃくちゃ
楽しそうに話すねん

Y

初兎が学校行くようになってからも
初兎と、りうらのことばっかり。

Y

だから、付き合った次の日とかも
家帰ってきてから
ずーっとそのこと言ってて、

Y

⋯っでも、それと同時に失う
辛さもちゃんと感じてた

Y

それでも、りうらと一緒におったんは

Y

りうらの隣が、ほんまに
好きやったんちゃうか。

Y

そんで、それはほとけ自身が
選んだんやからそのことをりうらが
自分責めても、なんにもならん

Y

ていうか、むしろほとけを
否定することになるけど

L

ッなにそれ、

L

勝手に選んで、勝手に死んで、
恨ませてもくれないとかッ⋯

糸がプツリと切れたように 目から涙が零れていく

Y

っ⋯これを言うんは、
りうらの負担にもなるし
ずるい、って分かってるんやけど、

Y

ッ⋯りうらには、
ほとけの分まで生きてほしい

アニキの手が、座り込んだ りうらの肩に置かれる

L

ズッ⋯グスッ、ん⋯うん、

りうらにくらい、 話してくれてよかったのに。

どうせ、心配かけたくなかったから

とか、笑って言うんだろうな、

L

っほとけっちのばか、

でも、

L

だいすきだよ

雨雲が晴れ、月光が挿す空に呟いた。

❧ First Love ❧ ▷▶ End

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