シクフォニ十二支

今まで考えてこなかった180°違う意見に、全員が困惑する

思ったよりも大きな声が出た。 俺の勢いに少し驚きながらも質問に答えてくれる

…なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだろう

ないこさんが襲われた時点で絶対にあの６人がやったものだと思い込んでいた

あいつらは俺らを許してくれていたのに…

罪悪感がこみあげてくる

他のみんなも、似たような表情だ

戻ってくるや否や、布団に飛び込む

部屋の外

色々あってお墓に着きました

お線香の本数は宗派やご家族の習慣によって変わりますが、今回は束にさせていただきます

ﾎﾞｯ

なつの指先から出た炎が、ゆっくりと線香に近づき柔らかく火を点ける

みんな、元気にしていますか？ 最近なかなか会いに来れなかったね

遅くなったけど、あの時のこと、許してくれてありがとう まだ隣にいられた時に言うべきだった、ごめん

俺らは今、人間界を襲った奴のことを追ってる 十二支の名にかけて、必ず犯人を見つけ出すから、待ってて

次に来る時は、犯人を捕まえた後の勝利の宴だよ！

最後に、少しだけ触れたくてお墓を手でなぞる

その瞬間＿

ｶﾁｯ

指先に何かが触れ、発動する。 攻撃かと思ったが、目の前に現れたのは、映像だった

そう、この映像は他でもない俺らの幼少期の日常を納めた動画だった

その中にはもういないはずの６人もいて、一緒に笑い合っていて

不意に温かい何かが頬をつたった

見ると、みんなもそうだ 声は出さずとも目からは大粒の涙が流れていた

それから俺らは帰りが遅い俺達を心配して兄さんが迎えに来るまでたくさん泣いて、笑っていた＿