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side弦太

結衣が眠り始めてから3ヶ月が経った。

容態は安定して,一般の個室に入ったものの状況は変わらずだった。

俺はというと生きた心地もせず、何を感じるでもなく毎日を過ごしていた。

そんなある日,結衣の母親から連絡が入った。

結衣が意識を取り戻した,と。

取る物も取り敢えず,病院に行った。

弦太

結衣!

結衣の母

弦太くん,来てくれたのね,結衣,弦太くん来てくれたわよ

結衣

えっと…

おばさんに声をかけられた結衣は戸惑っている。

結衣

お母さんこの人だれ?お母さんの知り合い。

結衣の母

あ,あなた何言ってるの?弦太くんよ,あなたのお友達でしょ?

結衣

……分からない

弦太

結衣,俺だよ?分からない?

結衣は困惑していた。

結衣

と,とにかく分かりませんから出て行ってください

結衣は冷たくそう言う。

結衣の母

ちょっと結衣

弦太

おばさん大丈夫,気にしてないから

結衣

……お帰りください

弦太

分かった,落ち着いたらまた来るね

そう言って静かに病室を後にした。

こんなところで何してるんだ?

弦太

お前,白井

失礼だな,先輩ぐらいつけろよ

弦太

結衣をあんな目に遭わせたあんたの顔なんて見たかない

結衣は記憶喪失だ

弦太

は?

俺は戸惑いの声を漏らす。

部分的な記憶障害だ,覚えている事もあれば忘れていることもある

それでお前の事は忘れてた,そんなところだろ

弦太

結衣はまだ俺と付き合ってると思っているらしい,謝罪に行った時にそう言われた

弦太

お前なんかに結衣を渡さないッ!

忘れられたのに?

そう言われ黙ってしまう

結衣

あっ!歩くんだ,来てくれたんだ入って!

結衣,会いたかったよ

結衣

あなた,さっきの

結衣は訝しげに俺を見る。

結衣

歩くんこの人知り合い?

いや,知らないよ,廊下は寒いし,体に障るから中に入ろう

白井は結衣の肩を抱き病室に入っていく。

俺はその姿を呆然と立ち尽くして見ていた。

愛し方を教えてくれた貴方へ

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