一夏ひまわり恋

わたしは、噂の「明田」の正体を知るために、いやいや秋奈達に話しかけに行った

秋奈達は驚いたのもつかのま、笑みを浮かべた

お前らが、裏切ったくせに上から目線なのなんなの

やっぱり、おかしい 明田ってやつ、何者だ？

その日の放課後、私は用事があって教室に残っていた

そうだ、聞かなければ お前は何者なのだと

わたしは、明田をにらむ

まったく、からかうのもたいがいにしてほしいものね

暑くて誰も通らない道 誰かが来ても、おれは踏まれる運命だった

すると、その女の子は寂しそうな表情でおれに水を与えてくれた

それがうれしくて、うれしくて きみがおれの初恋だったんだよ

そしておれは何度も神に願った どうか人間にして、一夏でいいからあの子といさせてくれと

ほんと、ファンタジーね

どうせ、ひとりだしね

久しぶりに、自然と人と話している気がする

意味わかんないね

あなたといると気が狂う

なんとなく、気まずい雰囲気が流れて私は咄嗟に「家近いから」と嘘をついた

よく笑えるね、きみに明日なんてあるかどうかもわからないのに

ま、誰もいないか

でも、少し心が軽くなったかも ……笑 いや、気のせいかな

朝から先生の手伝いなんてばかみたい

< 秋奈

いまさら、なんの電話の用があるの

いつから呼び捨てなの

ああ、きみのせいで注目されてしまうね

だけど、あなたが話しかけてくれるなら悪くない こんなきもち、はじめて