レン
なぁ、教えてくれよ
レン
五年前のあの日…
レン
一体何があったんだ?
マリア
……
レン
マリア?
マリア
仕方ないわね
マリア
いいわ、あなたには特別に話してあげる
レン
あなたに『は』?
マリア
実は、この話をするのが
マリア
あなたが二人目なの
レン
それで、最初のヤツは?
マリア
さぁ…
マリア
私も忘れちゃった
レン
そうか
レン
で?早く教えてよ
レン
俺さ、ツバサやハルト…ナオトやミオナもそうだけど
レン
リカちゃんだって
レン
俺にとって特別な仲間
レン
掛け替えのない存在なんだ
レン
親友や彼女と同じくらい信頼してるし
レン
だからだよ
レン
あの子には笑顔でいて欲しい
マリア
そうよねー
マリア
まあ実際あいつも
マリア
顔面偏差値はそこそこ高いし?
レン
リカちゃんには笑顔が似合う
レン
可愛くて、温かくて
レン
周りにさえ元気を与えられるような
レン
花みたいに明るい笑顔がね!
マリア
ふーん
マリア
ずいぶん褒めるのね
レン
えー、だめ?
マリア
なんか、下手くそなポエム?詩?
マリア
みたいに聞こえる
レン
な、なんだとーーー?!
マリア
あはは
マリア
まあまあ、落ち着こ落ち着こ
マリア
で?
マリア
知りたいんじゃないの?
マリア
あの事件の真相
レン
……
レン
聞かせてくれ!!!
マリア
今日はその為に来たんだものね
マリア
わかったわ
レン
(ついに…聞けるのか)
レン
(五年前のあの日)
レン
(リカとこいつの間に何があった?)
レン
(そしてハルトとの関係は…?)
マリア
今からちょうど五年前
マリア
そう、あれは
マリア
まだ私が小学生だった頃…
マリア
……
従業員
オラオラ!
従業員
ぼーっとしてないで働け!
従業員
こっちはわざわざ時間と手間かけて
従業員
お前を雇ってるんだからな
従業員
ありがたく働けよ
マリア
……
従業員
ほら!
従業員
シカトするんじゃねぇ!!
マリア
……
マリア
(もう、無理だ)
マリア
(もうとっくにうんざりだ)
マリア
(全部意味ない)
マリア
(何かに対してではなく)
マリア
(生きていること自体)
マリア
(今の私にとって、無意味かもしれない)
従業員
おい!
従業員
何突っ立てんだァ!!
従業員
手を動かせ!
従業員
こいつ
従業員
耳が聞こえねぇのか?!
ドンっ!!!
マリア
きゃっ…!!
従業員
はは、すまないねぇ
従業員
わざとじゃないから許せよ?
マリア
う…うぅ……
今のは、確実に故意的だ
マリア
(めっちゃ痛い)
マリア
(滑った拍子に背中?打ったのかな)
マリア
なんだか、ズキズキする…
従業員
おいお前
マリア
…はい?
従業員
何をしてるんだ
従業員
早く働け
マリア
(は?何こいつ)
マリア
(私がゲガ負わされて)
マリア
(うずくまってんのがわかんないの?!)
マリア
ホントにもう
マリア
最低やヤツらばっか…
従業員
お前みたいなのを構ってる時間が
従業員
本当にもったいない
マリア
え?
従業員
うーん、そうだなぁ
従業員
もしかしたら
従業員
お前みたいな役立たずでも
従業員
それなりに需要のある仕事かもしれないぞ
従業員
よし、話してみるか
従業員
なんだ?どうした?
マリア
……?
従業員
実はぁ、コイツを…
従業員
えっ!は、繁殖用だと?
マリア
(繁殖用?)
従業員
そうだ