ごめん、好き。

そういうと雅人はぐっと私を手で引き寄せて、私の舌を弄ぶかのように絡め合わす。

…ｶｼｬｶｼｬ

それはあまりにも突然だった。

翌日

嵐の前の静けさは、私は大嫌いだ。

頭が真っ白になった。

きっと今頃雅人も同じような事を言われているかと思うと、携帯ですら開く気になれなかった。

この先の出来事は、あまりよく覚えていない。ただただ何も言葉が出てこなかった。

録音機とメモ帳を持った男たちが近寄ってくる。

なぜ私の恋愛にそこまで首を突っ込まれなくてはならないのか。

意識がもうろうとする。

やっと彼とのメッセージ画面を開いたのはニュースになって2日後だった。

40件もの通知があった。

こうして私の最高で最悪の恋の幕は、笑えるほどあっけなく、ただのメッセージによって閉じた。

その瞬間、血の流れが速くなった。顔中が熱を持って、耳までが赤く染めあげられた。

私は運命なんて信じない。この恋愛にも、私の感情にも終止符を打とう。

これからは、運命の糸切りの幕が上がる。

はずだった。