主
主
主
司
一同
えむ
えむ
寧々
司
素直にありがとうと言えばいいのに
司
役が抜けない 俺に戻れない
司
寧々
公演一ヶ月前
俺が演じなければならないのは 悪役
悪役を演じたことがなく、俺はなかなか役を掴むことができなかった
司
類
司
このとき俺は思った
ならばその役を “演じる” ではなくその役に “なればいい” のではないかと
出来たと思ったのに 完璧なはずだったのに
俺に戻れない!
司
謝らなければ でもどうやって謝ればいいのだろうか
えむ
類
司
司
違う俺は、 こんなことを言いたいんじゃない
類
類
類
司
寧々
えむ
司
類
司
類
寧々
えむ
寧々
司
司
司
寧々
司
えむ
それから俺は
役が抜けなくなることが多くなった
大切な仲間を傷つけてしまう
わかっていても俺の意思とは違う言葉が出てくる
大切な仲間を傷つけたくない
もう、何もしたくない…
司の部屋
司
司
司
お兄ちゃんうるさいよぉ〜!
司
俺はようやく考えついた
もし、役に入り込んでしまったら、 俺は
“天馬司を演じればいいのだと”
数ヶ月後
類
類
類
俺の次の役は初めはいいやつだが、 後から敵になるタイプの役だ
きっと、俺ならできる
そんなことをしてから もう何ヶ月も経った
俺は俺がわからない
あの日、俺を演じると決めてから 俺は何者でもなくなってしまった
わからない、どうしよう、怖い、 自分がいなくなった!!
司
俺はあの日、解散を決めた
えむや寧々、類は自分の夢に向かって進み続けるだろう。 そこに俺がいては 邪魔になってしまう。 そう思った
解散を告げるまで 辛くて苦しかったが あの言葉は、するすると出てきた
まるで演じていたように。 なんの感情もなかった
だが、あの3人の、 置いていかれたような、 居場所を無くした子犬のような 顔が妙に頭から離れなかった
大学に入っても 天馬司という役が抜けることは なかった
何もしたくない
何も演じず考えずに
…みんなに会いたい
『今日から一緒に 住んでみないかい?!』
少し考えてみてもいいのかもしれない
司
司
司
天馬司は見当たらない
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