赤兎
到着!
路地裏のような細い道をたどっていくと
林の中についた
青兎
わあ…
青兎
さっきまで市場みたいな騒がしさだったのに
青兎
ここすごく静かですね…
赤兎
でしょでしょ!
赤兎
落ち着くでしょ!
青兎
はい…とても
青兎
(騒がしいのは苦手だし…)
青兎
すごく気に入りました!
赤兎
よかった
青兎
(すごく優しい笑顔…)
赤兎
まだ見せたいものがあるんだ!
ガシッ
青兎
え
赤兎は僕の手を引きながらずんずん進んでいく
青兎
ちょ
青兎
もうちょっとゆっくり歩いてくださいよ!
青兎
ここ石が多くて歩きづらいんです!
赤兎
そう?
彼の履物は下駄だ
青兎
ええ…?
青兎
(脳筋…!?冗談じゃない…!)
赤兎
じゃーん!!
青兎
はぁ…疲れた…
青兎
ひどい道だった…
赤兎
みてみて!
赤兎
こちらが僕の家です!
青兎
(この人…)
疲れ切った僕には目もくれず
赤兎は自身の家のことを激しく主張している
青兎
はぁ…
赤兎
特別に招待するよ
ガシッ
青兎
あぁあ…
文句を言う暇も与えず
赤兎は僕を家の中へ引きずり込んでいった
フワッ
赤兎が扉を開けると
ほのかに畳の匂いが香る
赤兎
どうぞ〜
青兎
お邪魔します…
青兎
和って感じですね
赤兎
うん百年住んでるからねえ
青兎
ん?
赤兎
どうしたの?
青兎
いや
青兎
なんでもないです
青兎
(そうだった妖なんだった)
青兎
(そりゃ寿命も人間と違うよね…)
青兎
それにしても…
青兎
散らかりすぎじゃありません!?
赤兎
う
赤兎
あまり見ないで…
だんだん頬が赤く染まっていく彼をみるのはおもしろい
赤兎
僕の顔もあまり見ないで…
青兎
何も見れないじゃないですか