太宰
酔い潰れた中也を、自分達では どうしようもできないと
部下に電話で泣きつかれ
見知った飲み屋に着いたのは 午後11時を過ぎた頃だった。
マフィア構成員
マフィア構成員
マフィア構成員
マフィア構成員
マフィア構成員
太宰
人気のない飲み屋の奥で
何やらブツブツと酒瓶に話し掛けている中也が目に入る。
太宰
太宰
マフィア構成員
マフィア構成員
太宰
太宰
太宰
マフィア構成員
太宰
太宰
マフィア構成員
マフィア構成員
走り去っていく部下を横目に太宰は中也の隣に腰を降ろす。
中也
中也
太宰
太宰
太宰
太宰
太宰
太宰
中也の飲んでいた酒のグラスを ヒョイと取り上げると
残った酒を飲み干した。
中也
グラスを取り返そうと伸ばされた 手を避けると
中也がバランスを崩す。
中也
太宰
太宰
太宰
中也
太宰
中也
太宰
思わず間の抜けた声が漏れる。
太宰
中也
中也
太宰
太宰
太宰
太宰
太宰
中也
太宰
中也
中也
中也
中也
中也
楽しそうに酒瓶を眺めながら 喋り続ける中也に
何故か苛立ちを覚える。
酔った人間の戯言だと受け流せば 良いものを
それが出来ないでいた。
中也
最後の一言。
小さく自信なさ気に呟いた中也は 気まずそうに目を逸らし
酒瓶を引き寄せて抱きしめる。
太宰は、今日の昼あった事を 思い出した。
中也との任務の帰り道 偶然通り掛かった女性を
挨拶感覚で口説いた 気がする…、、
もうその女性の顔も 聞いた名前も
見た目すら正確に覚えていない。
太宰にとってはそれが 日常茶飯事の出来事で
その女性が特別好きなわけでも 特別に美しかったわけでも無い。
それなのに……
中也
中也
中也
どんどん声が小さくなっていく。
相変わらず反らしたままの顔からは表情が読み取れない。
太宰
グイッ─
小さな身体でぎゅっと抱きしめたままの酒瓶を取り上げると
取り返そうと中也が顔を上げる。
中也
太宰
中也
中也の顔がますます赤くなっていく。
潤んだ瞳が今にも泣きそうだ。
柄にもない顔をする中也に 何故か胸が熱くなる。
中也
ガタッ─
突然席を立ち上がり店を出ようと する中也の腕を掴んだ。
中也
太宰
中也
中也
中也
太宰
グイッ─
中也
戸惑い、ろくな抵抗の出来ない中也を自分に引き付ける。
掴んでおくだけでは 抱きしめておくだけでは 逃げられそうで
深く唇を重ねた。
中也
中也
合わせた唇も 絡めた舌も
抱きしめた腕に伝わる体温も 全てが熱くて
触れた場所から溶け出してしまい そうだった。
暫くしてゆっくりと離した唇に 中也の熱が残る。
中也
太宰
中也
太宰
中也
太宰
中也
太宰
中也
太宰
太宰
中也
更に顔を赤く染めた中也は 太宰に掴まれた腕を
振りほどかないでいるのが 精一杯で
それが中也の今出来る最大限の 愛情表現だった。
太宰
中也
太宰
中也
中也
小さく、短い一言
それだけで、十分過ぎるくらい 想いが伝わって
再び抱きしめ、合わせた唇から 言葉で表し切れない想いが伝わる。
一瞬にも、永遠にも感じる その時間が
どうしようもなく幸せだった。
コメント
12件
グハッ...マイリスト追加します...
凄いですね。小説家みたい
それですよねww なんやかんやで過去繋がりがwww 白澤さんのツッコミめっちゃ面白いですし、鬼灯のイキイキしながら悪戯かけてるとこも可愛くて…、、