ないとう
恐ろしいものを見た
ないとう
既読にはならんか
ないとう
無理もないもう深夜だ
ないとう
でも、メッセージを続けるよ
そうすることで
どうにか冷静さを保てる
そうすることで
どうにか冷静さを保てる
ないとう
俺はまだ山の中にいる
ないとう
大したものだ何とか電波が届いている
ないとう
話を戻そう
ないとう
今さっき恐ろしいものを見た
ないとう
山は恐ろしい
ないとう
蛇や虫
ないとう
熊だっている
ないとう
でも、あれはそんなもんじゃない
ないとう
人と獣を混ぜたような
ないとう
心底恐ろしいものだった。
ないとう
何とかキャンプまで走って逃げたよ
ないとう
すぐテントに潜りこんだ
ないとう
震えが止まらん
ないとう
だが、ああ、なんてことだ。つけられた…
ないとう
気配を感じる
ないとう
外にいる
ないとう
俺を探している
ないとう
足音が聞こえる
ないとう
1つの足音ではない
ないとう
沢山の足音
ないとう
でも複数ではない
ないとう
1つの長い
そう、人間以上の大きな
ムカデがいたら
聞こえそうな音
そう、人間以上の大きな
ムカデがいたら
聞こえそうな音
ないとう
ああ、今日は何故こんなに月が明るいのか
ないとう
だから見つかった
ないとう
だから薄いテント越しに影が見える
ないとう
テントの周りを回っている
ないとう
息を殺している
ないとう
恐怖と不安でおかしくなりそうだ
ないとう
このメッセージを書くことでどうにか正気を保っている。
ないとう
ああ、どうやらコイツは目がよくないらしい
ないとう
だから鼻息荒く俺を探しているのだ。
ないとう
その鼻もテントの中に俺がいることがわかるほどでもないらしい。
ないとう
見慣れぬテントを怪しみながら周りを徘徊しているのだけなのだ。
ないとう
やり過ごせる
ないとう
正気を保ち
冷静に息を潜め
音をたてなければ
やり過ごせる
冷静に息を潜め
音をたてなければ
やり過ごせる
ないとう
ありがとう友よ、お前が勇気をくれた
わたし
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通話
00:02
わたし
大丈夫?
わたし
電話すぐ切れたけど、やっぱり電波悪いの?
わたし
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不在着信
わたし
どうして電話に出ないの?
わたし
コールは鳴っているのに






