式神 榎戸
聖葵の部屋を後にして、歩香の部屋へ向かう
途中で立ち止まって伸びをしていた時、廊下の奥から人影が見えた
式神 榎戸
式神 榎戸
柊 莉桜
莉桜は「めんどくさい」と言わんばかりの表情で僕を見つめてきた
式神 榎戸
なんでこんなとこにいるの?
柊 莉桜
聖葵さんが自室で休んでると思うからこれ届けろって……
莉桜は手に持っていた紙袋を僕に見せつけた
柊 莉桜
あいにく男らはみんな力仕事の真っ最中
柊 莉桜
見事にじゃんまけしたから私が来たんだよ……
式神 榎戸
式神 榎戸
多分今頃ベットでギャン泣きしてるよ?
柊 莉桜
式神 榎戸
柊 莉桜
1番想像出来ない
式神 榎戸
だよね〜
さすがにギャン泣きは嘘だけど
泣いてたのは事実だから
行ったら慰めてあげて?
柊 莉桜
式神 榎戸
それじゃ!
柊 莉桜
修羅魏 聖葵
修羅魏 聖葵
コンコンコン
静かな部屋にノックオンが響き渡った
修羅魏 聖葵
俺が扉に向かってそう叫ぶと、1人の人影が姿を現した
柊 莉桜
修羅魏 聖葵
どうかした?
柊 莉桜
修羅魏 聖葵
とりあえず、ありがとう
莉桜から渡された紙袋を開くと、そこには薬と紙切れが1枚
修羅魏 聖葵
柊 莉桜
修羅魏 聖葵
修羅魏 聖葵
仕事するからって
柊 莉桜
数十分後
柊 莉桜
柊 莉桜
修羅魏 聖葵
どうしてこんな話になってしまったのだろうか
遡ること15分前
確か最初は榎戸に許嫁はいるのかって話だったはずだ
それなのに、いつの間にか俺の恋愛話に……
柊 莉桜
柊 莉桜
柊 莉桜
修羅魏 聖葵
自分の顔が赤くなっていくのが自分でも分かる
俺はそれを隠すように布団に顔を埋めた
柊 莉桜
あと、教えてくれなきゃ私が歩香先生に怒られるので
修羅魏 聖葵
あと、別に俺そんな顔いいわけじゃ…
てか歩香から頼まれてんのかよ……
どうりでいつもより莉桜の押しが強い訳だ…
柊 莉桜
結論くらい教えてくださいよ
修羅魏 聖葵
俺はカタコトで莉桜の言葉を復唱した
田噛 歩香
柊 莉桜
修羅魏 聖葵
田噛 歩香
柊 莉桜
来たんなら自分で聞いてくださいよ
柊 莉桜
田噛 歩香
結論だけでも一緒に聞こうよ!
柊 莉桜
田噛 歩香
てことで聖葵、教えて?
修羅魏 聖葵
田噛 歩香
田噛 歩香
修羅魏 聖葵
田噛 歩香
修羅魏 聖葵
田噛 歩香
柊 莉桜
俺は半ば強引に2人を部屋の外へ追い出した
修羅魏 聖葵
そう呟いて扉から離れようとした時
田噛 歩香
ドアの向こうから歩香の声が聞こえた
修羅魏 聖葵
田噛 歩香
修羅魏 聖葵
突然、そう言われた
まるで前々から知っているかのような口振りで
修羅魏 聖葵
田噛 歩香
田噛 歩香
あんたの彼女任務中死んだんでしょ?
修羅魏 聖葵
田噛 歩香
確かめたいだけ
だからあんなこと聞いた
修羅魏 聖葵
修羅魏 聖葵
田噛 歩香
修羅魏 聖葵
田噛 歩香
あんたの元カノだから
修羅魏 聖葵
初めて聞いた事実
歩香の父親が浮気していること 浮気相手との子供あいつだってこと
田噛 歩香
あんたのこと恨んでるから
田噛 歩香
…ねぇ、任務一緒だったんでしょ?
あんた、強いのになんであいつに守られてんだよ
…あんときあいつが死ななければさ……
あんたがあいつを守ってれば
うちの家族は幸せだったのにさ
田噛 歩香
なんで、付き合ったんだよ
あんたがあいつと付き合ってなければ…もしかしたら……
修羅魏 聖葵
俺は部屋の扉を開けて再び歩香を部屋に入れた