脳裏都市

...

日も落ちてきて、見えずらいが...

能力を駆使すれば追いかけられる

あそこの繁華街では、 その手の者達がたむろしてるだけでなく

薬や非合法のモノが売ってると聞く、

もしかしたらもう...手遅れかもな

まずい、こんなに人が多いと 流石に追いかけられないかもしれない...

ミサキが指さす方を見ると、 確かにそこにはターゲットが居た

ターゲットが路地裏に入っていく...

残念だったな、路地裏は俺の

テリトリーだ...

キーンと目が赤く光る

すると、それと同時に ナギトの視界には建物が透けて見える

相手は地下のライブハウスのような ところに入っていった

すると、扉に手をかけようとした時に 違和感を感じる

...中で、縛られている子供がいる？

ナギトの視界にはハッキリと 小学生ぐらいの子供が見えていた。

その子供は縛られている上に、 蹴られ、殴られていた...

暗いせいで性別は分からなかったが

子供が暴力を受けているのに 変わりは無い

男の耳にはその言葉は入ってなかった

男が見据えるのは、壁越しに見える 武器の位置や非合法麻薬の類...

覚えたぞ....

...

...

今だ

ギギギ...と金属製の重たい扉を開く

その間も、男たちは子供の頭を 踏みつけている

そう平謝りをしながらも、 壁の奥、さらに奥を見る...

どうやらこの部屋の奥が たまり場のようだな...

そして、そのさらに奥が頭か...

男が喋っている内に床の拳銃を 足で蹴りあげキャッチし、

それを額と腹に2発ずつ

今度は殴りかかろうとしてきて 上半身が斜めに向いたので

コメカミに1発、

ベチャッ、と音がし 男が白目を向いて倒れる

そしてナギトは子供に声をかける

どうやら幼い精神には、 男に加えられた暴力も

弾丸で打たれ飛び散る血も ショックだったようだ。

...どうしたものか

そこでハッと思いつき、電話をかける

prrr...prrr...

それだけ伝えると、相手の返事を 待たずに電話を切る。

不安そうな瞳がこちらを見つめる

そういって縄を解き、 背中を押して外に向かわせると

すこし歩いた後に、一瞬振り向いて

聞き取りずらかったが、子供が 感謝の意を述べているのはすぐ分かった

...

早く、頭の所へ行こう

こんな所潰してやる

そう考えつつ、次の扉を開く。

その部屋には8人居て、若いやつも 入ればジジィも居る。

...赤い目のやつが大半か

赤い目は能力者の証。

といっても大体人口の七割〜八割が 能力者な訳だが

...ん？

あの赤髪、どこかで顔を...

顔を見ていると、不意に目が合った

不思議そうな顔をする相手に どこかで会ったか？そう聞こうとすると

相手の目が光った

まずい...！！！！

殺され...

ここ、は？

チャラチャラと装飾を鳴らしながら 相手は近づいてくる、

どうやらまだ死んでないみたいだ

心中を読める能力か？

そういって相手は長い前髪を 手であげる

その顔は、今日見た顔にそっくりだった

なるほど、そういうことか...

こいつも掴みどころがないな...

意識が薄れていく中で、 ハッキリとその言葉だけが聞こえた

あれ、みさき...？

俺は一体何をして...

居てもいなくても変わらないしな