テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
134
265
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
二人はしばらく、言葉少なに外を眺める。 夕陽が窓から差し込み、うりの横顔を優しく照らす。
ひろはそっと、手を出す。
触れるか触れないかの距離で、ただそばにいる。
うりは手を引くこともなく、静かにそれを受け止める。
言葉がなくても、伝わるものがある。
それだけで、放課後の教室は、二人だけの世界になった。
ur
うりが小さく聞く。
hr
その一言に、うりの目が少しだけ輝いた。 ほんの小さな約束だけど、二人の心は確かに繋がった瞬間だった。
夕暮れの光の中、ひろは心の奥で思う。 意識がはっきり戻った時、最初に感じたのは、制服越しに伝わる体温だった。
近い。 あたたかい。 そして、ひどく安心する。
階段を降りきると、ひろは自然にうりのペースに合わせて歩き始めた。
hr
無理に力強く言うわけじゃなく、ただそっと、安心させるような声で。
うりは少し俯きながらも、黙って頷く。 足取りはぎこちないけど、ひろの隣を歩くことで少し落ち着く。
ur
ぽつりとつぶやくうりに、ひろは肩をすくめるでもなく、ただ静かに頷く。
hr
その声には余計な力はなく、ただ優しさだけが染みる。
家の前に着くと、うりは小さく息を吐きながら立ち止まった。
ur
顔には少し照れたような笑み。
ひろは軽く笑い返す。
hr
hr
その言葉に、うりの肩の力が少し抜ける。
玄関の前で、二人はしばらく沈黙する。 夕暮れの空が少し赤く染まって、静かな時間が二人を包んでいた。
ur
うりは小さく手を振ると、家の中に入っていく。
ひろも小さく手を振り返しながら、見送った。
優しい気持ちを胸に、彼は静かに帰り道を歩き始める。
数日は、まるで何事もなかったかのように過ぎていった。
うりに対するいじめもぴたりと止み、学校では珍しく静かな日々が流れる。
君が悪かったが、好都合だ
ひろは、その間、授業に少し集中できるようになっていた。
心の片隅には、あの日うりを守れなかった自分への苛立ちと悔しさが残っているけれど、それでも彼は心の中で誓った――
絶対に、もう二度と、うりを一人にしない
その誓いは、ひろの行動のすべてを支えていた。放課後も、帰り道も、うりと一緒にいるときは常にそばにいる。
ある日の放課後、いつものように二人で帰っていた。
陽が落ちかけ、少し涼しい風が吹き抜ける中、ひろは無言でうりの歩調に合わせて歩く。
そのとき――前方に、数日前にうりをいじめていた連中が現れた。
hr
ひろの心臓が早鐘のように打つ。
うりは一歩後ろに下がり、顔を強張らせる。
ひろはすぐに前に立つ。しかし、連中の数は多く、力で押されれば簡単にひろを倒せる。
押され、殴られ、体中に痛みが走る。うりもぶつかられて倒れそうになり、腕や足に擦り傷ができた。
俺が一目惚れしたあの人は、今、更に傷を増やした。 俺が不意に『大丈夫?』と零すと、君は泣きそうな、でも、決意に満ちた顔で笑った
hr
ひろはうりの手をぎゅっと握る。 痛みと恐怖はまだ残っているけれど、うりはその手の温もりに支えられ、少しずつ自分を取り戻す。
ur
君は、初めてちゃんと笑顔を見せた。
こんなに嬉しいと思ったことは無かった。
ひろは体を張って連中と距離を作り、うりを安全な場所へ導く。二人は互いに寄り添い、まるで波をかわすように、慎重に人混みを抜けていった。痛みも怖さもあるけれど、ひろの決意は揺るがない。
彼奴らも最初は追いかけていたが、進むにつれて、 気づいたら居なくなっていた。
やっと人のいない角までたどり着くと、うりは深く息を吐きながら、肩を震わせた。
でもその顔には、まだあの小さな笑みが残っていた。
ひろはその笑顔を見て、もう一度、心の中で誓う——もう二度と、うりを傷つけさせない、と。
hr
ひろは躊躇いながらも、そっと君の傷に触れ、指先で優しく撫でる。
hr
hr
『付き合ってくれますか..?』
うりは一瞬驚いたように目を見開いたけれど、すぐに顔を少し赤くして、小さく
ur
と囁いた。
ひろは胸が熱くなり、自然と笑みがこぼれる。
ur
君は泣いていた
放課後の静かな空気の中で、二人だけの時間がそっと流れていった。
それからの数日は、驚くほど穏やかだった。
あれだけ騒がしかった二年の廊下も、 うりの前では妙なくらい静かになった。
あの連中は本当に近づいてこなくなったし、 周りの空気も、前みたいな“見て見ぬふり”じゃなくなっていた。
たぶん、みんなもう気づいている。
うりの隣には、ひろがいる。
それだけで、変わったものが確かにあった。
朝は、校門の少し手前で待ち合わせるのが当たり前になった。
最初の頃は、ひろの方が少し早く来て、 電柱の影でそわそわしながら待っていたけれど。
最近は、角を曲がって現れるうりの姿を見るだけで、 それまでの時間なんて全部どうでもよくなる。
少し長めの茶髪。 制服の袖を少し長めに引いた細い手。 まだ眠そうに伏せられた目。
朝の光の中でそれを見るたび、ひろは毎回同じことを思う。
――俺の彼女、可愛すぎる。
ur
小さな声でそう言って、うりがひろの隣に並ぶ。
hr
それだけのやり取りなのに、 胸の奥がふわっとあたたかくなる。
ある朝なんて、うりが少しだけ寝癖をつけたまま来たことがあった。
ぴょこん、と襟足の近くで跳ねた毛先が気になって、 ひろは思わず足を止める。
hr
ur
うりが不思議そうに振り返る。
ひろは「ごめん、ちょっとだけ」と小さく断ってから、 その寝癖にそっと指を伸ばした。
指先でやさしく撫でるように整える。
その瞬間、うりの肩がぴくっと揺れた。
ur
hr
ur
そう言うわりに、耳が少し赤い。
ひろはその反応に、内心で静かに死んでいた。
やばい。
近い。
可愛い。
無理ッ。
hr
ur
うりは視線を逸らしたまま小さく頷いて、 でも少しだけ、ひろの制服の袖をつまんだ。
ur
hr
だめだ。 朝から心臓が持たない。
昼です(((
昼休みは、ほとんど毎日あの空き教室だった。
窓際の席に並んで座って、 パンを食べたり、ジュースを飲んだり、 たまにどっちかが眠そうにぼんやりしていたり。
特別なことなんて、何もない。
でもその“何もない”が、 ひろにはどうしようもなく大事だった。
hr
ur
hr
軽い気持ちで言っただけだったのに、 うりは少しだけ迷ってから、持っていた紙パックをひろの方へ差し出した。
ur
hr
ur
いやそうだけどそうじゃない。
そういうことじゃない。
まさか本当にくれると思ってなかった。
しかも今これ、普通に"間接キス"じゃないか。
ひろの脳内が一瞬で終わる。
ur
hr
できるだけ平静を装って飲んだつもりだったけど、 たぶん全然無理だった。
だってそのあと、うりが何も気にしてない顔でまた同じところに口をつけたから。
無理に決まってる。
ur
hr
ur
少しだけ楽しそうに言うその声に、 ひろは顔を覆いたくなった。
最近、うりはたまにこういうことをする。
たぶん無自覚で。 でも、時々ちょっとだけわざとな気もする。
どっちにしろ、心臓には悪かった。
放課後は、ふたりで帰るのが自然になっていた。
最初は「送るよ」「いや、大丈夫」のやり取りを何回かしたけれど、 ある日、うりがぽつりとこう言った。
ur
その一言で、すべてが終わった。
もう無理だった。
それ以降、ひろの中では **「うりを送る」じゃなくて「一緒に帰るのが当たり前」**になった。
校門を出て、 商店街を抜けて、 住宅街へ向かう途中の小さなコンビニに寄る。
そこでアイスを買ったり、 新作のお菓子を見てうりが少しだけ目を止めたりするのを見て、 ひろはひとりで勝手に幸せになっていた。
hr
そう言ってひろが買ったチョコを差し出すと、 うりは少しだけ迷ってから、一口だけ齧る。
そのあと、もぐもぐしながら小さく言う。
ur
hr
ur
その言い方があまりにも無防備で、 ひろは思わず顔を逸らした。
俺の彼女、かわいすぎて本当に無理。
ur
hr
ur
hr
ur
うりが少しだけ呆れたように言う。
でもその声は、嫌そうじゃなかった。
むしろ、少しだけ嬉しそうにも聞こえた。
hr
思ったことがそのまま口から出てしまって、 言ったあとでひろの方が固まる。
やばい。
今の、普通にキモかったかもしれない。
終わった。
と思ったのに。
うりは数秒黙ったあと、 ふい、と顔を逸らして、 耳だけを少し赤くした。
ur
その反応が可愛すぎて、 今度は本気でひろが死にかけた。
そんなふうに少しずつ、 うりはひろの隣で力を抜くようになっていった。
人前では相変わらず静かだし、 あまりベタベタするタイプでもない。
でも、ひろにだけは違った。
階段を下りるとき、人が多いと自然に袖をつかんでくるし。
廊下ですれ違う生徒が多いと、 少しだけひろの後ろに隠れるように歩くし。
昼休みに眠そうな日は、 窓際で座っているひろの肩に、ほんの少しだけ頭を預けてきたりする。
最初にそれをされたときなんて、 ひろは本気で呼吸の仕方を忘れた。
hr
ur
hr
ur
その聞き方が、あまりにも反則だった。
hr
即答すると、うりは少しだけ目を伏せて、 そのままひろの肩に体重を預ける。
細くて、軽くて、やわらかい。
その重みが、どうしようもなく愛おしかった。
ひろはそっと息を吐いて、 起こさないように、驚かせないように、 うりの髪に指先だけで触れた。
さらり、と毛先が揺れる。
その感触だけで、胸がいっぱいになる。
ああ、好きだな、と思う。
何回思っても足りないくらい。
最初に一目惚れしたときああ、好きだな、と思う。、 ずっと深く、ずっと強く。
ur
hr
ur
小さすぎて、聞き間違いかと思った。
でも、確かにそう聞こえた。
ひろは一瞬だけ息を止める。
hr
ur
hr
ur
うりは顔を隠すみたいにひろの肩へ額を押しつける。
その反応が可愛すぎて、 ひろはもう笑うしかなかった。
hr
そう呟きながらも、 ひろの手は自然にうりの背中へ回っていた。
ぎゅっと抱きしめるほどじゃない。
でも、ちゃんとここにいるって伝えるみたいに、 そっと、やさしく引き寄せる。
うりは抵抗しなかった。
むしろ、少しだけ近づいてくれた気がした。
それだけで、十分だった。
そして、ある日の帰り道。
夕焼けに染まる住宅街を、 ふたりで並んで歩いていたときのことだった。
ur
hr
ur
一瞬、ひろの思考が止まる。
hr
ur
hr
思わず食い気味に返してしまって、 うりがびくっと肩を揺らした。
hr
hr
何を言ってるんだ俺は。
でも、うりはそんなひろを見て、 少しだけ口元を緩めた。
その顔が、夕焼けの中でどうしようもなく綺麗で。
ひろはそっと、うりの手を取った。
指先が少し冷たい。
でも、その冷たささえ愛おしいと思ってしまう。
うりは少しだけ恥ずかしそうに目を伏せながら、 それでもちゃんと握り返してくれた。
その瞬間、ひろの胸の奥が、どうしようもなく満たされる。
ああ、好きだな、と思う。
最初に一目惚れしたときより、ずっと深く。
傷も、痛みも、怖さも、全部知ったうえで。
それでも、いや、それだからこそ。
もっと大切にしたいと思った。
ひろはそっと隣を見る。
少し長めの茶髪が風に揺れて、 細い睫毛の影が頬に落ちていて、 握った手のぬくもりが、ちゃんとここにある。
それだけで、胸がいっぱいになった。
hr
名前を呼ぶと、うりがこちらを見る。
ひろは少しだけ笑って、そっと頬へ手を伸ばした。
もうほとんど見えなくなったその傷跡に、指先が触れる。
放課後の光の中で、 ひろは静かに、やわらかく、 君の傷に触れた。
hr
うりは少しだけ目を見開いて、 それから照れたみたいに視線を逸らしながら、小さく言う。
ur
その声は、あまりにも小さかったけれど。
ひろには、それで十分すぎるくらいだった。
ひろは嬉しくて、でも泣きそうで、少しだけ困ったみたいに笑う。
hr
うりは少しだけ頬を赤くして、 でも今度はちゃんと、ひろの目を見て頷いた。
ur
その瞬間
夕焼けに染まる帰り道が、 世界でいちばんやさしい場所に思えた。
~完~
いやなんか、色々と変になっちゃった😭 完結です!早いですね! 今まで見てくださってありがとうございました!! それと、今日学校で!クラスは良くも悪くもない感じでカオスでした! 今まで見てくださってありがとうございました! 番外編は..まぁ、書くか書かないかって感じッスね 263タップお疲れ様です!