それは5月の終わり頃、季節外れに暑い夜のことだった
上京して一人暮らしをしているハルト。
時計を見ると21時27分。
無性にラーメンが食べたくなり、近所の繁華街まで出かけていた。
ハルト
ハルト
ハルト
繁華街のある直線の道。
居酒屋や風俗店が軒を連ねる中にそのラーメン店がある。
ハルト
店に入り、券売機でいつも食べている780円の醤油とんこつラーメンの光るボタンを押そうとしたその時だった
誰かに突き飛ばされたかのように、体を右に飛ばされたハルト
激しい揺れとともに、店内の机や椅子、券売機や厨房の調理器具が揺さぶられている
店内の客も激しい揺れのあまり、立てない様子だった
ハルト
店の入っているビルはかなり古く、倒壊すると思ったハルトは急いで外へ飛び出した
上からはガラスや外壁、看板が降ってきて非常に危険な状況
2軒先に新しくできたホテルの入口で揺れを凌いだ
ハルト
ハルト
ハルト
ユウト
ユイ
アカリ
ソウタ
ハナ
ミナト
地震速報
地震速報
ハルト
ハルト
あらゆるところからけたたましくサイレンが鳴る音が聞こえる
街中は停電し、店の中にいた人たちが道に溢れかえり、酒に酔った人が覚めるほど怯え、異様な雰囲気になっていた
ハルト
ハルトは崩れた建物や電線の中を歩いて家まで帰った。
家は3階建のアパートの3階の突き当たり。外からは大きな川が見える。
ハルト
ハルト
ハルトは妙に冷静だった。人間は恐ろしい体験をすると逆に冷静になるのかもしれないなどと考えていた。
外で鳴るサイレンの音。どこかで爆発する音。遠くから聞こえる泣きわめく声。そんな中ハルトは片付けを始めようとしていた。
ふと、轟音が聞こえると思い、また余震かと思いながら外に目をやったその時だった。
ハルト
黒くて高い波が目前まで迫っていた。
コメント
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夢を見ました。もしかしたら並行世界の自分はこんな経験をしているかもしれないと記憶を残す気持ちで書き残します。