多分彼は寿命が長くない
それは私が1番知っている
初めて会った時 熱中症と言って私に飲み物を要求した。あれは熱中症なんかじゃない。
きっと病気の薬を飲むための水だ あの量は普通の人が飲むような量じゃなかった。 ただ熱中症でこんな大量の薬を飲むはずないじゃないか
とても綺麗に小分けされていた錠剤を子慣れた手つきで飲む君があの人に似ていた。 彼に確実に死が迫っている決定的な行動を私は知っている。
あの頃昔大好きだったお兄ちゃんも同じものを飲んでいたから
私は今でも忘れない
8/24
○○(貴方)
○○(貴方)
私はこの日初めて仮病を使った
○○(貴方)
お母さん
○○(貴方)
お母さん
○○(貴方)
仕事に行く母を手を振り見届ける
○○(貴方)
○○(貴方)
罪悪感もあるがそんなこと関係なしに睡魔が襲ってくる
○○(貴方)
昔
お母さん
おばあちゃん
優しく笑うおばあちゃん 私はこのおばあちゃんの笑顔がどこかお母さんに似ていて好きだった
○○(貴方)
おばあちゃん
少し照れくさそうにぺこりと頭を下げる
??
○○(貴方)
○○(貴方)
台所からひょこっと顔を出し現れた高校生ぐらいの青年
顔は整っていて少し童顔で目はジト目じーっと見つめてくる目にはどこか惹き込まれるような魅力があった
??
背の高い青年は私に目線を合わせるように少ししゃがみまたあの目で私を見つめてくる
○○(貴方)
○○(貴方)
○○(貴方)
○○(貴方)
ショッピ
ショッピと名乗る青年は年下の私にすら敬語を使う不思議な人だった
顔は表情がなく真顔で何を考えているかよく分からなかった。 その顔を見ているとすっと彼は手を差し伸べてきた
ショッピ
○○(貴方)
ショッピ
○○(貴方)
彼の手はとても温かく 私を安心させた
おばあちゃん家に数日間いた私はかなり家に馴染み 彼とも少し親しくなっていた気がした
おばあちゃん
ショッピ
○○(貴方)
ショッピ
そういい私の頭をくしゃくしゃに撫でると紫のヘルメットを被り玄関へ向かう
○○(貴方)
おばあちゃん
おばあちゃん
ショッピ
そう言い 錠剤を保管している小さな箱を開け1錠ずつ丁寧に袋をあけ飲んでいく
○○(貴方)
なんの薬かも分からなかった小さい頃の私は紫の透き通った薬を指差す
ショッピ
○○(貴方)
ショッピ
悲しそうに笑う 彼の笑った顔を見るのはこれが初めてだったかもしれない。
おばあちゃん
ショッピ
○○(貴方)
それから数日経った
お兄さんは帰ってこなかった
そして久しぶりにお兄さんと会った 眠っているお兄さんと
……
……
……
遠くから親戚同士の話し声がする
○○(貴方)
○○(貴方)
お兄さんの飲んでいた紫の薬
寿命を一時的に延ばすあの悪魔のような薬。
○○(貴方)
○○(貴方)
あの日初めて会った日に彼…いやゾムが飲んでいた薬の中に私が忘れることの無い忘れることが出来ないあの“紫の薬”を見た
これは悪夢だ 思い出したくもない
コメント
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全て夢です