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魔女っ子
魔女っ子
ルカ
魔女っ子
ルカ
ルナ
セレーネ
1話「夜明け前の契約」
夜の村は静まり返っていた
月明かりに照らされた屋根瓦は、まるで薄銀の鱗のように輝く 猫谷ルカは屋根の端に腰掛け、紫がかった瞳で下の道を見下ろしていた。猫耳カチューシャは微かに動き、感情を露わにする。肩には小さなウサギのぬいぐるみ「ミケ」がしっかりと乗っている
ルカ
そうつぶやきながらも、ルカは興味をそそる人物が通るたびに目を輝かせる
警戒心と好奇心が同居する猫のような視線だ
ふと、村のはずれから異様な気配が近づいてくる。赤黒く光る霊気が夜の闇を引き裂き、低く唸る声が風に乗った
ルカの牙が無意識にのぞく
ルカ
幼い頃、村を襲った鬼の襲撃から命を救ってくれたのは、今肩にいるウサギのぬいぐるみ――本来は巨大な三尾の猫鬼、ミケだった。ルカは深く息を吸い、ぬいぐるみに手を置く
ルカ
ぬいぐるみが微かに震え、ルカの瞳に異様な光が宿る
猫鬼化、、、耳と尾が生え、跳躍力・夜視・反射神経が一気に増幅される
ルカは宙を蹴り、静かに鬼の前に降り立った
鬼は牙を剥き、霊気を振るう
だがルカは軽く身をかわしながら、戦いの合間に挑発的に笑った
ルカ
ルカの笑みは無邪気で、しかしどこか冷たさも帯びている
ミケの力を宿す鬼纏い、、、爪や霊気弾が、夜空を彩る光の軌跡となって飛ぶ
ルカは素早く身を翻し、影のように鬼の背後に回る
鬼の攻撃をかわすたび、ルカは自分の魂が少しずつ削られていくのを感じた
ルカ
それでも彼女は戦いをやめない
自由奔放な性格は、戦場でも崩れず、逆に鬼をおちょくるように戦う
その瞬間、遠くから微かな光が差し込む 、、、妹、ルナの影だ
レッサーパンダのようなしなやかさで、ルナは影歩きの能力を使い、ルカの側に滑り込む
ルナ
ルナの警告と同時に、鬼が反撃を試みる、だがルナは柔軟に身を躱し、魅惑の瞳で敵の動きを読み取り、一瞬の隙を作った
ルカはその隙を逃さず、ミケの力で鬼を封じる
戦いが終わり、夜の静けさが戻る
ルカは肩のミケを撫でながら、深く息を吐いた
ルナ
ルナは月明かりを背に、姉の隣で小さく微笑む
ルカ
その夜、二人の少女は静かに誓った、人間と鬼が共存する世界で、生き抜くための戦いと絆を、少しずつ紡いでいくことを
続く